改称と同時に発表された機能の中で、いちばん地味に見えて実は大きいのがこれです。Gemini Notebookの各ノートブックにセキュアなクラウドコンピュータが割り当てられ、AIがコードを書いて実行し、その結果で答えるようになりました。
言葉だけだとピンと来ないので、実際に試しました。結論から言うと、数値の集計を頼んだら、AIがPythonのコードを書いて実行し、使ったコードまで見せてきました。計算結果は電卓で検算して全部一致しました。検証日は2026年7月30日、環境はGoogle AI ULTRA、Chrome、Windows 11です。
結論 何が変わったのか
これまでのAIは、数値を「読んで、それらしく答える」ことしかできませんでした。だから合計が微妙に違う、という事故が起きます。コード実行が入ると、AIが計算そのものをプログラムに任せるので、桁の多い足し算でもずれません。

言い換えると、資料を読ませて質問する道具から、資料の数字を計算する道具に一段上がったということです。
実際に入力したプロンプト
検証はシンプルにしました。まず架空の数値データをテキストのソースとして登録します。
みどり市 月別来訪者数(架空データ)
1月 1234 / 2月 987 / 3月 2456 / 4月 3120 / 5月 2890 / 6月 1765 / 7月 4102 / 8月 5230 / 9月 3011 / 10月 2678 / 11月 1899 / 12月 2544
そのうえで、チャットに入れたのがこの一文です。
ソースの月別来訪者数について、年間合計と月平均、最も多い月と最も少ない月の差を計算してください。計算はコードを実行して求め、使ったコードも見せてください。
わざと「コードを実行して」と明示しました。黙っていても計算はしてくれますが、本当にコードが動いているのかを確かめたかったからです。
返ってきた答えと検算
返答はこうでした。

| 項目 | Gemini Notebookの答え | 筆者の検算 |
|---|---|---|
| 年間合計 | 31,916人 | 31,916 ✓ |
| 月平均 | 約2,659.67人 | 31,916÷12=2,659.666… ✓ |
| 最も多い月 | 8月(5,230人) | ✓ |
| 最も少ない月 | 2月(987人) | ✓ |
| 最多と最少の差 | 4,243人 | 5,230−987=4,243 ✓ |
すべて一致しました。 そして本文の下に「計算に使用したPythonコード」という見出しが立ち、辞書にデータを入れてsumとmaxとminで求めるコードがそのまま貼られていました。数値の出どころに引用番号も付いていたので、どのソースを根拠にしたかも追えます。
正直、ここまで素直に見せてくれるとは思っていませんでした。計算過程がブラックボックスでないのは、仕事で使うなら決定的な違いだと思います。
気づいたこと3つ
実機で触って初めて分かったことを挙げます。

ノートブックの名前が自動で付く。 何も指定していないのに、タイトルが「Midori City Monthly Visitor Statistics」になっていました。日本語のデータを入れたのに英語で付いたので、あとから自分で直したほうが探しやすいと思います。
グラフの提案までしてくる。 回答の最後に、折れ線グラフや棒グラフの画像を生成しましょうかと聞かれました。数字を出して終わりではなく、可視化まで地続きになっています。
Studioに「Data Table」が増えている。 表形式の出力メニューが並んでいて、これもコード実行の流れに沿った追加だと考えられます。
どう使うと効くか
数値が入った資料を持っている人ほど効きます。具体的には、こういう場面です。
- 売上や来客数の表を読ませて、合計や前年比を出す
- アンケートの集計表から、項目ごとの割合を計算させる
- 複数の資料に散った数字を、ひとつの表にまとめさせる
逆に、文章だけの資料しか入れていないなら恩恵はありません。この機能は数字を扱うときの保険のようなものです。
なお、AIが生成したコードや結果を鵜呑みにするのは避けてください。今回は検算して一致しましたが、答えの根拠になる数字が元の資料と合っているかは、自分の目で確かめるのが前提です。公式にも、AIによって生成されるため不正確な場合があると注記されています。
そもそも入れられる資料の数や容量には上限があるので、あわせてNotebookLMのソース上限も確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 自分でコードを書く必要はありますか。
A. ありません。日本語で計算の内容を頼めば、AIがコードを書いて実行します。
Q. コードを見せてもらえますか。
A. プロンプトで「使ったコードも見せてください」と頼めば出てきます。今回はPythonでした。
Q. どのプランで使えますか。
A. 私はGoogle AI ULTRAで確認しました。機能の展開は段階的なので、自分の環境で出ない場合は数日おきに確認してください。
Q. 計算結果はそのまま信用していいですか。
A. 検算をおすすめします。今回は一致しましたが、元の資料の数字を取り違えていないかは人が見るべきところです。