先に結論です。よく調べられている公式統計を聞いたところ、ChatGPT・Gemini・Perplexityの3つとも数字を正確に答え、しかも根拠として公式サイト(政府機関)を正しく引用しました。「AIは出典をでっち上げるのでは」という不安に対しては、少なくとも今回のテーマでは3つとも合格です。差がついたのは、その出典をどれだけ見せてくれるか(たどりやすさ)でした。根拠を1つずつ確認したいならPerplexityかGemini、手早く答えが欲しいだけならChatGPTの無料版でも十分、という結果です。
AIのリサーチ比較は「速い」「賢い」という印象論になりがちですが、この記事は違います。正解が公式サイトで確認できる問いを3つのツールに同じ文面で投げ、返ってきた出典URLを筆者が実際に踏んで、本物か・数字が合っているかを確かめました。
検証のやり方 出典を実際に踏んで確かめる
選んだ問いは「2025年の訪日外国人の数と前年比」です。日本政府観光局(JNTO)が公式に発表しているので、正解を突き合わせられます。先に正解を示します。JNTOの報道発表(2026年1月21日)によると、2025年の年間訪日外客数は42,683,600人・前年比15.8%増で、過去最高でした。この数字と出典に、各AIの答えが一致するかを見ます。
3つのツールに投げたプロンプトは、次の1文で完全に同一です。
2025年(暦年・1月から12月)の訪日外国人旅行者数(訪日外客数)は何人で、2024年と比べてどう変化しましたか。必ず根拠となる出典(URL)を示してください。
使ったプランとモードは正直に書きます。今回は各ツールですぐ使えるリサーチ/検索モードを使いました。ChatGPTやGeminiが持つ有料の「Deep Research(エージェントが数分かけて調べる機能)」ではなく、無料〜通常プランで誰でも使える範囲で比べています。
| ツール | プラン | 使ったモード |
|---|---|---|
| ChatGPT | 無料版 | 検索(Web) |
| Gemini | Advanced | 検索連携(Flash) |
| Perplexity | 無料版 | 検索(Pro検索の無料プレビュー) |
Perplexityの結果
まずリサーチ特化のPerplexity。実際の画面がこちらです。

答えは「4,268万3,600人、2024年の3,687万148人から15.8%増、約581万人増」。正解と完全に一致しました。出典としてJNTOの報道発表URLがそのまま本文に表示され、「10 件のソース」と根拠の数も明示。表示されたURL(jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html)を筆者が実際に踏むと、確かに同じ数字が載った本物のJNTO公式ページでした。根拠を一番たどりやすいのがPerplexityです。
Geminiの結果
次にGemini。同じ質問への回答です。

こちらも「42,683,600人・前年比15.8%増・約581万人増」で正解と一致。特徴的なのは、ひとつひとつの数字の後ろに「日本政府観光局(JNTO)」という出典が付く細かさです。さらに「根拠・出典」として、JNTOの報道発表「訪日外客数(2025年12月推計値)」と、その元になるPDFまで示しました。踏んでみると、どちらも実在するJNTOの公式資料。主張ごとに根拠を確かめたい人に向いています。
ChatGPT無料版の結果
最後にChatGPT。今回は無料版のまま、Web検索で答えさせました。

結果は「42,683,600人(約4,268万人)、前年比15.8%増」で、これも正解と一致。無料版でもちゃんとWebを検索し、でっち上げませんでした。出典も「日本政府観光局・JNTO 訪日外客数(2025年12月推計値)」とリンク付きで示しています。ただし表示される出典は基本1つで、Perplexityの「10件のソース」やGeminiの主張ごとの出典に比べると、クロスチェックできる材料は少なめでした。手早く正しい答えと出典が1つ欲しい、という用途なら十分です。
出典を踏んで確かめた結果の一覧
3つの結果を、実際に出典を踏んで確認した観点で並べます。
| 観点 | ChatGPT(無料) | Gemini(検索連携) | Perplexity(無料) |
|---|---|---|---|
| 数字の正確さ(42,683,600人・15.8%増) | 正確 | 正確 | 正確 |
| 公式(JNTO)を引用したか | 引用 | 引用 | 引用 |
| 出典URLは実在し数字も一致したか | 一致 | 一致 | 一致 |
| 出典の数・見せ方 | 基本1つ | 主張ごとに出典+PDF | 10件のソース+URL明示 |
| でっち上げ(ハルシネーション) | なし | なし | なし |
「正しく答えて公式を引用できるか」は3つとも合格。差は、その根拠をどこまで見せてくれるかに出ました。
差が出たポイントと選び方
今回のようによく調べられている公式統計なら、3つとも正確に答え、出典もでっち上げませんでした。ここは安心材料です。ただし差が出たのは出典の”たどりやすさ”で、根拠を1つずつ確認したい調べ物ほどこの差が効いてきます。複数のソースを並べて裏取りしたいならPerplexity、主張ごとに根拠を確かめたいならGemini、手早く答えと出典が1つ欲しいだけならChatGPTの無料版、という住み分けです。
ひとつ注意点があります。今回は正解が公式で確認できる有名なテーマでした。マイナーな話題や最新すぎる出来事では、AIが古い数字を出したり、それらしいだけの出典を挙げたりするリスクは残ります。どのツールを使っても、大事な数字は必ず出典を自分で踏んで確認する——この習慣が一番の防御です。なお、各社が持つ有料の「Deep Research(エージェント型の深掘り調査)」は今回未使用なので、より重い調査での差は別途検証の価値があります。NotebookLMとGeminiのDeep Researchの違いはこちらの記事でも整理しています。
まとめ
同じ問いを3つのAIに投げ、出典を実際に踏んで確かめた結果、ChatGPT・Gemini・Perplexityとも数字は正確で、公式(JNTO)を正しく引用し、でっち上げはありませんでした。差は出典の見せ方——複数ソースのPerplexity、主張ごとのGemini、手早い無料ChatGPT。根拠をどこまで確認したいかで選ぶのが正解、というのが今回の結論です。