「Perplexity EnterpriseにGoogle DriveやSharePointを連携したいけど、どこから設定するのかわからない」「コネクタってそもそも何ができるの?」と頭を抱えていませんか?実はこの悩み、多くの担当者が最初にぶつかる壁です。
Perplexity Enterprise Proのデータソース追加機能は、2026年に入ってから急速に拡張されており、もはや単なるファイル検索ツールの域を超えています。SnowflakeやSalesforce、GitHubといったビジネスの中核システムと直接つなぎ、自然言語で社内データを横断検索できる環境が整いつつあります。
この記事では、Perplexity Enterpriseへのデータソース追加方法を基礎から丁寧に解説しながら、2026年3月時点で利用できる最新コネクタの全容と、実務での活用術まで徹底的にお伝えします。
- Perplexity Enterpriseのデータソース追加で使えるコネクタの種類と設定手順を完全網羅
- GoogleドライブやSharePoint、Snowflakeなど主要サービスとの連携方法を初心者にもわかりやすく解説
- 2026年3月発表の最新エンタープライズ機能「Computer for Enterprise」との組み合わせで実現できる業務自動化の最前線
- そもそもPerplexity Enterpriseの「データソース追加」って何ができるの?
- Perplexity Enterpriseへのデータソース追加基本的な設定手順
- 主要コネクタ別!データソース追加の実践ポイント
- MCPカスタムコネクタで「独自データソース」も接続できる
- 2026年3月最新情報Computer for Enterpriseとコネクタの融合で何が変わる?
- セキュリティとデータプライバシーはどうなっている?
- 「スペース(Spaces)」を使いこなすと、データソース連携の価値が10倍になる
- 現実でよく起きる「あるある困った」の解決法を体験ベースで話します
- Perplexity Enterpriseのデータソースを活かす実践プロンプト集
- Perplexity EnterpriseのプランとデータソースのMax・Pro比較
- 導入前に知っておきたい!Perplexity Enterpriseのデータソース追加が向いていない場面
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- Perplexity Enterpriseのデータソース追加に関する疑問解決
- まとめ
そもそもPerplexity Enterpriseの「データソース追加」って何ができるの?

AI検索エンジンのイメージ
Perplexity Enterprise Proには「コネクタ(Connectors)」という機能があります。これは一言でいうと、社内外のさまざまなデータを一つのAI検索エンジンから横断検索できるようにするための仕組みです。
普通のPerplexityはウェブ上の情報を検索します。でもEnterpriseのコネクタを使うと、「社内のGoogle Driveにある資料」や「SharePointのドキュメント」、さらには「SnowflakeのデータウェアハウスのデータやGitHubのリポジトリ」まで、同じ検索窓から一発で引き出せるようになります。
たとえば「先月の営業会議の議事録を要約して」と入力するだけで、SharePointに保存されたWordファイルを自動で探し出し、要点をまとめてくれます。これまで「あのファイルどこだっけ?」「誰が持ってるんだっけ?」と時間を無駄にしていた場面が、劇的に効率化されるわけです。
コネクタには「ファイル系」と「データ統合系」と「カスタム系」の3種類がある
Perplexity Enterpriseのコネクタは大きく3つのカテゴリに分けて理解すると整理しやすいです。
まずファイル系コネクタは、クラウドストレージと連携してドキュメントを検索対象に加えるものです。Google Drive、Microsoft OneDrive、SharePoint、Dropbox、Boxが現在対応しています。PDFやWord、Excel、PowerPoint、CSV、テキストファイルなど幅広いフォーマットに対応しており、ファイルの内容をAIが読み込んで質問に答えてくれます。
次にデータ統合系コネクタは、ビジネスデータベースや専門データソースと連携するものです。Snowflake(データウェアハウス)、GitHub(コードリポジトリ)、Linear(タスク管理)、Crunchbase(企業情報データベース)、FactSet(金融データ)などが含まれます。SQLを書かずとも自然言語でSnowflakeのテーブルを照会できるのは、エンジニア以外の部門にとってはかなりのインパクトです。
そしてカスタムリモートコネクタは、MCPという標準プロトコルを使って、Perplexityが公式対応していない外部サービスや独自システムとも接続できる拡張機能です。後ほど詳しく説明しますが、これが2026年現在最も注目されている機能の一つです。
Perplexity Enterpriseへのデータソース追加基本的な設定手順
設定は難しくありません。管理者とメンバーのそれぞれにやるべきことがあるので、順を追って確認しましょう。
管理者(Admin)がまず行う設定
会社全体でコネクタを使えるようにするには、まず管理者が組織設定でコネクタを「許可」する必要があります。
- Perplexityの管理画面(Organization Settings)を開き、「Permissions」セクションに移動する。
- 「Data Integrations and Connectors」の項目で、使用を許可するコネクタの種類を選択する。
- Google DriveやSharePointなど、導入したいサービスをオンにして保存する。
この管理者側の設定が完了して初めて、組織内の各メンバーが自分のアカウントでコネクタを有効化できるようになります。管理者がオフにしたコネクタは、メンバーの画面にそもそも表示されません。これはセキュリティ観点から非常に重要な仕組みです。
メンバー(ユーザー)が行う個人設定
管理者が許可した後は、各メンバーが自分のアカウントで接続作業を行います。
- 右上のアカウントアイコンから「My Account(マイアカウント)」を開く。
- 「Connectors(コネクタ)」のセクションを選択すると、利用可能なコネクタの一覧が表示される。
- 接続したいサービス(例Google Drive)の「Enable(有効化)」をクリックする。
- 各サービスのログイン画面に移行するので、アカウント情報を入力し、Perplexityへのアクセス権限を承認する。
- 接続後は、どのフォルダやファイルをPerplexityの検索対象に含めるかを、三点メニューから細かく指定できる。
注意点として、個人レベルで接続したファイルは、原則としてその本人しか検索できません。チーム全体で共有したい場合は、「スペース(Spaces)」機能を使って共有スペースにファイルを同期する必要があります。スペースにアクセス権を持つメンバーなら、そのファイルを検索対象にできます。
主要コネクタ別!データソース追加の実践ポイント
GoogleドライブとDropbox・Boxクラウドストレージの鉄板連携
最も多くの企業で使われているGoogle Driveとの連携は、設定自体は非常にシンプルです。OAuthで認証するだけで接続でき、同期するフォルダを選択できます。
ただしファイル上限には注意が必要です。Enterprise Proプランでは、1つのスペースあたり最大500ファイルまで同期でき、ユーザー全体での合計上限は15,000ファイルです(Enterprise Maxでは1スペース5,000ファイル、合計50,000ファイル)。大企業で大量のファイルを扱う場合は、Enterprise Maxプランの検討が現実的です。
また、Google Driveに接続するモードには「高精度サーチ(インデックス方式)」と「スタンダードサーチ(API方式)」の2種類があります。高精度サーチはファイルをPerplexityのサーバー(AWS S3)に一時的にインデックスして深い意味理解に基づく検索を実現します。スタンダードサーチはファイルをコピーせずリアルタイムでAPIを叩いて検索するため、データを外部に持ち出したくない組織に適しています。
SharePoint・OneDrive日本企業に多いMicrosoft環境での注意点
Office 365やMicrosoft 365を使っている日本企業は多く、SharePoint連携の需要は非常に高いです。
設定の流れはGoogle Driveと似ていますが、Microsoft EntraID(旧Azure AD)の管理者が組織全体への同意(Admin Consent)を承認する必要があるという追加ステップがあります。ユーザーが接続しようとした際に「管理者の承認が必要です」というメッセージが出た場合は、IT管理部門に依頼してMicrosoft Entra管理センターから承認してもらいましょう。
SharePointに同期されたファイルへの変更は数分以内に自動反映され、SharePoint側で削除したファイルもほぼリアルタイムでPerplexityのインデックスから削除されます。常に最新の状態で検索できる点は、実務でとても助かる仕様です。
Snowflakeとの連携SQLなしでデータウェアハウスを自然言語検索
2026年3月に開催されたPerplexityの開発者カンファレンス「Ask 2026」で特に注目を集めたのが、Snowflakeコネクタです。
Snowflakeとの接続を設定すると、Perplexityが自動で「データマップ(Data Map)」を生成します。これはSnowflakeのデータベース、スキーマ、テーブル、ビューの構造を解析してPerplexityに理解させる仕組みで、「先月の売上上位10製品を教えて」といった日本語の質問をPerplexityに投げるだけで、裏側で適切なSQLが生成・実行されて回答が返ってくるようになります。
これは営業部門や経営企画部門など、SQLを書けない非エンジニア層がデータを直接活用できるようになるという意味で、業務のあり方を根本から変えうるインパクトがあります。
GitHubとLinear開発チーム向けの強力なコネクタ
エンジニアチームにとってうれしいのがGitHubコネクタです。リポジトリ内のコードやドキュメントを自然言語で検索でき、「このバグに関連するコードはどこにある?」「このAPIの仕様はどのファイルに書いてある?」といった質問に即座に答えてくれます。コンテキストスイッチなしに開発作業を進められるため、特にオンボーディングや引き継ぎ時の効率が大幅に上がります。
Linearコネクタはタスク管理ツールとの連携で、Perplexityの画面からLinearのイシューを検索するだけでなく、新しいイシューの作成や更新まで行えます。「先週クローズしたバグ一覧をまとめて」「このフィーチャーに関連するissueはいくつある?」といった問い合わせに即座に対応できるようになります。
MCPカスタムコネクタで「独自データソース」も接続できる
公式に対応していない社内システムや独自データベースとも接続したい場合に使うのがカスタムリモートコネクタです。これはMCP(Model Context Protocol)という、Anthropicが2024年末に発表したオープン標準を使って実現します。
MCPは「AIのためのUSB-C」とも呼ばれ、AI同士やAIと外部ツールを標準化された方法で接続するためのプロトコルです。Perplexity EnterpriseではこのMCPを使って、理論上ほぼあらゆるシステムをデータソースとして追加できます。
追加方法の流れは次の通りです。設定画面のConnectorsセクションで「+ カスタムコネクタ」をクリックし、「リモート」を選択します。コネクタの表示名(例社内CRM)とMCPサーバーのURLを入力し、認証方式(なし・APIキー・OAuth2.0のいずれか)を設定します。管理者が組織全体向けに設定した場合は、Permissionsから全メンバーへの共有が可能です。
なお、2026年3月のAsk 2026カンファレンスでPerplexityのCTOがMCPについて興味深い発言をしています。Perplexityは内部システムや大規模エンタープライズ向けには、MCPよりも従来のREST APIやCLIを優先する方針を示しました。MCPは軽量なローカル開発環境や特定のユースケースには有用だが、プロダクションスケールや厳格なセキュリティが求められる企業環境では、安定性・コスト・セキュリティの面でREST APIのほうが優れているというのがその理由です。カスタムコネクタとしてのMCP対応は継続しながらも、本番環境では実績ある仕組みを優先するという、現実的な判断です。
2026年3月最新情報Computer for Enterpriseとコネクタの融合で何が変わる?
2026年3月に開催されたAsk 2026では、「Computer for Enterprise」という新機能が発表され、コネクタの価値がさらに高まりました。
Computer for Enterpriseは、複数のAIモデルを並列で動かしながらタスクを自律的に完遂するエージェント機能です。これとデータソースコネクタが組み合わさることで、従来は「情報を検索して答える」だけだったPerplexityが、「データを取得して、処理して、アクションを実行する」という全工程を自動でこなすようになりました。
具体例を挙げると、Slackのチャンネルで「@computer」と呼びかけると、Perplexityのコンピューターエージェントが起動します。「先月のSnowflakeの売上データを分析して、上位顧客へのフォローアップタスクをSalesforceに登録して、結果をこのSlackチャンネルに報告して」といった複合的な指示を一度に処理できるようになっています。Snowflake、Salesforce、SharePoint、HubSpot、Datadog、GitHubなどのビジネスグレードコネクタに加え、法務契約レビューや財務監査サポート、セールスコール準備、カスタマーサポートのチケット振り分けといった業務テンプレートも用意されています。
セキュリティとデータプライバシーはどうなっている?
企業でPerplexityにデータソースを追加するにあたって最も気になるのが、セキュリティでしょう。
まず大前提として、接続したファイルやデータがAIモデルのトレーニングに使われることは一切ありません。OpenAIやAnthropicなどのサードパーティAIプロバイダーとのデータ保護契約でも、Perplexityのデータを使ったトレーニングが明示的に禁止されています。
ファイルの保管についても安全性が確保されています。インデックス方式でファイルを取り込む場合、データはAWS S3の組織ごとに独立した専用領域に保存され、保存時はAES-256暗号化、転送時はTLS暗号化が施されます。エンジニアが本番データに直接アクセスできない仕組みになっており、アクセスが必要な場合はセキュリティ承認を経た上で実施されます。
また、SOC 2 Type II認証を取得済みであり、GDPRやPCI DSSへの準拠も進められています。クエリは非公開で保たれ、アップロードされたファイルは7日後に自動削除される設定になっています(変更可能)。
「スペース(Spaces)」を使いこなすと、データソース連携の価値が10倍になる

AI検索エンジンのイメージ
コネクタを設定したはいいけれど、「いざ使おうとしたらどこから呼び出すの?」と迷う方がとても多いです。その答えがスペース(Spaces)機能にあります。
スペースとは、プロジェクトや部門ごとに「専用のナレッジハブ」を作れる機能です。たとえば「営業部スペース」を作って、そこにSharePointの提案書フォルダとDropboxの顧客資料フォルダを同期しておけば、そのスペース内では自動的にそれらのファイルが検索対象になります。毎回「ソース設定でコネクタをオンにする」という手順が省けて、スペースを開くだけで常に社内ファイル込みの検索環境が整っているわけです。
特にEnterprise Proユーザーにとってうれしいのが、組織内の全メンバーをスペースに招待できる無制限コラボレーション機能です。Proプランは最大10人の招待制限がありますが、Enterpriseはその制限がなく、部門全体で一つのスペースを共有できます。スペースにアクセスできるメンバーは同期済みのファイルを横断検索できるため、「あの資料どこに保存したっけ?」という会話が組織から消えていきます。
さらに見落としがちな機能として、スペースに「AIへの指示(システムプロンプト)」を事前に設定できる点があります。たとえば法務部門のスペースに「回答は必ず契約書の条文番号も明記すること」「日本の法律に基づいて回答すること」という指示を書いておくと、そのスペースでの検索はすべてその指示に従って回答が生成されます。部門ごとに「専門家キャラクター」を持ったAIが常駐しているようなイメージです。
現実でよく起きる「あるある困った」の解決法を体験ベースで話します
設定手順を読んでいると簡単に見えるのに、いざ実際に使い始めると「あれ?うまくいかない」という場面が必ずあります。実務でよく報告されるトラブルと、その解決策を正直にお伝えします。
困り事その1ファイルを同期したのに検索結果に出てこない
これは断然多い問い合わせです。原因のほとんどは次のどれかです。
まず確認してほしいのが「スレッド(Thread)を新規作成するときにコネクタのソースが有効になっているか」です。検索窓の近くに「Sources」という設定があり、ここでコネクタをオンにしないと、せっかく同期したファイルは一切検索に使われません。「接続した=常に検索対象になる」ではなく、「接続した上で、スレッドごとに有効化する」という2段階が必要な仕様です。
次に試してほしいのが、ブラウザのハードリフレッシュです。WindowsならCtrl+F5、MacならCommand+Shift+Rを押してみてください。キャッシュが邪魔をしていて新しいファイルが表示されないケースが意外と多いです。
それでも出てこない場合は、50MBを超えるファイルが含まれていないか確認を。Perplexityのコネクタはファイルサイズ上限が50MBに設定されており、それを超えるファイルは静かにスキップされます。大きなPDFや動画ファイルはあらかじめ分割するか、テキスト抽出したものを別途アップロードする運用が現実的です。
困り事その2SharePointに接続したら「管理者の承認待ち」でずっと止まっている
Microsoft環境を使っている日本企業でとにかく多いのがこれです。ユーザー側でやれることは何もなく、IT管理部門のMicrosoft Entra管理者に承認してもらうまでは接続が完了しないのですが、そもそもIT部門が「Perplexityって何?」という状態だと話が進まないという現実があります。
現実的な対処として、IT部門への依頼時に「Perplexity EnterpriseはSOC 2 Type II認証取得済みで、ファイルはAIトレーニングに使用しない旨の契約もある」という情報を添えると承認が通りやすくなります。セキュリティ上の懸念が払拭されると、かなりの確率でIT部門も前向きに動いてくれます。Microsoft Entra管理センターからPerplexityアプリへの「Admin Consent(組織全体の同意)」を付与するだけで解決します。
困り事その3検索結果の引用元がいつもウェブばかりで社内ファイルが使われない
コネクタは有効なのに、なぜかウェブの情報ばかりが回答に使われてしまう……という体験をする方も多いです。これはPerplexityが回答に最も適したソースを自動判断しているためで、質問の内容がウェブ情報で十分に答えられる場合は社内ファイルを使わないことがあります。
解決策は質問文に「社内資料を参考に」「アップロードしたファイルを基に」という指示を入れることです。あるいは、スレッド作成時のSources設定で「ウェブ検索をオフ、コネクタファイルのみオン」に絞り込む方法もあります。用途に応じてソースをコントロールする意識を持つだけで、社内ファイルの活用率が格段に上がります。
困り事その4同じファイルを複数のスペースに同期しようとしたらファイル上限に引っかかった
「プロジェクトAのスペース」と「プロジェクトBのスペース」に同じファイルフォルダを同期したら上限を超えてしまった、というケースです。
Perplexityのファイル上限は「スペースごと」と「ユーザー全体」の2軸で管理されています。同じファイルを複数スペースに同期するとそれぞれカウントされます。解決策として、頻繁に参照するマスターファイルは「個人リポジトリ」に入れて、スレッドから個別に参照する運用にするのが賢明です。スペース同期はプロジェクト固有のファイルだけに絞ると、上限に引っかかりにくくなります。
Perplexity Enterpriseのデータソースを活かす実践プロンプト集
コネクタを設定しても「どんなプロンプトを打てばいいかわからない」という声は意外と多いです。Perplexity AIならではの「ウェブ情報と社内ファイルを横断して引用元付きで答える」という特性を最大限に活かすプロンプトの型をお伝えします。
社内ドキュメント横断検索プロンプト
競合他社のAIツールとの根本的な違いは、回答に必ず引用元(ソース)が明示される点です。この特性を活かすと、情報の出どころを即座に確認できる信頼性の高い調査が実現します。
たとえば、「過去2年間の提案書の中で、製造業向けの提案でよく使われているソリューションのキーワードを3つ挙げて、それぞれの引用元ファイルも示してください」というプロンプトは非常に実践的です。これを打つと、SharePointやGoogle Driveに保存された提案書を横断してキーワードを抽出し、どのファイルのどのページを参照したかまで示してくれます。
社内情報+最新ウェブ情報の融合プロンプト
Perplexity最大の強みは、社内データとリアルタイムのウェブ情報を同時に参照できる点です。次のようなプロンプトがその威力を発揮します。
「社内の市場調査レポート(ファイル名market_research_2025.pdf)と、今日時点の業界ニュースを組み合わせて、競合A社の最新動向と当社の強みを比較した分析を教えてください」というプロンプトは、他のAIツールでは不可能な出力を生み出します。社内の古いレポートが最新ウェブ情報で補完されて、常にアップデートされた競合分析が手に入るのです。
Snowflakeデータを自然言語で照会するプロンプト
Snowflakeコネクタを設定済みの場合、次のようなプロンプトでSQLなしにデータベースを操作できます。
「先月の売上データから、前月比でマイナス20%以上落ちた商品カテゴリを特定して、そのカテゴリで最も影響の大きい上位3顧客も教えてください」と打つと、裏側でSnowflakeに対してクエリが自動生成・実行され、結果が自然言語の回答として返ってきます。SQLを知らない営業マネージャーやマーケターが、データアナリストに依頼していた作業を自分で完結できるようになります。
GitHubリポジトリのコード理解プロンプト
エンジニアチームでは、次のようなプロンプトがオンボーディング時間を劇的に短縮します。
「このリポジトリの認証フローを処理しているファイルはどれですか?JWTトークンの生成ロジックがどこに書かれているかもあわせて教えてください」。GitHubコネクタ接続済みであれば、リポジトリ全体を解析して該当箇所を特定し、コードの説明まで付けて回答してくれます。新しいメンバーが既存コードを理解するのにかかる時間が、数時間から数分に縮まります。
スペースのシステムプロンプトと組み合わせる応用プロンプト
スペースに「このスペースはカスタマーサポート担当者向けです。回答は常に丁寧な敬語で、かつ対応手順のステップを番号付きで示してください」という指示を設定した上で、「お客様から『製品Xが突然動かなくなった』という問い合わせが来ています。社内のトラブルシューティングマニュアルと最近のファームウェアリリースノートを参考に、対応スクリプトを作成してください」と打つと、マニュアル通りの敬語・手順付き対応スクリプトが一発で生成されます。
Perplexity EnterpriseのプランとデータソースのMax・Pro比較
データソース追加に関わる機能の違いをプランごとに整理しておきます。導入検討中の担当者がよく迷うポイントをまとめました。
| 比較項目 | Enterprise Pro(月額$40/ユーザー) | Enterprise Max(月額$325/ユーザー) |
|---|---|---|
| スペースあたりファイル上限 | 500ファイル | 5,000ファイル |
| ユーザー全体のファイル上限 | 15,000ファイル | 50,000ファイル |
| ファイルコネクタ(Google Drive等) | 対応 | 対応 |
| 高精度サーチ(インデックス方式) | 対応 | 対応 |
| Snowflakeコネクタ | 対応 | 対応 |
| GitHubコネクタ | 対応 | 対応 |
| カスタムMCPコネクタ | 対応 | 対応 |
| Computer for Enterprise | 対応(クレジット制) | 対応(より多いクレジット) |
| Spacesのコラボレーター数 | 無制限 | 無制限 |
| 主な用途目安 | 中規模チーム・一般業務 | データヘビーな大規模組織・研究機関 |
月額$40と$325は価格差が大きく見えますが、SnowflakeやGitHubへのアクセスを必要とするユーザーが組織の中でも限られている場合は、コネクタを多用するパワーユーザーだけをMaxプランにして、他のメンバーはProプランにするという混在構成が現実的でコストも最適です。管理者ダッシュボードからユーザーごとのプランを個別設定できます。
導入前に知っておきたい!Perplexity Enterpriseのデータソース追加が向いていない場面
良いことばかり書いていても読者に失礼なので、正直に「向いていない場面」もお伝えします。
まず、画像・動画・音声ファイルがメインのデータソースの場合はまだ弱いです。SharePointやGoogle Driveのコネクタが対応しているのは、PDFやWord、Excel、PowerPoint、CSV、テキストなどのテキストベースのファイルです。動画の文字起こしや画像内のテキスト認識(OCR)は現時点では直接の検索対象になりません。ただし、テキストとして書き起こしたファイルをアップロードすることで回避できます。
次に、50MBを超える大容量ファイルが多い環境では工夫が必要です。大型のExcelや高解像度の資料PDFはこのサイズを超えることが多く、同期がスキップされます。ファイルの分割や軽量化のワークフローを別途設けるか、AWSやSnowflakeに格納した上でそこからコネクタ経由で検索する構成にするのが現実的な回避策です。
また、リアルタイムでのデータ更新が秒単位で必要な用途には向いていません。ファイルの変更は「数分以内」には反映されますが、株価データのようなミリ秒単位の精度が求められる用途はAPIや専用ツールを使うべきです。FactSetやCrunchbaseのような金融データコネクタはリアルタイムに近い形で使えますが、あくまで調査・分析用途での活用が前提です。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまで読んでくれた方に、個人的に正直な話をします。
Perplexity Enterpriseのデータソース追加で一番もったいないのは、「全部つなごうとして何も使えない状態」に陥ることです。企業の導入プロジェクトあるあるですが、「Google Driveもつなごう、SharePointもつなごう、Snowflakeも、GitHubも」と一気に設定しようとして、IT部門の承認待ちやファイル上限の問題が重なって、結局誰も使わないままフェードアウトするケースを山ほど見てきました。
ぶっちゃけ、こうした方が楽だし効率的だと思います。
最初は「Google Drive一択、一つのスペース」だけからスタートするのが正解です。「○○プロジェクト」専用スペースを一つ作って、そこに関係するGoogle Driveのフォルダだけを同期する。メンバー3〜5人で使い始めて「これ便利じゃん」という体験を作る。それが口コミで広がってから、次のコネクタを追加する順番が一番確実です。
SnowflakeやカスタムMCPコネクタは確かに強力ですが、「IT部門の承認→管理者設定→ユーザー個別設定→スペース設定」という4段階の手続きが全部揃って初めて機能します。これを全部いきなりやろうとすると1〜2か月溶けます。
一方でスペースとGoogle Driveの接続だけなら、管理者設定込みで早ければ30分で終わります。「30分で始めて、成功体験を一つ作る」ことが、組織全体へのPerplexity Enterprise展開を加速させる最短ルートです。
検索エンジンの時代に「よく見るリンクを10個開いて読む」のが普通だったように、今はまだ「AIに聞く前にどこに情報があるか自分で探す」のが普通になっている。でもこれ、あと1〜2年で確実に変わります。早いうちに「社内のどこに何があるかをAIが知っている状態」を作っておいた組織が、情報活用で圧倒的なアドバンテージを持つことになる。Perplexity Enterpriseのデータソース追加は、その未来への準備として今すぐできる、最も現実的な一手だと思っています。
Perplexity Enterpriseのデータソース追加に関する疑問解決
コネクタを有効化したのに検索結果に社内ファイルが出てこないのはなぜですか?
いくつか確認ポイントがあります。まず、管理者がOrganization SettingsのPermissionsで該当のコネクタを「許可」しているか確認してください。次に、個人の設定でファイルやフォルダを「同期対象として選択」しているか確認が必要です。接続しただけでは検索対象にはなりません。また、スレッドを作成する際に「Sources(ソース)」の設定でコネクタを有効にしているかも確認しましょう。通常のウェブ検索の結果だけ表示されている場合は、ソース設定でコネクタを選択する必要があります。
SharePoint接続で「管理者の承認が必要」と表示されます。どうすれば解決できますか?
これはMicrosoft Entra(旧Azure AD)側の設定の問題です。社内のIT管理担当者またはMicrosoft Entra管理者に連絡し、Microsoft Entra管理センターからPerplexityアプリへの「組織全体の同意(Admin Consent)」を承認してもらう必要があります。承認後は通常通りSharePointとの接続が完了します。Microsoft Teams環境を使っている多くの日本企業では、この手続きが必要になるケースが多いので、あらかじめIT部門に相談しておくとスムーズです。
ファイルの上限数を超えてしまいました。どうすればいいですか?
Enterprise Proプランでは、1スペースあたり500ファイル、ユーザー全体で15,000ファイルが上限です。上限に達した場合は、不要なファイルの同期を解除するか、Enterprise Maxプランへのアップグレードを検討してください。Enterprise Maxでは1スペース5,000ファイル、合計50,000ファイルまで対応しています。また、ファイルの変更(編集)は上限にカウントされず、新規ファイルの追加のみがカウント対象です。この点を踏まえてファイル管理をすると、上限に引っかかりにくくなります。
Crunchbaseやファクトセット(FactSet)のデータはどう使えばいいですか?
これらはデータ統合系コネクタと呼ばれるものです。CrunchbaseはAPIキーを取得して設定画面から入力し、管理者が組織全体に有効化する必要があります。有効化後は検索時に「Sources(ソース)」からCrunchbaseを選択するだけで、企業情報・資金調達・M&Aデータを回答の情報源として使えます。FactSetについてはFactSetのアカウントチームに問い合わせて有効化する仕組みになっています。競合調査や投資リサーチ、パートナー候補のスクリーニングなどで特に威力を発揮する機能です。
まとめ
Perplexity Enterpriseへのデータソース追加は、社内の知識とウェブ上の情報をシームレスにつなぐ「企業の頭脳」を作る作業といえます。
Google Drive、SharePoint、OneDrive、Dropbox、BoxといったファイルストレージからSnowflake、GitHub、Linear、Salesforceまで、2026年現在では幅広いサービスに対応しています。設定は管理者がOrganization Settingsで許可した後、各メンバーが自分のConnectors設定から認証するという2ステップで完了します。
特に注目すべきは、2026年3月のAsk 2026で発表されたComputer for Enterpriseとの連携です。データソースを追加するだけでなく、そのデータを基にAIが自律的にアクションを実行できるようになり、検索から業務自動化へとPerplexity Enterpriseの立ち位置が大きく進化しています。
まずはGoogle DriveかSharePointの連携から始めて、チームの検索効率の変化を体感してみてください。「情報を探す30分」が「AIに聞く30秒」に変わる体験が、きっと新しいAI活用の扉を開くはずです。

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