「AIで音楽を作っているけど、どこか無機質で自分らしさが出ない…」そう感じたことはありませんか?2026年3月26日、Sunoがバージョン5.5をリリースし、その悩みをまるごとひっくり返す機能が一気に登場しました。単なるモデルのアップデートにとどまらず、「自分の声で歌わせる」「自分のスタイルを学習させる」「使えば使うほど自分好みに育てる」という、まるでAIと共に成長していくような体験が実現しています。
この記事では、SunoのV5とV5.5の違いを具体的に解説しながら、特に話題沸騰中の新機能「Voices」「カスタムモデル」「My Taste」について、初心者にもわかりやすく丁寧に掘り下げていきます。
- V5.5はV5の音質向上に加えて「パーソナライゼーション」に全振りした画期的なアップデート。
- 自分の歌声を登録してAI曲に反映できる「Voices」機能が、ユーザーから最も要望されていた機能としてついに登場。
- 「カスタムモデル」と「My Taste」で、使えば使うほど自分色に染まっていくAI音楽体験が実現。
SunoのV5とは?まずベースを整理しよう

音楽生成AIのイメージ
V5.5の変化点を理解するために、まずV5がどんなアップデートだったかを振り返っておきましょう。
Sunoのバージョン5は、2025年9月23日にリリースされた、それまでの同社史上最大のアップグレードでした。音質面では44.1kHzの高品位オーディオを実現し、V3時代の24kHzから大幅に向上。楽器のセパレーションが明確になり、ボーカルも従来の「それなりに自然」から「人間っぽい息遣いやビブラートまで再現できる」レベルへ進化しました。
さらに処理速度はV4.5比で10倍高速化されており、ほんの数秒でクオリティの高いトラックを生成できるようになりました。内部ベンチマークでは、V5はELOスコア1293を記録し、旧バージョンや競合他社を大きく上回ったとされています。
また同時リリースされた「Suno Studio」は、生成した楽曲を最大12本のステムに分解してDAWへエクスポートできる機能を提供し、AIで作った曲をプロのワークフローに組み込むことも可能になりました。これにより、Sunoは「とりあえず曲が作れるツール」から「本格的な音楽制作プラットフォーム」へと生まれ変わったのです。
V5での楽器分離と音質の変化
V5の最も大きな変化は、楽器の「独立感」が増したことです。エレピ、ベース、ドラムといった個々の楽器が混濁せずにはっきり聞こえるようになり、一発録り感のある生々しさよりも、スタジオでミックスされたような整理されたサウンドが標準出力となりました。
ただし、この「整理されすぎた音」を逆に惜しいと感じるユーザーもいます。バンドが一体となった「雑味」や「一発録り感」が好きな人にとっては、V5の分離感は少し人工的に聞こえる場合もあるのです。こうしたユーザーにとっては、あえてV5を使い分けるという選択肢も依然として有効です。
SunoのV5.5で何が変わったのか?3つの新機能を完全解説
V5.5は、音質面の進化というよりも「より自分らしい音楽を作るためのツール群」が一気に揃ったアップデートです。Suno社は公式ブログで「V5.5は音楽を作るだけでなく、作った人を完全に反映するモデル」と表現しています。その中核となる3つの新機能を詳しく見ていきましょう。
Voices(ボイス)自分の歌声をAIに覚えさせる
Voices機能は、コミュニティから長年「最も要望されていた機能」として知られており、今回のアップデートの目玉です。これは以前存在した「Persona(ペルソナ)」機能の大幅進化版にあたります。
旧Personaでは、Suno内で生成した楽曲の歌声を記録して再利用することはできましたが、自分や他人の実際の歌声を登録することはできませんでした。Voices機能ではそれが解禁され、自分の声を録音またはアップロードするだけでAI楽曲に自分の声が反映されるようになりました。
登録方法は次のとおりです。
- Createメニューから「Voice」バナーをタップして録音を開始するか、すでに持っているアカペラや楽曲ファイルをアップロードする。
- 本人認証のためにランダムなフレーズを読み上げる(英語でも日本語でも可、言語は選択できる)。制限時間は約17秒。
- 認証が通れば歌唱力の自己評価を問われるが、スキップ可能(実際の歌唱力への影響はないとされている)。
ここでひとつ注意があります。初期設定ではフレーズが英語で表示されるため、日本語ユーザーは画面右上の言語設定を確認して日本語に切り替えてから録音することをおすすめします。赤いスタートボタンに惑わされずに、まず言語確認を!というのが実際に試したユーザーたちが強調しているポイントです。
また、マイクの品質が生成クオリティに影響するため、できればスマートフォンのボイスレコーダーアプリで録音したほうが、PCの内蔵マイクよりも音質が良い場合が多いです。クリーンな音源であればあるほど、登録に必要なデータ量が少なく済むという特性もあります。
Voicesは完全にプライベートで、自分以外は使えない仕様です。将来的に「ボイスシェアリング」機能が追加予定とされていますが、現時点では本人のみが利用できます。なお、他人の声や有名アーティストの声を無断で登録することを防ぐための認証プロセスが設けられていますが、技術的に完璧に防ぐことは難しいという指摘もあり、今後の仕組みの発展に注目が集まっています。
カスタムモデル自分の楽曲スタイルをAIに教え込む
Voicesが「声」のカスタマイズだとすれば、カスタムモデルは「音楽スタイル全体」のカスタマイズです。自分がこれまでSunoで作った楽曲や持っているオリジナル楽曲を最低6曲アップロードし、名前をつけることで、V5.5がそのスタイルを学習した専用モデルを構築してくれます。
ProとPremierユーザーはそれぞれ最大3つのカスタムモデルを作成できます。これにより、「ジャズっぽい自分」「ロックな自分」「エレクトロな自分」のように、複数のスタイルモデルを使い分けることも可能になります。
アーティストとして一貫したサウンドを追求したい方や、特定のジャンルに特化した楽曲を量産したいクリエイターにとっては、これまで「ガチャ感」があったAI生成の最大の弱点だった「毎回バラバラな仕上がり」問題を克服できる画期的な機能です。
My Taste(マイテイスト)使うほど賢くなるパーソナライゼーション
My Tasteは、3つの新機能の中で最もさりげなく、しかし長期的に最も大きな影響をもたらす可能性がある機能です。自分で何かを設定するのではなく、Sunoがあなたの行動を観察して自動的に嗜好を学習していきます。
どんなジャンルをよく選ぶか、どんな雰囲気の曲を何度も生成しているか、どんな楽器構成を好むか——そういった傾向を蓄積して、プロンプト入力時の補助やスタイル提案の精度を高めていきます。
My TasteはVoicesやカスタムモデルと異なり、無料ユーザーを含む全ユーザーが利用できるのがポイントです。ただし、あくまでもサポート的な機能であり、明示的なプロンプトを書いた場合はそちらが優先されます。長く使えば使うほど「あ、なんか自分好みになってきた?」という体験が積み重なる、育てがいのある機能といえます。
V5とV5.5の違いを一覧で比較!どちらを使うべきか?
ここまでの内容をわかりやすく整理するために、V5とV5.5の主な違いを表でまとめます。
| 比較項目 | Suno V5 | Suno V5.5 |
|---|---|---|
| 音質 | 44.1kHz・高品位オーディオ | V5ベースで表現力がさらに向上 |
| 楽器分離 | クリアなセパレーション | V5と同等(引き続き高品質) |
| ボーカル | AIが自動生成したボーカル | 自分の声を登録して反映可能(Voices機能) |
| スタイル学習 | なし | カスタムモデル(6曲以上でオリジナル学習) |
| 嗜好の自動学習 | なし | My Taste(全ユーザー対応) |
| Persona機能 | あり(生成曲の声のみ) | Voicesに進化・名称変更 |
| 利用可能プラン | Pro・Premier | ProとPremierが中心(My Tasteは全員) |
端的にいえば、V5が「サウンドクオリティの革命」であれば、V5.5は「自分らしさの革命」です。音の良さはV5でほぼ完成されており、V5.5はその土台の上に「あなたが誰か」を音楽に刻み込む仕組みを構築した、という位置づけです。
V5のRemasterはV5.5でも可能?
すでにV5で作成した楽曲をV5.5のモデルでRemasterする機能も利用でき、実際に試したユーザーからは「楽器がより独立して聴こえるようになった」「エレピのタッチがはっきり出た」「スラップベースの弾感が強調された」といった感想が寄せられています。一方で、「バンドっぽい一体感や雑味はV5の方が好き」という声もあり、曲調によってどちらが合うかは異なります。V5とV5.5を使い分ける視点を持つことが、今後のSuno活用の肝になりそうです。
Voices機能で自分の声を入れてみた!実際の体験談と注意点
日本人ユーザーからの体験談をもとに、Voices機能の「リアルな感触」をお伝えします。
まずマイク選びの話から。PCの内蔵マイクで録音すると音がこもって「モコモコした音質」になりやすく、認証が弾かれたり生成クオリティが下がる原因になります。意外に有効なのがスマートフォンのボイスレコーダー機能で、PCに付属したマイクよりも録音品質が高いことが多く、周囲のノイズが少ない静かな環境でスマホを立てながら歌うと良い結果が出やすいとのこと。
英語の曲でVoicesを適用した場合、音程を外している部分がそのまま拾われたり、高音域の苦手なところが強調されてしまうケースもありました。一方、日本語の曲に適用した場合は「荒削りな部分を整えながらも生の声らしさを残してくれた」という感想が多く、AIが声の個性を活かしながらバランスを取ってくれる印象があるようです。
「AIが生成した曲には一定の冷たさがある」「似たり寄ったりのボーカルに疲れてきた」という悩みを持つユーザーにとって、Voicesは非常に大きな突破口になり得ます。自分の声が乗ることで楽曲に「湿度」が生まれ、人の温もりが伝わってくるという体験は、これまでのAI音楽にはなかったものです。
V5.5でさらに輝く!SunoAIだからこそ使えるプロ級プロンプト集

音楽生成AIのイメージ
Sunoは「何となくジャンルを書けば曲ができる」ツールではなく、プロンプトの書き方次第で出力品質が劇的に変わることをご存じでしょうか?特にV5.5では、細かいニュアンスの指示ほど正確に反映される傾向が強まっているため、プロンプトの技術を磨くことが今まで以上に重要です。ここでは、実際に効果が実証されている、SunoAIならではのプロンプトの型を紹介します。
プロンプトの「黄金構造」を身につける
Sunoのスタイルプロンプトは1,000文字まで入力可能ですが、書いた内容はAIが左から右に優先度をつけて読み込むという特性があります。つまり、プロンプトの冒頭に最も重要な情報を置く「トップローディング」という考え方が非常に有効です。
理想的なプロンプトの構造は次の4層です。最初に「ジャンルとサブジャンル」を明示し、次に「楽器とプロダクションスタイル」、そして「ボーカルの特性」、最後に「感情・雰囲気の方向性」を加えます。この順番で書くだけで、曖昧なプロンプトと比べて狙い通りの出力が得られる確率が大きく上がります。
例えば次の2つのプロンプトを比較してみてください。
よくある失敗プロンプト「ポップソング、ドラム、ギター、ベース、きれいなボーカル」
プロ仕様プロンプト「Clear expressive female vocals, dreamy synth-pop, 100 BPM, layered synthesizers with warm reverb, light drums, emotional intimate atmosphere, late-night city feel」
後者ではボーカルを最優先で指示してから周辺楽器を肉付けする形になっており、ミックスの中でボーカルが埋もれにくくなります。
V5.5で使えるシーン別コピペ即戦力プロンプト
以下は、V5.5の特性に合わせてチューニングされた、すぐに使えるプロンプトのサンプルです。実際に貼り付けてBPMやキーを自分好みに調整するだけで活用できます。
- 日本語バラード(Voices機能との相性抜群)「感情的な日本語バラード、80 BPM、Cメジャー、温かみのあるピアノリード、弦楽カルテット、息遣いが聞こえるほど近いソフトな女性ボーカル、静かな夜の孤独感、リバーブ控えめ、生っぽいミックス」
- Lo-Fi集中BGM(My Tasteで育てるのに最適)「lo-fi hip hop study beat, 75 BPM, dusty vinyl texture, warm Rhodes piano, soft jazz drums with ghost notes, no vocals, minimal variation, sustained loop-friendly, cozy rainy afternoon feeling」
- シネマティックポップ(カスタムモデルとの組み合わせ推奨)「cinematic pop anthem, 92 BPM, E minor, intimate verse building to anthemic chorus, male tenor with emotional crack in the voice, live strings legato, acoustic guitar picking, subtle orchestral swell, sunrise imagery, professional studio mix」
プロンプト内の記述子は4〜7個が黄金地帯とされており、それ以上詰め込むとAIが混乱して「なんとなく全部入ってる」中途半端な出力になりやすいです。また、「calm aggressive」や「slow energetic」のように矛盾する感情指示は生成精度を著しく下げるので注意してください。
歌詞フィールドのメタタグ活用でさらに精度を上げる
Sunoには「スタイルプロンプト」とは別に「歌詞フィールド」があり、ここに構造指示タグを入れることで楽曲構成をコントロールできます。よく使われるタグとその役割を覚えておくと、クレジットの無駄遣いが大幅に減ります。
| タグ | 役割・効果 |
|---|---|
| [Verse] | Aメロの開始を指示する。落ち着いたトーンで始まりやすい |
| [Chorus] | サビの開始を指示。エネルギーを上げて展開させる |
| [Bridge] | ブリッジ部分。展開の転換点として機能する |
| [Fade Out] | 曲末に入れると自然なフェードアウトで終わる |
| [End] | 明確に曲を終わらせたいときに使用する |
| [Instrumental Break] | ボーカルなしの間奏を作りたい部分に挿入 |
| [Acoustic Guitar][Softer Vocals] | 特定のセクションで音色変化を促す指示として有効 |
特に[End]や[Fade Out]タグは必ず使うべきです。Sunoは曲の終わり方が苦手で、指示なしだと突然終わったり、不自然にループし続けるケースが多いのです。終わり方を明示するだけで、出来上がった曲の「完成度の印象」が劇的に変わります。
Sunoを使っていてよく起きる困った問題と、その解決策
Sunoを本格的に使い始めると、誰もが必ずぶつかる「あるある問題」があります。このセクションでは、ユーザーが実際に体験するよくある悩みを、体験ベースで具体的に解決していきます。
問題1「曲が長くなるほどボーカルが崩れてくる」
これはおそらくSunoユーザーの間で最も多く報告されている問題です。最初の1分間は完璧なのに、2分目あたりから声が歪んで「AIが疲れてきた?」と感じるあの現象です。
原因はシンプルで、SunoのAIは曲が長くなるほど「文脈の記憶」が薄れていき、初期の声質や雰囲気を維持しきれなくなるためです。
最も効果的な解決策は「セクション分割生成」です。バース、コーラス、ブリッジと、セクションごとに個別に生成して、あとからDAW(GarageBandやAudacityなど無料ツールで十分)でつなぎ合わせます。V5以降は楽器セパレーションが高精度なので、セクション間をクロスフェードでつないでも違和感が出にくくなっています。
また、Extend機能を使う場合は「Get Whole Song」オプションを選ぶことで、AIがそれまでの楽曲全体を再読み込みした状態で続きを生成するため、声質の一貫性が保たれやすくなります。
問題2「何度生成しても狙った雰囲気にならない、クレジットが溶けていく」
「もう10回試したのに全然違う」という体験をしたことがある方は多いはずです。これはプロンプトに矛盾した要素が混在しているか、指示が抽象的すぎる場合がほとんどです。
解決の鉄則は「まず30〜45秒の短い生成で方向性を確認する」ことです。フルレングスでいきなり試すのは後でよく、まず短いバージョンで音の雰囲気が合っているか確認してからExtendするほうが、クレジットの消費を最小限に抑えられます。
それでもハマらない場合は、プロンプトの見直しポイントをひとつだけ変えてみてください。複数の要素を同時に変えると「どれが良かったのか」がわからなくなります。変数はひとつずつ、という原則が意外と重要です。
また、アーティスト名をアンカーとして使うのも有効です。「80年代シンセポップ風」と書くより「Depeche ModeとThe Cureを足したような、冷たいシンセとメランコリックなボーカル」と書いたほうが、Sunoが訓練データから正確に参照できるため再現精度が上がります。
問題3「ボーカルが楽器に埋もれてドラムとベースばかり主張する」
特にロックやEDM系のプロンプトを書くと起きがちな問題です。これは指示の優先順位とジャンル選択の問題で解決できます。
前述のとおり、ボーカル指示をプロンプトの先頭に書くのが最も即効性の高い方法です。「vocal-forward」「clear vocals in the mix」「intimate close-mic vocal」といった表現を冒頭に置くだけで、ミックスのバランスが変わります。
さらに、ジャンル選択そのものを見直すことも検討してください。同じ「インディーロック」でも、「indie folk」や「acoustic singer-songwriter」と書いたほうがボーカルが前面に出てくる傾向があります。アグレッシブなプロダクションのジャンル(メタル、EDM、トラップ)は、ボーカルより楽器が強く出るようにSunoが訓練されているため、ボーカルを活かしたい場合はジャンル選択の段階から戦略的に考える必要があります。
問題4「Voices機能でボイス認証が何度も弾かれる」
実際にVoices機能を試した多くのユーザーが「認証フレーズで何度も弾かれた」と報告しています。原因のほとんどは3つです。①言語設定が英語のままになっている、②マイクの音質が悪くてフレーズが正しく認識されない、③17秒という制限時間内に読み終わっていない。
言語切り替えは赤いスタートボタンに惑わされず画面右上の言語設定から日本語を選ぶことが先決です。マイク問題はスマートフォンのボイスメモアプリを代用することで大幅に改善します。時間切れについては、フレーズが出てきた瞬間に少し早口気味に読む意識を持つと安定します。認証はあくまで「声が本人のものかどうか」を確認するためのものであり、歌唱力の審査ではありません。多少音程が外れていても問題ないので、硬くならず自然体で読み上げてください。
問題5「同じプロンプトで再生成したのに全然違う曲になる」
これはSunoの「確率的な生成」という根本的な特性による問題で、完全に回避することはできません。ただし、カスタムモデルを使うことで再現性をかなり高めることができます。自分が「これだ!」と思った楽曲を6曲以上アップロードしてカスタムモデルを作成すると、以後の生成がそのスタイルに収束しやすくなり、ランダム性による「ガチャ外れ」が減ります。
また、良い生成結果が出たときは必ずプレイリストに保存しておき、Inspirationとして再利用する習慣をつけることも効果的です。V5.5では「同じバイブを続けて」というコールバック指示も精度よく認識されるようになっているため、気に入った1曲を起点に展開させる戦略が使えます。
SunoのV5.5で広がる新しい音楽体験の可能性
V5.5がリリースされた3月26日、同じタイミングでGoogleのDeepMindも「Lyria 3 Pro」という新しいAI音楽システムを発表しました。AI音楽ツールの競争は今まさに激化しており、各社が「クリエイターの個性をいかに反映できるか」を競い合っています。
その中でSunoが選んだ方向性は明確です。音楽を作るのではなく、あなたの音楽を作るというコンセプトへのシフトです。Voices、カスタムモデル、My Tasteという3つの機能はすべて、AIを「汎用的な音楽生成エンジン」から「個人のクリエイティビティを増幅するパートナー」へと進化させるための機能です。
Suno社は公式ブログで、今年後半に音楽業界と連携した次世代モデルをリリースすると予告しています。2025年11月には2億5000万ドルの資金調達を完了し、企業評価額が24億5000万ドルにまで達したこの会社が、音楽業界とどのようなパートナーシップを構築していくのかは、AI音楽の未来を占う上でも非常に重要な動きです。
現在、Sunoでは毎日700万曲以上のAI楽曲が生成されており、その数はSpotifyの全楽曲カタログ(約1億曲)を2週間で超えるペースです。この数字は「AIが音楽を作る時代が来た」というレベルをとっくに通り越し、「AIで音楽を作ることが日常になった」という時代の到来を示しています。
SunoのV5.5に関する疑問をさらに深掘り
SunoとWarner Musicの提携はV5.5に影響する?
Sunoは2025年後半、Warner Musicとのライセンス契約を締結しており、今後のモデルは著作権的に許諾された音楽データを基に訓練される予定です。これにより、将来的にはAI生成楽曲の配信や商用利用に関する権利関係がより明確になる可能性があります。V5.5自体は現行のモデルをベースにしていますが、Suno社が「音楽業界と共に次世代モデルを構築する」と明言している以上、今後のバージョンで品質と権利の両面が大きく変わることが期待されます。
Voices機能で生成した曲は商用利用できる?
現時点では、ProプランとPremierプランのユーザーは商用利用権が含まれています。自分の声を登録したVoices機能で作成した楽曲についても、プランの商用利用ポリシーが適用されます。ただし、利用規約は随時更新されるため、重要な商用案件に使用する前は必ず最新のSuno利用規約を確認してください。
My Taste機能はリセットできる?
My Tasteは使用履歴から自動的に嗜好を学習する仕組みですが、現時点では手動でリセットする機能は公式には案内されていません。ただし、明示的なプロンプトの指示はMy Tasteの影響より常に優先されるため、普段と違うジャンルを試したい場合は、いつも通りプロンプトで指定すれば意図した方向に生成されます。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまでV5.5の機能やプロンプトの書き方、よくある問題の解決策を一通り見てきましたが、正直なところ、ぶっちゃけてしまいます。
Sunoで時間とクレジットを無駄にしている人の9割は、「最初の1曲をフルレングスで完璧に仕上げようとしている」ことが原因です。これが一番もったいない。
個人的にいちばん効率的だと思うのは、「30秒の方向性確認→気に入ったらExtend→セクション単位でリトライ→最後にDAWで繋ぐ」という段階的なフローです。最初から3〜4分の完成品を求めず、まず30秒で「この声質と雰囲気でいけそう?」を確認するだけで、クレジットの消耗が体感で半分以下になります。
そしてVoices機能については、最初から歌が上手い人向けの機能だと思い込んで敬遠している人が多いのですが、実はむしろ歌が下手な人のほうが面白い体験ができると思っています。Sunoはあなたのザラッとしたリアルなクセを「個性」として解釈して整えてくれます。磨きすぎて均質化したAIボーカルに疲れていた人は、一度自分の素の声を録音してみてください。「なんか、生きてる感じがする」という体験ができるはずです。
カスタムモデルについても同様で、「6曲も用意できない」と尻込みしている方は多いですが、必ずしも完成度の高い6曲である必要はありません。自分のSunoでの生成曲の中で気に入ったものを6曲選ぶだけでいい。それだけで「自分っぽい出力の確率」が劇的に上がります。
AIは言われたことしかできないのではなく、あなたが蓄積してきたものを素材にして、あなた以上のものを作ろうとしてくれる道具になりつつあります。V5.5はその方向性がはっきり見えたアップデートです。完璧を目指してクレジットを溶かすより、まず動かしてみることが、SunoAIを楽しみ倒す唯一の正解だと個人的には思います。
SunoのV5.5に関するよくある疑問に答えます
V5.5はV5より音質が良くなっているの?
基本的な音質エンジンはV5がベースで、V5.5はその上にパーソナライゼーション機能が加わった構造です。ただし、V5.5は「表現力の高いモデル」として設計されており、プロンプトへの応答がより細かくなり、微妙なニュアンスの指示(例「少しデチューンされたヴィンテージキーボード」)を正確に反映できるようになっています。純粋な音質の数値差よりも、「思い通りの音が出やすくなった」という体験上の向上が大きいといえるでしょう。
Voices機能は無料ユーザーも使えるの?
現時点では、VoicesとカスタムモデルはProプランとPremierプランのみが利用対象です。My Tasteは無料ユーザーを含む全員が使えます。Proプランは月額8ドル(約1,200円)、Premierは月額24ドル(約3,600円)程度です。自分の声で歌わせてみたい場合は、まずProプランへのアップグレードが必要になります。
他の歌手の声を登録することはできるの?
セキュリティ上の理由から、Voicesへの登録には本人認証プロセスが必須です。ランダムなフレーズを実際に声に出して読み上げることで、その声が登録しようとしている人本人のものかどうかを照合します。これにより有名アーティストの声を無断で使う行為を防ごうとしていますが、すでに存在するAIボイスモデルで突破できる可能性を指摘する声もあり、今後さらなる対策強化が期待されています。
カスタムモデルを作るのに何曲必要?
カスタムモデルの作成には最低6曲のアップロードが必要です。録音品質が高ければ高いほど必要なデータ量が少なくて済むという特性があります。ProとPremierユーザーはそれぞれ最大3つのカスタムモデルを作成・管理できます。
V5で作った曲はV5.5に引き継ぎや変換できるの?
V5で作成した楽曲をV5.5モデルでRemasterする機能が使えます。V5.5のプロンプト構文やメタタグはV5と完全互換であるため、今まで使っていたプロンプトをそのままV5.5に持ち込めます。むしろV5.5は細かいプロンプト指示に対する応答性が高まっているため、同じプロンプトでより良い結果が出ることも期待できます。
まとめSunoのV5.5は「自分らしさ」を音楽に込める時代の幕開けだ
SunoのV5とV5.5の違いを一言で表すなら、V5が「AIが上手に音楽を作る時代」を開いたとすれば、V5.5は「AIがあなたの音楽を作る時代」の始まりです。
Voices、カスタムモデル、My Tasteという3つの新機能は、それぞれ「声」「スタイル」「嗜好」という人間のクリエイティビティの核心に迫るものです。AIで作った曲だからといって個性が出せないという悩みは、V5.5によって根本から変わる可能性があります。
今すぐ試してみたいなら、まずはMy Tasteを意識しながらSunoで曲を作ることから始めましょう。ProやPremierユーザーなら、スマートフォンのボイスメモアプリで静かな場所に自分の歌声を録音して、Voices機能に挑戦してみてください。最初は恥ずかしくても、自分の声が乗ったAI楽曲を聴いた瞬間、きっとその感動に驚くはずです。
AI音楽はもう「便利なツール」ではなく、「あなた自身を映す鏡」へと進化しました。その体験を、ぜひV5.5で味わってみてください。


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