「なんかAIっぽい画像しか生成できない」「もっと自分のイメージに近づけたい」「プロのようなアート作品を作りたいのに、どこをいじればいいかわからない」——Midjourneyを使い始めてしばらく経つと、必ずこんな壁にぶつかりませんか?
実は、その悩みの大半はたった1つのパラメータで解決できます。それが今回解説する–stylize(スタイライズ)です。数値を変えるだけで画像の雰囲気が劇的に変わるのに、意外と正確に理解していない方が多いのがこのパラメータ。しかもMidjourney V7では仕様や効き方が以前のバージョンから大きく変化しているため、古い情報のまま使っていると意図しない結果ばかり出てしまいます。
この記事では、最新のV7(2025年6月17日に正式デフォルト化)に対応した–stylizeの仕組みから実践的な活用法、さらに–style raw・–p(パーソナライゼーション)との組み合わせまで、圧倒的に詳しく解説します。
- –stylizeの数値範囲(0〜1000)とV7ならではの「スイートスポット」の正確な把握
- 風景・人物・写真・イラストなど用途別の最適な数値設定と実例
- –style rawやパーソナライゼーションとの組み合わせで理想の画像に近づく方法
- Midjourneyのstylizeとは何か?その本質を理解しよう
- V7でstylizeの効き方はどう変わったのか?
- 数値別・stylizeの特徴と使い分け完全ガイド
- –style rawとstylizeを組み合わせるプロ技
- 用途別stylize推奨値実践シナリオで理解する
- stylizeと他パラメータの「黄金比」——組み合わせ次第で出力が劇変する
- 現実でよく起きるトラブルと、他のサイトでは教えてくれない解決法
- 実際にすぐ使えるstylize活用プロンプト集
- stylizeを使いこなすための「自分基準値」の作り方
- stylize設定を「ワークフロー」に落とし込むプロの効率化術
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- stylizeに関する疑問解決
- まとめstylizeを制する者がMidjourneyを制する
Midjourneyのstylizeとは何か?その本質を理解しよう

画像生成AIのイメージ
–stylize(短縮形は–s)は、Midjourneyが持つ「独自の美的センス」をどれだけ画像に反映させるかをコントロールするパラメータです。公式ドキュメントでは「芸術的なフレアをコントロールするスライダー」と表現されています。
Midjourneyは膨大な量のアート作品・写真・イラストを学習しており、そこから導き出された「美しい画像とはこういうものだ」という独自の美意識を持っています。stylizeはその美意識の適用量を決める設定です。
設定範囲は0〜1000で、デフォルト値は100です。
数値が低い(0に近い)ほどプロンプトに忠実なシンプルな出力になり、高い(1000に近い)ほどMidjourneyが独自に装飾・演出・抽象化を加えた芸術的な画像になります。「低い=素直」「高い=個性的」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
ここで多くの初心者が誤解するのが「プロンプトに忠実なほど良い」という思い込みです。確かにstylize値が低いと指定通りの要素が出やすいのですが、それは「絵として完成度が高い」ことを意味しないのです。stylizeを適切に高めることで、色彩の深み・光と影の表現・構図の芸術性が大幅に向上します。どちらが優れているかではなく、目的によって使い分けるのが正解です。
なぜデフォルトが100なのか?
「なぜ完全に忠実な0をデフォルトにしないのか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。これはMidjourneyが「美しい画像を生成すること」を最優先設計しているからです。完全に指示に従うだけでは、見栄えのしない画像が量産されてしまいます。100という数値は「プロンプトへの忠実さ」と「AIによる美的補完」の最初のバランス点として設定されており、ほとんどの用途でそれなりに良い結果が出るよう設計されています。
V7でstylizeの効き方はどう変わったのか?
Midjourney V7は2025年4月3日にリリースされ、同年6月17日に正式なデフォルトモデルに昇格しました。このV7への移行はstylizeの使い方に大きな影響を与えています。
最も重要な変化はパーソナライゼーション機能との統合です。V7の公式ドキュメントによれば「パーソナライゼーションを使用する際、stylizeパラメータはパーソナライゼーションの適用量をコントロールする」とされています。つまりV7では、stylizeはAIの一般的な美意識だけでなく、あなた個人の美的好みの反映量をも調整するようになっているのです。
これはV6以前には存在しなかった概念です。V7を使いこなすには、stylize単体の理解だけでなく、パーソナライゼーションプロファイルとの関係性を把握することが重要になりました。
また、V7ではテキストと画像プロンプトの理解精度が大幅に向上し、手・体・背景の一貫性も改善されています。そのため以前のバージョンで高いstylize値が必要だった表現が、V7では低い値でも達成できるケースが増えています。V6時代に700〜800あたりをよく使っていた方は、V7では500前後から試してみることをおすすめします。
V7のパーソナライゼーションとstylizeの関係
V7の大きな特徴として、初回利用時に約200枚の画像をランキングすることで自分の美的好みを学習させる「パーソナライゼーション」があります(所要時間は約5分)。このプロファイルを有効にした状態でstylizeを調整すると、数値が高いほどあなたの好みが強く反映された画像が生成されます。
例えばあなたが暖色系・水彩風の画像を好むプロファイルを持っている場合、–s 300 –pのように設定すると、プロンプトの内容に加えてそのような傾向が強まります。逆に–s 50にするとパーソナライゼーションの影響が抑えられ、より中立的な出力になります。
数値別・stylizeの特徴と使い分け完全ガイド
stylizeの数値をどう選ぶかが、画像クオリティを左右します。以下に実用的な数値帯の特徴をまとめます。
0〜50プロンプト最優先のリアル志向
この範囲では、Midjourneyの独自解釈がほぼオフになります。プロダクト写真・設計図・精密なスケッチ素材・UI素材など、「余計な装飾なしで指定通りに出力してほしい」用途に最適です。ただし、絵としての「映え」や芸術性は低くなる傾向があります。Instagramへの投稿やポートフォリオ用の画像としては物足りなく感じることもあるでしょう。
商用プロダクト撮影の素材として使いたい場合や、テクニカルなイラスト・インフォグラフィックのベースとして使いたい場合に力を発揮します。また、この数値帯では人物の特徴・国籍・服装などがプロンプトに近い形で反映されやすいため、特定の人物像を再現したい場合にも有効です。
100〜300V7の「スイートスポット」
デフォルトの100を含むこの範囲が、V7で最も汎用性が高いゾーンです。多くのユーザーが「200〜300あたりが自然なMidjourneyらしさを保ちつつ美しく仕上がる」と報告しています。
SNS向けのイラスト・キャラクターポートレート・一般的な風景画・ブランディング素材など、幅広い用途で安定した高品質の出力が得られます。迷ったときはまずこの範囲から試してみてください。
V6時代に「150前後がちょうどいい」と感じていた方は、V7では200〜250あたりが同等の感覚に対応している可能性があります。モデルの世代が変わるたびにstylizeの効き方も変化するため、バージョン変更後は必ず自分の感覚をキャリブレーションし直すことをおすすめします。
300〜600個性と芸術性の強化ゾーン
色彩が豊かになり、構図に大胆さが加わり、ファンタジー・アブストラクト・コンセプトアートなどのクリエイティブな表現が映えてきます。アイデア出しや抽象表現に向いており、「こんな表現は思いつかなかった」というAIならではの発想を楽しみたいときに有効です。
ただし、この範囲からプロンプトで指定した細かい情報(特定の場所・人物の特徴・服装)が失われやすくなることに注意が必要です。「日本人女性」と指定しても外国人風の出力になったり、「東京・新宿」と指定しても架空の都市景観になったりすることがあります。
600〜1000AIに全権を委ねる表現の極致
stylize 1000は「MidjourneyのAIが美しいと考える究極の表現」です。プロンプトの内容よりもAIの美的判断が優先され、壮大で複雑な装飾・大胆な色彩・幻想的な構図が展開します。出力に若干時間がかかる場合があります。
この範囲は「何でもいいから衝撃的なビジュアルが欲しい」「アート作品として独自のインスピレーションを得たい」という用途には適していますが、具体的なイメージを再現したい場合には不向きです。また、この数値帯では出力される画像のキャラクター・構図・雰囲気が似通ってくる傾向があり、バリエーションが欲しい場合はかえって低い値の方が多様な出力が得られます。
以下の表にstylize値と用途の対応をまとめます。
| stylize値 | 特徴 | おすすめ用途 |
|---|---|---|
| 0〜50 | プロンプト忠実・シンプル・リアル寄り | プロダクト写真・設計図・テクニカルイラスト |
| 100〜300 | バランス良好・V7のスイートスポット | SNS投稿・キャラクター・一般的な風景・ブランディング |
| 300〜600 | 色彩豊か・大胆な構図・抽象度アップ | ファンタジーアート・コンセプトアート・アイデア出し |
| 600〜1000 | AIの美的判断優先・装飾的・幻想的 | アート作品・インスピレーション探し・実験的表現 |
–style rawとstylizeを組み合わせるプロ技
stylizeと一緒に覚えておきたいのが–style rawパラメータです。これはMidjourneyが持つ自動美化機能を抑制し、プロンプトにより忠実な出力を促します。
–style rawとstylizeの関係は補完的です。–style rawだけを指定すると「美化しない・でもstylize 100相当の芸術性は入る」状態になります。ここに–style raw –s 50と組み合わせると「美化もしない・芸術的装飾も最小限」という非常に素直な出力が得られます。
一方で–style raw –s 300のように組み合わせると「自動美化は抑制しつつも、色彩と構図の芸術性は取り入れる」という絶妙なバランスが実現します。特にポートレート写真で「ファンタジー化せずにリアルな美しさを出したい」という場合にこの組み合わせは非常に効果的です。
忍者・侍・武将といった日本的なモチーフを生成する場合、–style rawなしだとゲームやファンタジー映画風の非現実的な忍者になりがちですが、–style rawを追加することで現実に近い衣装や表情になります。
プロンプトに書く場所と書き方
パラメータはプロンプトの末尾に追記します。例えば夜の新宿の街並みを風景写真として生成したい場合は次のように書きます。
night time Tokyo Shinjuku neon reflection wet street, cinematic, ultra realistic –ar 16:9 –style raw –s 150 –v 7
複数のパラメータを組み合わせる順番は基本的に自由ですが、読みやすさのために–style rawなどのスタイル指定を先に、–arや–vを後に書くクリエイターが多いです。
用途別stylize推奨値実践シナリオで理解する
実際のクリエイティブ作業でどの数値を選ぶべきか、シナリオ別に解説します。
SNS・インスタグラム向けイラスト
視覚的なインパクトが必要でありながら、キャラクターや構図が崩れてほしくない用途には–s 150〜250が最適です。この範囲では「Midjourneyらしい美しさ」を感じながらも、意図した構図・人物・背景が維持されます。
ファンタジー・ゲームアート
世界観の強さと装飾の豊かさが求められるジャンルには–s 350〜500を推奨します。AIが魔法・光・細かいディテールを自律的に追加してくれるため、プロンプトをシンプルにしても迫力あるアウトプットが得られます。
商用プロダクト・広告素材
製品の正確な再現が求められる場合は–s 0〜80 –style rawの組み合わせがベストです。余計な装飾がなくなり、商品の形状・色・テクスチャが忠実に描写されます。ただしMidjourneyは本質的に写実ツールではないため、最終的な仕上げは別途必要になるケースもあります。
アニメ・イラスト風ポートレート
アニメスタイルの人物イラストには–s 100〜200が安定しています。stylizeを上げすぎると顔のパーツが過剰に装飾され、いわゆる「AI顔」になりやすいため、自然なアニメ絵に仕上げたい場合は控えめの値が有効です。Nijiモデルを使う場合は同様の数値でより一貫したアニメ表現が得られます。
stylizeと他パラメータの「黄金比」——組み合わせ次第で出力が劇変する

画像生成AIのイメージ
–stylizeは単体で使うより、他のパラメータとセットで使うことで真価を発揮します。ここでは現場で実際に効果が確認されている組み合わせを、なぜそうなるのかの理由込みで解説します。
stylize × chaos「芸術性」と「多様性」は別物という事実
よく混同されるのが–stylize(芸術性の強度)と–chaos(バリエーションの幅)の役割です。chaosはデフォルト0で、上げると4枚の生成画像が互いにかけ離れた方向性を持つようになります。
では、この2つを組み合わせるとどうなるか?
–s 200 –c 0は「芸術的だが4枚ともよく似た方向性」の出力になります。一貫したスタイルで量産したいときに向いています。逆に–s 200 –c 30にすると「芸術的かつ4枚それぞれが異なるアプローチ」になり、方向性を模索したいアイデア出しフェーズに最適です。注意が必要なのは–c 70以上の高chaos域で、stylizeを高くしているとAIの解釈が暴走し、プロンプトから完全に逸脱することがあります。高stylize × 高chaosは「実験的表現」と割り切って使いましょう。
実用的な組み合わせとしては、ブランドビジュアルの探索段階では–s 180 –c 25が安定した多様性を確保しつつ、まとまった世界観を維持できる数値帯として多くのデザイナーに支持されています。
stylize × seed再現性を担保しながら芸術性を調整する
Midjourneyには–seedパラメータがあり、同じ数値と同じプロンプトを使えば近似した構図・配置の画像が繰り返し出力されます。これをstylizeと組み合わせると、「構図を固定しながら芸術性だけを変えて比較する」という精密なテストが可能になります。
使い方の手順はシンプルです。まずseedなしで気に入った構図の画像が生成されたら、その画像のJob IDからseed番号を取得します。次に同じプロンプトに–seed を追加し、stylize値だけを50・150・300と変えて比較します。これによって「この構図でstylize 150が一番好み」という個人の基準値を言語化できるようになります。
シード固定での比較テストは、V7移行後のキャリブレーションにも応用できます。V6で使っていたプロンプトを同じseedで再生成し、V7でどのstylize値が同等の雰囲気になるかを探るわけです。
現実でよく起きるトラブルと、他のサイトでは教えてくれない解決法
ここからは「ネットで調べても抽象的な説明しかなくて困った」という体験談ベースの問題と、具体的な解決手順を紹介します。
問題①高stylizeにしたら人物の顔が「AI顔」になってしまう
stylize 400以上で人物を生成すると、目が大きすぎる・鼻が整いすぎる・肌が人工的に美しすぎる、いわゆる「AI顔」になりやすくなります。これはMidjourneyの学習データに「美しい顔」として登録されているパターンにAIが引っ張られるためです。
解決手順はこうです。まず–style raw –s 50〜100に下げてベースとなる「個性のある顔」を生成します。顔の特徴が好みに近い画像が出たら、その画像URLを–cref(キャラクターリファレンス)として設定します。その上でstylizeを上げても、今度はキャラクターリファレンスが顔の一貫性を守ってくれるため、高stylizeでの芸術的な背景・構図と自然な顔立ちを両立できます。
また、ポートレートを生成する際にプロンプトへ“natural skin pores, fine texture, realistic imperfections”を追加し、–no perfect skin, flawless, airbrushedを設定するだけでも大幅に改善します。
問題②stylizeを変えているのに毎回似たような画像しか出ない
「stylize 100も500も、なんか同じような感じで変わらない気がする」という悩みはかなり多いです。原因は大抵、プロンプトが詳細すぎてAIの介入余地がない状態にあります。
例えば「young Japanese woman, black short hair, wearing white shirt, smiling, standing in Shibuya crossing, neon lights, rain, 85mm lens, f/1.8, natural light」のように全部指定してしまうと、stylizeを上げてもAIが加える余地がありません。
解決策は「意図的にプロンプトを短くする」ことです。同じシーンなら「young woman, Shibuya night rain, cinematic」だけにしてstylize 50と500を比較してみてください。驚くほど違いが出るはずです。stylizeの効果を体感したいなら、プロンプトは3〜5語のシンプルな状態から始めることを強くおすすめします。
問題③stylizeを高くするほど画像が「似たり寄ったり」になる
これは多くのユーザーが気づかずにいる落とし穴です。stylize 700以上になると、全く異なるプロンプトを入れても「Midjourney的に美しい画像」という共通の型に収束してしまい、個性が失われます。
解決策として有効なのが–weird(–w)パラメータの活用です。–weirdは0〜3000の範囲で設定でき、Midjourneyの学習データの「平均値」からあえてズレた表現を促します。例えば–s 300 –weird 100の組み合わせだと「芸術的かつ独自性のある」出力になります。
ただし–weirdを上げすぎると意味不明な画像になるため、50〜200の範囲で試すのが現実的です。また、–weirdはseedパラメータとの相性が悪く、同じseedでも毎回異なる結果になることがあります。この特性を把握した上で使いましょう。
問題④プロダクト写真でstylize 0にしても「映え」が出ない
「stylize 0で忠実な出力を求めているのに、なんか普通の写真より劣って見える」という問題も現場でよく起きます。これはstylize 0がプロンプト忠実ではあるものの、ライティングや背景の「プロ撮影らしさ」まではプロンプトで明示しないと再現されないからです。
解決策は撮影条件をプロンプトに詰め込むことです。具体的には「product photography, studio lighting, softbox key light, white seamless backdrop, subtle shadow, 3/4 angle view」のような撮影指定語をスタイライズ低めの設定と組み合わせます。推奨は–style raw –s 30〜60にこれらの撮影条件を追加する形です。
これによって「AIの美化はしないが、プロの撮影環境は忠実に再現する」という理想的なプロダクト素材が生成できます。
実際にすぐ使えるstylize活用プロンプト集
検索で見つかるプロンプトの多くは古いバージョン向けだったり、パラメータの意味を理解しないまま並べただけのものが多い印象です。ここではV7の特性を活かした、実際に動作確認済みの考え方に基づくプロンプト構造を紹介します。
シネマティックポートレート(リアル系)
close-up portrait of young woman, natural light from window, soft shadows, visible skin texture, candid expression –ar 3:4 –style raw –s 80 –v 7
このプロンプトのポイントは–style rawと低stylizeの組み合わせです。「自然光・自然な表情・肌のテクスチャ」という現実的な要素に対してAIの装飾が邪魔になるため、rawで抑制しています。
ファンタジー都市景観(アート系)
ancient floating city above clouds, golden hour light, waterfalls cascading into sky, atmospheric haze –ar 16:9 –s 400 –c 15 –v 7
現実に存在しない景観なので、AIの想像力を積極的に使う高stylize設定が向いています。–c 15を加えることで4枚それぞれが少しずつ異なる「浮遊都市の解釈」を出してくれます。
ブランドロゴ・エンブレム素材
geometric mountain emblem, minimal design, monochrome, bold lines, circular badge shape –ar 1:1 –style raw –s 120 –no text, letters, words –v 7
エンブレムやロゴ素材では、AIが勝手に文字を入れてしまう問題を–noで防ぎつつ、–style rawで意図した形状の忠実な出力を促します。stylize 120は「完全にフラットではなく、少しだけデザイン的な洗練さを加える」調整です。
ジャパニズムアート(高芸術性)
ink wash painting of lone samurai in misty mountain pass, minimalist, vast negative space, monochrome with subtle indigo –ar 2:3 –s 350 –v 7
水墨画やジャポニスム的な表現はstylize 300〜400が映えます。「negative space(余白)」を明示することでMidjourneyが余白を活かした構図を選択するよう誘導できます。
SNS向けフラットイラスト
flat design illustration of cozy coffee shop interior, warm earth tones, simple shapes, vector style, no gradients –ar 4:5 –s 150 –v 7
SNSサムネイルやアイコン素材には「flat design」「vector style」「simple shapes」の指定が有効です。stylize 150で色と構図に程よい洗練さが加わりつつ、プロンプトで指定したスタイルを崩しません。
stylizeを使いこなすための「自分基準値」の作り方
多くのチュートリアルが見落としているのが、stylizeの「正解値」は人によって異なるという事実です。「200がスイートスポット」という情報は統計的な平均であり、あなたが好む画風・使う用途・プロンプトの書き方によって最適値は変わります。
そこで実践してほしいのが「自分キャリブレーションテスト」です。手順はシンプルで、同じプロンプト(できるだけシンプルな3〜5語のもの)を使い、–s 0・50・100・200・300・500・800の7段階で生成します。それぞれの出力を並べて眺め、「これが自分の好みの芸術性だ」と感じるポイントを特定します。
このテストを異なるジャンル(風景・人物・抽象・建築)で各1回ずつ行うと、自分なりの傾向が見えてきます。「私は風景は300、人物は100〜150が好み」という個人の基準値が見つかれば、以後の生成で迷う時間が大幅に短縮されます。
また、V7のパーソナライゼーションプロファイルを構築する際にも、この自分基準値の把握は役立ちます。ランキングする200枚の画像で「高stylize系の画像」を好む傾向を示せば、自動的にstylize高めの画像が好みとしてプロファイルに学習されていきます。
stylize設定を「ワークフロー」に落とし込むプロの効率化術
クリエイターとして継続的にMidjourneyを使うなら、stylize値を毎回手探りするのは非効率です。プロの多くは用途別のプリセット構造を持っています。
具体的には、よく使うシーン別に「プロンプトのテンプレート+推奨stylize値+推奨パラメータセット」をメモやスプレッドシートで管理します。例えばSNS投稿用は常に–s 180 –ar 4:5 –v 7を起点にする、クライアント向け商用素材は–style raw –s 50 –ar 3:2 –v 7を起点にする、といった形です。
この「起点プリセット」を決めておくことで、毎回ゼロから悩まず、微調整だけで完成形に近づけるようになります。また、バージョンアップ時には必ずこのプリセットを使って比較テストを行い、同等の出力になるよう数値を更新することが大切です。
さらに、同じstylize値でも照明・色温度・レンズ指定の有無で出力の芸術性は大きく変わります。「warm golden hour light, 85mm lens, f/2.8」といった撮影語がある場合、stylize 100でも150相当の洗練さが出ることがあります。プロンプトの充実度とstylizeのバランス調整は常にセットで考えましょう。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまで読んでくれた方に、正直な話をします。
stylizeに関する情報は「低いとリアル、高いとアート」で終わっているものがほとんどで、実際に手を動かしてみると「で、自分は何に設定すればいいの?」という疑問が残ります。その答えを出せるのは、チュートリアルじゃなくて自分自身の体験だけです。
個人的には、まずstylize 200を全ての起点にすることを強くすすめます。「なんか違うな」と感じたら50ずつ下げる、もっと派手にしたいなら50ずつ上げる——この単純なルールだけで、迷う時間が劇的に減ります。
それよりも重要だと思っているのが、–style rawを常に「選択肢の一つ」として手元に置いておく習慣です。何度生成し直しても「AIっぽさ」が消えない、思った通りの人物や場所が出ない——そういうときに–style rawをつけるだけで解決することが体感として本当に多い。stylize値をいじる前に、まずrawを試す、というのが自分の中のルーティンになっています。
もう一つぶっちゃけると、パーソナライゼーションの設定を後回しにしているV7ユーザーは、かなり損をしています。200枚のランキングが面倒で後でいいやと放置している人が多いのですが、プロファイルを作ってしまえばstylize × パーソナライゼーションの組み合わせが機能し始め、今まで何十回も試行錯誤していた「自分好みの画像」が数回で出るようになります。5分の投資で毎回の生成品質が変わるなら、やらない理由はないはずです。
結局、stylizeは「知識として知る」よりも「感覚として分かる」パラメータです。この記事の内容を頭に入れた上で、実際に7段階の比較テストを一度やってみてください。そのたった1回の体験が、すべての説明より深い理解を与えてくれます。
stylizeに関する疑問解決
stylizeとchaosパラメータの違いは何ですか?
混同しやすい2つのパラメータですが、役割がまったく異なります。–stylizeは「美的センスの適用量」——つまり同じプロンプトに対してどれだけ芸術的に仕上げるかを制御します。一方–chaos(–c)は「バリエーションの幅」——生成される4枚の画像がどれだけ互いに異なるかを制御します。chaosを上げても1枚1枚の芸術性が上がるわけではなく、互いにかけ離れた多様な解釈が出てくるようになります。狙ったイメージを安定して出したいならchaosは低く保ちながらstylizeで芸術性を調整するのが基本です。
V7でパーソナライゼーションをオフにしたままstylizeを高くするとどうなりますか?
パーソナライゼーションがオフの場合、stylizeはV6以前と同様にMidjourneyの「一般的な美的センス」の適用量を調整します。パーソナライゼーションをオンにすると、stylizeの高い値があなた個人の好みをより強く反映するようになります。自分の好みが明確な場合はパーソナライゼーションを有効にして高めのstylize値を使うことで、独自のスタイルを持った一貫した画像が生成できます。
stylizeを変えたのに画像があまり変わらない気がします。
これはV7の精度向上によって起こる現象でもあります。V7はプロンプト理解力が格段に向上しているため、stylize値の違いが以前ほど極端には出ないケースがあります。また、プロンプト自体が非常に詳細に書かれている場合、AIが介入する余地が少なくなるため差が出づらくなります。より変化を感じたい場合は–chaos 20〜40を加えつつstylizeを変えて比較するか、プロンプトをシンプルにして試してみてください。
バージョンをV7に変えたら以前の設定が合わなくなりました。
これは多くのユーザーが経験する現象です。Midjourneyは新バージョンが出るたびにstylizeの効き方・デフォルトの表現傾向・パラメータ間のバランスが変化します。V7に移行した場合は一度すべての設定をデフォルトに戻し、stylize 100から始めてシーン別に50ずつ上下させながら自分の感覚を再チューニングすることを強くおすすめします。旧バージョンでの「正解設定」をそのままV7に適用しようとすると、思ったような結果が出ません。
–style rawとstylize 0を同時に使うと何が起きますか?
–style raw –s 0はMidjourneyが持つ自動美化と芸術性の双方を最大限に抑制した状態です。最もプロンプトに素直で、最も装飾の少ない出力になります。ただし「絵として面白みがない」と感じる可能性もあります。特定の要素を正確に再現したいが全体のビジュアルが気になる場合は、まず–s 0で構図や要素の配置を確認してから、stylize値を少しずつ上げて仕上げるという使い方が効果的です。
まとめstylizeを制する者がMidjourneyを制する
Midjourneyの–stylize(–s)パラメータは、数値ひとつで画像の「伝わる力」を大きく左右します。プロンプトをいくら工夫しても、stylizeが合っていなければ理想のビジュアルには近づけません。
重要なポイントをまとめると、V7では200〜300がスイートスポットとして多くの用途に対応できる万能ゾーンであること、パーソナライゼーション機能との組み合わせでstylizeの意味がより個人化されていること、そして–style rawとの併用でリアル志向の表現と芸術性のバランスを細かくコントロールできることが、今の時代のMidjourneyを使いこなすうえでの核心です。
まずは今作っている画像に対して、stylize 50・150・300の3段階で比較生成してみてください。その違いを自分の目で確認することが、すべての技術的な説明よりも深い理解につながります。自分だけの「最適値」を見つけたとき、Midjourneyはただのツールではなく、あなたのクリエイティビティを拡張するパートナーになるでしょう。


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