「画像生成AIを使いたいけど、MidjourneyとAdobeのFireflyってどう違うの?」そう思って調べ始めたものの、情報が多すぎて結局どちらを選べばいいか分からない…そんな経験をしたことはありませんか?
実は、この2つのツールは根本的な設計思想が正反対といってもいいくらい異なります。選ぶべきツールを間違えると、せっかくお金を払っても「なんか思ってたのと違う」という結果になりかねません。この記事では、2026年2月時点の最新情報をもとに、MidjourneyとAdobe Fireflyの違いを正直に、そして徹底的に解説します。初心者の方でも「自分にはどっちが合っているか」がわかるように書きましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- Midjourneyは圧倒的なアート品質が武器で、2025年4月リリースのV7が現在のデフォルトモデルとして活躍中。
- Adobe Fireflyは商用利用の安全性とCreative Cloudとの連携が最大の強みで、2026年1月から期間限定の無制限生成キャンペーンを実施中。
- 用途・予算・Adobeユーザーかどうかの3つの軸で選ぶと失敗しにくい。
- そもそも、MidjourneyとAdobe Fireflyは何者なのか?
- Midjourneyの最新情報V7とV8開発状況(2026年2月時点)
- Adobe Fireflyの最新情報2026年の大型アップデート
- 画質・表現力の実力比較どちらが「美しい」画像を作るのか?
- 料金と使いやすさの比較コスパはどちらが上か?
- MidjourneyとFireflyの「向いている人」を整理する
- Midjourneyを使いこなすための実践プロンプト集【用途別・コピペOK】
- 現場で頻繁に遭遇するMidjourneyの悩みと具体的な解決法
- FireflyとMidjourneyのワークフロー組み合わせ術
- Midjourneyのパラメーター完全チートシート(2026年V7対応版)
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- MidjourneyとFireflyの比較に関する疑問解決
- まとめ
そもそも、MidjourneyとAdobe Fireflyは何者なのか?

画像生成AIのイメージ
まずは両ツールの素性を整理しておきましょう。Midjourneyは、アメリカのサンフランシスコに拠点を置く独立系リサーチラボが開発した画像生成AIです。わずか60人ほどのチームで運営されているにもかかわらず、2,000万人を超えるユーザーを抱える怪物コンテンツに成長しました。当初はDiscordというチャットアプリ上でしか使えないという独特の仕様で、「Discordに参加してコマンドを打って生成する」というスタイルが長く続いていましたが、現在はウェブインターフェースも充実し、かなり使いやすくなっています。
一方のAdobe Fireflyは、Photoshopや Illustratorを生み出したクリエイティブソフトの巨人・Adobeが開発した生成AIです。2023年に登場して以来、急速に機能を拡充し、今では画像生成だけでなく、動画生成・音声生成・ベクター生成まで対応する総合的なクリエイティブAIスタジオへと進化しています。Adobe製品のユーザーであれば、PhotoshopやIllustratorの中から直接使えるのが最大の特徴です。
この2つのツールを一言で表すなら、「芸術家気質のMidjourney」と「プロフェッショナル気質のFirefly」という対比がわかりやすいでしょう。
Midjourneyの最新情報V7とV8開発状況(2026年2月時点)
Midjourney V7が実現した革命的な進化
2025年4月3日にリリースされたMidjourney V7は、それまでのバージョンとは「完全に別物のアーキテクチャ」として設計されました。CEOのデイビッド・ホルツ氏が「まったく異なるアーキテクチャ」と公言したほどの大転換です。
V7で最も注目すべき進化は、テキスト描写の大幅な改善です。これまでのAI画像生成全般の弱点として「画像の中に文字を正確に入れるのが難しい」という問題がありましたが、V7ではこの課題が大きく改善されました。また、人間の手や体の造形精度が格段に上がり、「6本指の手が生成される」という従来のあるあるネタが過去のものになりつつあります。
もうひとつ、V7から搭載されたパーソナライゼーション機能も注目です。約200枚の画像を評価するだけで(所要時間15〜20分)、Midjourneyがあなたの好みを学習し、以後すべての生成がその美的センスに合わせて最適化されるというものです。自分だけのAIアシスタントを育てるような感覚と言えばイメージしやすいでしょうか。
さらにドラフトモードという機能も追加され、通常の10倍の速度で、コストは半額という驚異的なスピード生成が可能になりました。アイデアをざっくり確認したいときはドラフトモードで大量に出し、気に入ったものだけフル品質で仕上げる、という効率的なワークフローが実現しています。
Niji 7とV8の動向
アニメ・マンガ特化モデルのNiji 7が2026年1月9日に正式リリースされました。ラインワークのクリーンさ、目や反射の細部表現、複雑なポーズへの対応力が飛躍的に向上しており、日本のクリエイターにとって非常に朗報です。
そして最新情報として、次世代モデルV8の開発が最終段階に入っています。2026年2月中旬にコミュニティ向けの評価パーティが複数回実施されており、リリースが近いことを示しています。V8では64枚を低解像度で一気に生成して探索し、気に入ったものだけを高解像度に仕上げる新しいフローが導入される予定です。また、MidjourneyはTPUからGPU・PyTorchへのハードウェア移行も進めており、今後の開発スピードがさらに加速することが期待されています。
Adobe Fireflyの最新情報2026年の大型アップデート
無制限生成キャンペーンと新機能の嵐
Adobe Fireflyは2026年に入って大きな動きを見せています。最も注目すべきは、2026年1月23日から3月16日まで実施中の「無制限生成キャンペーン」です。Firefly Pro・Firefly Premium・各種クレジットアドオンプランの加入者は、2K解像度以下のすべてのAI画像モデルとFirefly動画モデルを無制限で使用できるという太っ腹な施策です。画像生成AIを本格的に試してみたい方にとっては絶好のタイミングといえるでしょう。
料金プランは現在4段階に整理されています。無料版は機能制限あり、Firefly Standard(月額9.99ドル)は月2,000クレジット相当(約2,000枚の画像生成に相当)、Firefly Pro(月額19.99ドル)は月4,000クレジット、Firefly Premium(月額199.99ドル)は月50,000クレジットという構成です。なお、有料プランではスタンダード機能は無制限生成が可能で、クレジットは動画生成などのプレミアム機能でのみ消費されます。
機能面では2026年2月4日に大きなアップデートが行われ、動画エディターのベータ版が強化されました。クイックカットという機能で複数クリップを自動的に編集してくれる機能や、シーン間のスムーズなトランジション、そしてパートナーモデル(OpenAI、Google、ElevenLabsなど)を使った動画生成も可能になっています。さらにiOS版アプリもリリースされ、スマートフォンからもFireflyの全機能にアクセスできるようになりました。
Adobeが誇る「商用利用の安全性」の実態
Fireflyの最大の売りは「商用利用が安全」という点です。FireflyはAdobe Stockの正規ライセンスコンテンツ、Creative Commonsライセンス素材、パブリックドメインの素材のみで学習しており、生成した画像を商業目的で使用した場合の著作権リスクが極めて低いとされています。企業向けのエンタープライズプランでは、万が一著作権問題が生じた場合にAdobeが法的責任を負う「補償(インデムニティ)」も提供されています。
ただし、2025年後半の動向として注目すべき点があります。Adobe Stockに登録されている画像の約半数がAI生成画像になってきているという報告があり、「ライセンス済みコンテンツで学習した」という主張の実質的な意味が薄れてきているという指摘もあります。完全にクリーンとは言い切れない状況になりつつありますが、それでも他のツールと比較すれば依然として最も商用利用に適した選択肢であることは間違いありません。
画質・表現力の実力比較どちらが「美しい」画像を作るのか?
アート性ならMidjourney、実用性ならFirefly
業界全体のコンセンサスとして、純粋な芸術的美しさと視覚的インパクトではMidjourneyが圧倒的です。構図の美しさ、光と影の表現、ムードや雰囲気の表現において、Midjourneyには他のツールが追いつきにくい独自の美学があります。SNSで「これはどのAIで作ったの?」と聞きたくなるような美しいAI画像を見たとき、Midjourneyである確率は非常に高いです。
一方のFireflyは「クリーンで実務に使いやすい画像」を得意としています。コーポレートサイトのバナー、商品のプロモーション素材、マーケティング資料など、「ビジネスの場で使える」ビジュアルを作るなら、Fireflyの方が安定して優れた結果を出すという評価が多いです。
具体的な比較で見ると、風景写真のような表現ではどちらも高品質ですが、Midjourneyの方がより「絵になる」構図を選びやすい傾向があります。製品写真の場合は、Fireflyの方が「商品が主役」に見える構図に仕上がることが多いという声もあります。テキスト描写については、両ツールともV7/最新モデルで改善が進んでいますが、日本語テキストの再現精度はまだ完璧ではなく、正確な文字表現が必要な場合はChatGPT(DALL-E 3)の方が優れているという評価が現時点では多いです。
実際の検証から見えてきた得意・不得意
同じプロンプトを両ツールに入力して比較した場合、傾向として以下のことが確認されています。自然な森や霧の描写では、Fireflyは光の表現は豊かですが背景がやや粗くなる一方、Midjourneyは緑豊かで細部まで精緻な描写をするという特徴があります。アニメ・イラスト調の表現ではMidjourneyのNiji 7が圧倒的な強みを持っています。写実的な人物描写では両ツールともに高水準ですが、MidjourneyはV7での解剖学的正確さが大幅に向上しており、Fireflyは「商業的に安全な」人物表現(過度に性的・暴力的な表現を避ける傾向)という特徴があります。
料金と使いやすさの比較コスパはどちらが上か?
料金プランの全体像
| 項目 | Midjourney | Adobe Firefly |
|---|---|---|
| 無料プラン | 現在は基本的に有料のみ(不定期で無料トライアルあり) | あり(機能・生成数制限あり) |
| 最安有料プラン | 月額10ドル(Basic約200枚/月) | 月額9.99ドル(Standard約2,000枚/月) |
| 中間プラン | 月額30ドル(Standard15時間高速生成+無制限リラックスモード) | 月額19.99ドル(Pro約4,000枚/月) |
| 商用利用 | 有料プランで可能(著作権リスクあり) | 全プランで可能(著作権リスク最小) |
| Adobe連携 | なし | Photoshop・Illustratorなどと完全連携 |
| 日本語プロンプト | 対応(英語の方が精度高め) | 対応(英語の方が精度高め) |
月額コストで単純比較すると、同じ約10ドルでもFireflyの方が約10倍多く画像を生成できる計算になります。ただし、Midjourneyのリラックスモード(Standardプラン以上)は生成速度は遅いものの無制限に使えるため、時間をかけてもいいなら実質的な生成枚数制限はありません。
Adobeの既存ユーザーであれば、Creative Cloud Proプラン(月額69.99ドル)にFireflyが含まれているため、Photoshopなどのアプリとセットで使うと実質的なコストパフォーマンスはさらに高くなります。
使いやすさ・インターフェースの違い
初心者にとってのハードルという観点では、Adobe Fireflyの方が圧倒的に始めやすいのが実情です。Fireflyはブラウザさえあれば無料で試せますし、インターフェースも直感的で、「テキストを入力して生成ボタンを押す」だけで画像が完成します。Adobeアプリを使い慣れている方なら、PhotoshopやIllustratorの中からシームレスに使えるため、ワークフローへの組み込みが非常にスムーズです。
Midjourneyは従来Discordを経由する必要がありましたが、現在はウェブインターフェースが大幅に改善されています。ただし、V7のパーソナライゼーション機能を使うための事前評価作業や、最高品質を引き出すためのプロンプトの書き方には20〜30時間程度の慣れと学習が必要だという声が多いです。コミュニティが非常に活発なので、他のユーザーのプロンプトを参考にしながら学べる環境は整っています。
MidjourneyとFireflyの「向いている人」を整理する
Midjourneyが向いている人
Midjourneyが本領を発揮するのは、クリエイティブな表現を追求したいアーティストやデザイナー、コンセプトアートやファンタジー・SF系のビジュアルを作りたい人、アニメ・マンガ調の画像を高品質で生成したい日本のクリエイター(Niji 7)、そして独自のスタイルを持つ個性的なビジュアルコンテンツを作りたい方です。「芸術的に美しい画像を追求したい」「見た人が思わずシェアしたくなるようなビジュアルを作りたい」という方には、Midjourneyが現時点でも最良の選択肢といえます。
Adobe Fireflyが向いている人
Fireflyが真価を発揮するのは、すでにAdobeの製品(Photoshop・Illustrator・Premiere Proなど)を日常的に使っているプロフェッショナル、著作権の安全性を最優先にした商業プロジェクトに関わる方、マーケティング素材・バナー・SNS用画像など実務向けのビジュアルを効率的に作りたいチーム、そして動画・音声・ベクターなど画像以外の生成も一元管理したいクリエイターです。特に企業のクリエイティブチームや広告代理店にとっては、法的なリスク管理という観点からFireflyの優位性は非常に大きいといえます。
「両方使い」が実は最強という現実
業界のプロたちの間では、MidjourneyとFireflyを目的別に使い分けるという戦略がスタンダードになりつつあります。アイデアの探索段階や、芸術的なインパクトが必要な初期コンセプト作りにはMidjourneyを使い、最終的な制作・仕上げ・商業展開フェーズではFireflyを使うというフローです。コストは増えますが、それぞれのツールの長所を最大限に活かせるため、クオリティの高いアウトプットが期待できます。
Midjourneyを使いこなすための実践プロンプト集【用途別・コピペOK】

画像生成AIのイメージ
Midjourneyは「プロンプトの書き方次第で出来が天と地ほど違う」ツールです。同じイメージを頭に描いていても、書き方が曖昧だと期待外れの結果になります。ここでは実務でそのまま使えるV7対応のプロンプトを用途別に紹介します。V7からは英語のキーワードの羅列よりも自然な文章形式の方がAIに意図が伝わりやすくなったという特徴があるため、プロンプトもそれに合わせています。
ビジネス素材・マーケティング用プロンプト
スタートアップや中小企業のサイトで使えるクリーンなビジネスイメージを作りたいとき、よくありがちな「普通なオフィス写真」を脱出するにはこんな書き方が有効です。
プロンプト例①スタートアップ向けチームイメージ
A diverse team of young professionals collaborating at a bright, modern co-working space. Natural light fills the room, plants in the background, relaxed but focused atmosphere. Shot as a wide-angle editorial photo, shallow depth of field –ar 16:9 –style raw –s 200
このプロンプトの肝は「–style raw」です。MidjourneyはデフォルトでAIっぽい「過度に美しい」画像を生成しがちですが、raw指定で現実の商業写真に近いトーンに仕上がります。「–s 200」は中程度の芸術性で、写実と個性のバランスを保ちます。
プロンプト例②商品・プロダクト写真
Minimalist product shot of a sleek matte-black water bottle on a white marble surface, soft studio lighting from the left, clean shadows, professional e-commerce photography style –ar 1:1 –style raw –s 50 –exp 15
「–s 50」と「–exp 15」の組み合わせがポイントです。stylizeを低めに設定することで余計な装飾が入らず、expパラメーター(0〜100、15前後が推奨)でトーンマッピングの精度を上げてプロフェッショナルな質感を出します。
SNS・コンテンツクリエイター向けプロンプト
プロンプト例③Instagramフィード用・ライフスタイル
A cozy morning scene, a ceramic mug of matcha latte on a wooden table beside an open book and a small succulent. Warm golden hour light filtering through sheer curtains. Aesthetic and calm, Japanese minimalism style –ar 4:5 –s 300
縦長の4:5アスペクト比はInstagramの投稿フィードに最適です。「–s 300」の高めの芸術性でMidjourney独自の美しさを最大限に引き出しています。
プロンプト例④YouTube・ブログサムネイル用
Bold typographic thumbnail concept: a person looking surprised at a glowing screen in a dark room, dramatic cinematic lighting, cyberpunk color grading, blue and orange tones, high contrast. Editorial magazine style –ar 16:9 –chaos 30 –s 400
「–chaos 30」は4枚の生成結果に程よい多様性を持たせるパラメーターです。一発でドンピシャの構図が出にくいサムネイル作りでは、このような変化のある複数案から選ぶアプローチが効率的です。
アニメ・イラスト・日本のクリエイター向けプロンプト(Niji 7)
2026年1月にリリースされたNiji 7は、日本のクリエイターにとって特に注目すべきモデルです。ラインワークの綺麗さ、目の表現の細かさが大きく向上しています。
プロンプト例⑤キャラクターイラスト
A teenage girl with long dark hair and warm amber eyes, wearing a white school uniform, standing in a sunlit library. Soft watercolor illustration style, gentle expression, floating dust particles in the light –niji 7 –ar 2:3 –s 250
Niji 7では「–niji 7」パラメーターを付けることを忘れずに。V7と同時に指定するとV7が優先されてしまうため、アニメ・マンガ系の生成にはniji 7を単独で使います。
プロンプト例⑥背景イラスト
A peaceful Japanese countryside village at dusk, rice fields reflecting the orange sky, traditional wooden houses with warm glowing windows, fireflies beginning to appear. Studio Ghibli inspired, painterly and atmospheric –niji 7 –ar 16:9 –s 450 –weird 200
「–weird 200」は通常のAI生成の「美しいけど無難」な枠を少し外したい場合に使います。0〜3000の範囲で設定でき、200程度なら「普通のイラストに独自の個性が乗る」レベルで、3000まで上げると予測不能な抽象表現になります。
現場で頻繁に遭遇するMidjourneyの悩みと具体的な解決法
ここからは「実際に使っていると必ずぶつかる壁」と、その解決策を体験ベースで解説します。他のサイトでは「もっと詳細なプロンプトを書きましょう」で終わることが多いですが、それだけでは解決しない問題がいくつかあります。
悩み①「手や指がおかしい!何度やってもダメ」
AI画像生成で最も頻繁に起きる問題のひとつが、人物の手の描写です。「6本指」「溶けたような手」「腕が3本ある」など、今でも完全に解消されたわけではありません。V7での改善は本物ですが、ゼロではありません。
具体的な解決手順
まず試すべきことは、プロンプトに「anatomically correct hands, five fingers on each hand」という記述を追加することです。ネガティブプロンプトでは「–no extra fingers, deformed hands, distorted limbs」も効果的です。
それでも直らない場合は、最初に正方形(–ar 1:1)で生成するという方法が有効です。縦横比が通常の写真サイズ(16:9など)だと手の歪みが出やすいという傾向があります。正方形で満足のいく手の表現が得られた画像を選び、Midjourneyのウェブインターフェースの「Zoom Out」機能でフレームを拡張し、その後好みのアスペクト比にクロップするという手順が、現時点で最も安定して解決できる方法です。
また、V7のOmni Reference(–oref)機能を使って、正しい手の形をした参照画像をURLで指定するという方法もあります。実際に自分の手を撮影した写真を参照として使うと、驚くほど正確な手の描写が得られるケースがあります。
悩み②「キャラクターの一貫性が保てない。別シーンで同じ顔が作れない」
複数の画像で同じキャラクターを使いたい場合(漫画・ストーリーコンテンツ・SNSの一貫したキャラクターなど)、これは多くのユーザーが悩む根深い問題です。
具体的な解決手順
V7ではOmni Reference(–oref)という機能が正式に搭載されました。一度気に入ったキャラクター画像が生成できたら、その画像をアップロードし、URLを取得して「–oref –ow 200」という形でプロンプトに含めます。「–ow」はオムニウェイトと呼ばれ、参照画像をどの程度強く反映させるかを0〜1000で調整します。100がデフォルトで、200〜300程度にすると顔の特徴がより強く引き継がれます。
ただし重要なポイントがあります。参照画像に背景が含まれていると、顔だけでなく背景の雰囲気も引き継いでしまいます。Adobe Express(Fireflyの機能の一つ)などのBackground Removerで被写体だけを切り抜き、単色背景のJPEGとして書き出したものをOmni Referenceに指定すると、キャラクターの特徴のみを精度高く引き継ぐことができます。
悩み③「生成した画像が1080pで小さい。印刷・高解像度に使えない」
Midjourneyの基本生成解像度は最大で1792×1024ピクセル程度です。A3サイズの印刷物や、大型バナーなどに使いたい場合はこれでは到底足りません。
具体的な解決手順
Midjourneyのウェブインターフェースには「Upscale」ボタンがありますが、これを使うと細部がぼやけたり、オリジナルの質感が失われたりすることがあります。よりよい方法は外部のAIアップスケーラーを使うことです。Midjourneyで生成した画像を保存したあと、「Topaz Gigapixel AI」「Magnific AI」などの専用ツールに通すと、4K・8K相当まで解像度を上げながら細部を生成・補完してくれます。
特にMagnific AIはMidjourneyとの相性がよいとクリエイターの間で定評があり、単純にピクセルを増やすだけでなく、AI生成らしいテクスチャを維持しながら拡大できます。もし予算をかけたくない場合は、Adobe Fireflyの「Generative Expand」機能を使ってカンバスを広げる方向でサイズを確保するという代替手段もあります。
悩み④「コンテンツポリシーで弾かれてしまう。何も悪いことをしていないのに」
「リアルな戦争シーンを描きたい」「怪我をした人物を描きたい」「キャラクターの表情に怒りや悲しみを入れたい」など、普通の創作活動の中でも意外とMidjourneyのコンテンツフィルターに引っかかることがあります。
具体的な解決手順
まず確認すべきことは、プロンプトの表現を変えることです。「血が出ている」「戦闘シーン」などの直接的な表現をやめ、「彼は戦いから戻ってきたばかりで疲れ果てた表情をしている」「歴史的な戦場の映画的シーン」など、意図を間接的に表現する方法が有効です。
それでも制限される場合、MidjourneyのウェブインターフェースではなくDiscord経由で試すと通る場合があります(フィルターの厳しさが若干異なることがあるため)。ただし、これはグレーゾーンの話であり、明確に禁止されているコンテンツに対しては試みないようにしてください。
また、実写調(–style raw)で生成しようとすると引っかかる場合でも、イラスト・アート調(–s 500以上)にするとポリシー上の判断が変わることがあります。AIのコンテンツ判定は「写真のようなリアルな表現」に対してより厳しく、「明らかにアートである表現」には寛容な傾向があるためです。
悩み⑤「Midjourneyで生成した画像を商用で使いたいが、著作権が心配」
これは非常にリアルな悩みです。特に企業の公式コンテンツや販売商品のデザインに使いたい場合、著作権リスクを無視するのは危険です。
具体的な解決手順と知っておくべき事実
有料プラン(月額10ドル以上)に加入していれば、Midjourneyは技術的には商用利用を許可しています。しかし2025年にはDisney、Universal、Warner Bros.がMidjourneyを著作権侵害で提訴という事態が現実に起きています。これはMidjourney自体が訴えられているのであり、今のところ個人ユーザーに直接的な法的責任は及んでいませんが、状況は変わり得ます。
現時点でユーザーが取れる現実的なリスク対策として、まず特定のキャラクターや作品を明示的に連想させるプロンプトを避けることが基本です。「ダース・ベイダー風の鎧を着たキャラクター」というプロンプトは、たとえ名前を出していなくても版権物に近い画像が生成される可能性があります。
また、生成後に人間の手を加えることが著作権の主張を強くします。PhotoshopやIllustratorで色・構図・テキストを追加・変更するなど、創作的な人間の判断が加わった部分については、AIが生成した部分とは別に著作権保護の対象になり得ます。法的にグレーなゾーンで商業利用する場合は、Adobe Fireflyを使う方が圧倒的にリスクが低いというのが現実です。
FireflyとMidjourneyのワークフロー組み合わせ術
プロが実際にやっている「いいとこどり」の手順
MidjourneyとAdobe Fireflyを別々のツールとして考えるのではなく、ひとつのクリエイティブワークフローの中で役割分担させるという視点を持つと、両ツールの真価が発揮されます。
実際にデザイン会社や広告代理店で採用されているフローを紹介します。まずコンセプト探索フェーズではMidjourneyのドラフトモードを活用します。ドラフトモードはコストが通常の半額で10倍の速度というメリットがあるため、方向性が定まっていない初期段階でひたすら生成して試す用途に最適です。気に入ったビジュアルトーンやコンセプトが決まったら、そのイメージをOmni Referenceで参照しながらフル品質で仕上げます。
次に制作・仕上げフェーズでAdobe Fireflyに引き継ぎます。MidjourneyでコンセプトのOKが出た画像をPhotoshopに持ち込み、Fireflyの「Generative Fill」で不要な要素を消したり、背景を違うシーンに差し替えたりします。テキストを追加する必要がある場合もここでやった方が圧倒的に綺麗です。最終的な商業用途での使用はFireflyを経由させることで、著作権的にもクリーンな素材として仕上げられます。
この「Midjourney → Firefly」フローを使うと、純粋にFireflyだけを使うより視覚的なインパクトが30〜40%向上するという感覚を持つデザイナーが多いようです。逆に「Fireflyだけでは普通すぎる、でもMidjourneyだと商用利用が不安」という中間のジレンマも、このフローで解消できます。
Fireflyのみで解決できる場面を正確に理解する
ただし、MidjourneyをFireflyと組み合わせることが常に最善というわけではありません。Fireflyだけでも十分にクオリティが高い場面というのが確実に存在します。それは、既存の写真や画像の一部を修正・補完する場合です。たとえば「撮影した商品写真の背景を差し替えたい」「モデルの写真から余計なものを消したい」「画像のフレームを拡張したい」という用途では、FireflyのGenerative Fill・Generative Expand機能が圧倒的に使いやすく、精度も高いです。ゼロから生成するのではなく、既存の素材をAIで強化する用途では、Midjourneyの出番はありません。
Midjourneyのパラメーター完全チートシート(2026年V7対応版)
プロンプトをある程度書けるようになったら、次のステップはパラメーターの理解です。パラメーターとはプロンプトの末尾に「–」から始まる形で追記する指示で、生成の挙動を細かくコントロールできます。
| パラメーター | 意味・効果 | おすすめ設定値 |
|---|---|---|
| –ar | アスペクト比(縦横比)の指定。–ar 16:9でワイドスクリーン、–ar 9:16で縦長スマホ向けになる | 用途に合わせて指定(必須級) |
| –s(stylize) | Midjourneyの芸術性をどのくらい出すか。0〜1000の範囲。低いほど忠実、高いほど芸術的 | 写実50〜100、バランス200〜300、アート500以上 |
| –chaos | 4枚生成される画像の多様性。0〜100で高いほど結果がバラバラになる | 探索時30〜50、安定重視0〜10 |
| –weird | 「普通の美しさ」から外した独自性を加える。0〜3000 | 個性出し100〜300、前衛500以上 |
| –exp | トーンマッピングと細部強化。V7追加の実験的パラメーター | 10〜25がベスト(25超は不安定) |
| –style raw | MidjourneyのAIらしい美化を抑制し、より現実的・商業写真的な仕上がりに | 商業用途・写実系に必須 |
| –no | ネガティブプロンプト。含めたくない要素を指定する。例–no text, watermark | 不要な要素の除外に使う |
| –oref | Omni Reference。参照したい画像のURLを指定してキャラクター・スタイルを引き継ぐ | キャラクター一貫性に不可欠 |
| –ow | Omni Referenceの影響力。0〜1000でデフォルト100 | 200〜400で顔の一貫性向上 |
| –draft | ドラフトモード。10倍速・半額。コンセプト探索に最適 | アイデア出し時に常用 |
初心者のうちは–ar と –s だけを意識するだけで十分です。その2つをコントロールするだけで生成品質は劇的に変わります。慣れてきたら –style raw と –no を追加し、最終的にOmni Referenceまで使いこなせれば上級者の領域です。
ぶっちゃけこうした方がいい!
長々と比較記事を読んできた方に、最後に本音をお伝えします。
「どっちがいいか迷っている時間は正直もったいない」というのが本音です。
Adobeのユーザーなら、まずFireflyを使い倒してください。今(2026年2月〜3月16日まで)は無制限生成キャンペーン中なので、Pro以上のプランに入っていれば思いっきり試せます。Fireflyだけで8割の用途は賄えるし、PhotoshopのGenerative Fillを使い始めたら「これなしで仕事してた頃に戻れない」と感じる人がほとんどです。
MidjourneyはAdobe関係なく「最高の絵を作りたい」という人向けのツールです。でも正直なところ、ドラフトモードを知らずに普通の生成でクレジットを消耗している人が多すぎます。コンセプト探索はドラフトモード一択にするだけで、同じ予算で試せる数が10倍になります。生成量の問題でMidjourneyを諦めていた人は、ドラフトモードを活用すれば状況が全然違います。
そして商用利用の話になると、「どうせ大丈夫でしょ」という感覚は危ないです。Disney・Universal・Warner Bros.という世界最大のコンテンツ会社がMidjourneyを相手どって訴訟中という事実は、いつかユーザーへの影響に波及しても不思議ではありません。クライアントワークや販売用途には、素直にFireflyを使うか、Midjourneyで生成したものにPhotoshopで手を加えて「人間の創作が乗っている素材」にする手間を惜しまないようにしましょう。
個人的に最も効率的だと感じているワークフローは、「Midjourneyのドラフトで方向性を探る→気に入ったらフル品質で仕上げる→PhotoshopのFireflyで仕上げと調整をする」という流れです。両方のツールをその時々の役割で使い分けるだけで、片方だけを使うよりもアウトプットの質が明らかに上がります。
ツールに振り回されず、ツールを道具として使いこなすためには、まず「自分が何を作りたいのか」を先に決めることが大切です。目的が先、ツール選びは後。その順番を守るだけで、MidjourneyもFireflyも驚くほど頼もしい相棒になってくれます。
MidjourneyとFireflyの比較に関する疑問解決
日本語のプロンプトで使えますか?
どちらのツールも日本語プロンプトに対応しています。ただし、より細かいニュアンスや具体的な指示を出したい場合は、英語の方が精度が高くなる傾向があります。特に画像の中に日本語テキストを入れたい場合(たとえば「都道府県」という文字を看板に入れる、など)は、現時点ではどのAI画像生成ツールも完璧な再現は難しく、文字が崩れたり別の記号に変わってしまうことが多いです。日本語テキストの画像内埋め込みに最も強いのは現状ではChatGPT(DALL-E 3)という評価が多いため、その用途ではChatGPTを検討するのも一手です。
Midjourneyで生成した画像は商用利用できますか?
有料プランに加入していれば商用利用は可能です。ただし、Midjourneyの学習データの透明性は低く、2025年6月にはユニバーサル・ピクチャーズとディズニーが著作権侵害訴訟を提起、同年9月にはワーナー・ブラザース・ディスカバリーも訴訟に加わるなど、法的なリスクは現実として存在します。企業の公式広告や大規模なビジネス展開には、法的保護が明確なFireflyの方が安全です。
Adobe Creative Cloudに加入していれば別途Fireflyに課金は不要ですか?
Creative Cloud Proプランに加入している場合は、Fireflyのプレミアム機能(動画生成など)を含む全機能が追加費用なしで利用できます。一方、旧来の「All Apps(全アプリ)」プランは2025年8月に廃止されており、現在はCreative Cloud StandardとCreative Cloud Proの2種類に再編されています。StandardプランはFireflyのスタンダード機能のみで、プレミアム機能を使うには別途Fireflyプランの契約が必要です。自分のプランが何か確認することをおすすめします。
Midjourneyに無料プランはありますか?
現在、Midjourneyの無料トライアルは基本的に提供されていません。以前は一定枚数まで無料で試せる期間がありましたが、ユーザー急増にともない廃止されました。不定期で無料期間が復活することもありますが、安定して使うには月額10ドルのBasicプランへの加入が必要です。まず無料で試したい方は、Adobe FireflyかCanva、Leonardo AIなど、無料プランが充実しているツールから始める方が良いでしょう。
まとめ
MidjourneyとAdobe Fireflyの比較を2026年2月時点の最新情報でまとめると、両者の差はより鮮明になっています。Midjourneyは芸術性・独自性を追求するクリエイターのための最強ツールであり、V7の登場でテキスト理解・人体表現・パーソナライゼーションという弱点を克服しつつあります。V8開発が最終段階に入っており、2026年内にさらなる進化が期待されます。
Adobe Fireflyはビジネス・商業利用に最適化された実務家のためのツールであり、現在進行中の無制限生成キャンペーンや動画・音声・ベクターまで対応する総合的な進化が印象的です。特にAdobeのエコシステムにどっぷりと浸かっているプロフェッショナルにとっては、Fireflyなしのワークフローはもはや考えられないレベルになっています。
最終的な結論として、「どちらかを選ぶ必要がある」ならばAdobeユーザーはFirefly、アート・デザインの表現クオリティを追求したいならMidjourney、そして「予算が許すなら両方使う」のが2026年のプロフェッショナルな選択です。まずはFireflyの無料版から試してみて、もっとアーティスティックな表現が必要だと感じたらMidjourneyを追加するというステップアップが、初心者の方にとって最もリスクの少ない始め方といえるでしょう。

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