研究のために論文を検索しようと思ってGeminiを使ってみたものの、思ったような結果が得られず、がっかりした経験はありませんか?実は、Geminiには論文検索に関して致命的な弱点があり、その実態を知らずに使い続けている研究者が非常に多いのです。この記事では、Geminiの論文検索機能の真実と、2026年最新の効率的な論文検索手法をお伝えします。
- Geminiが論文検索で失敗する3つの決定的な理由と、それを知らずに使い続けるリスク
- 2026年1月最新版のAI論文検索ツール徹底比較と、目的別の使い分け方法
- Gemini Deep Researchを使った研究テーマの現在地把握術と、学会発表前の後悔を防ぐ方法
- Geminiで論文検索ができない本当の理由とは?
- Geminiが論文検索で失敗する3つの決定的な要因
- 2026年最新版のAI論文検索ツール徹底比較
- 目的別AI論文検索ツールの使い分け戦略
- Gemini Deep Researchは使えるのか?研究テーマ把握術
- ハルシネーション対策の実践的アプローチ
- DeepSeekは論文検索に使えるのか?最新動向
- 実際に使って分かった!論文検索AIツールの落とし穴と回避策
- コピペで使える!論文検索AIプロンプト集
- 論文検索の時短テクニック:プロが使う5つの裏ワザ
- 本当にあった論文検索の失敗談と教訓
- 研究段階別の最適ツール選択フローチャート
- 分野別の特殊な検索テクニック
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- よくある質問
- まとめ
Geminiで論文検索ができない本当の理由とは?

AIのイメージ
多くの研究者がGeminiを使って論文検索を試みますが、実際には大きな落とし穴があります。Geminiは確かに強力なAIツールですが、論文検索に特化した設計ではないため、研究者が期待するような精度や機能を提供できないのです。
まず最大の問題はハルシネーションです。ハルシネーションとは、AIが事実に基づかない情報を生成してしまう現象で、Geminiでは特に存在しない論文や架空の文献情報を、あたかも実在するかのように提示するという深刻な問題が報告されています。2026年1月時点でも、この問題は完全には解決されていません。
実際、添付データの研究者の体験談でも、CoPilotやChatGPT、Geminiなどを使って論文検索を試みたところ、DOIどころか存在しない論文を提示する問題が頻発したと報告されています。プロンプトを工夫しても、リンク情報が適切でなかったり、全く存在しない文献が含まれていたりと、信頼性に欠ける結果が続出したのです。
さらに、Gemini 2.5 Proでは誤情報の発生を2〜3件/100文に抑える改善が図られていますが、それでも論文要約や文献情報の提示において誤解を招く表現が含まれる可能性があります。これは単なる言葉の誤りではなく、学術的・実務的な誤解や誤情報の拡散につながる重大なリスクなのです。
Geminiが論文検索で失敗する3つの決定的な要因
問題1:専用データベースへのアクセスがない
ElicitやConsensusなどの論文検索特化ツールは、Semantic Scholarという2億以上の学術論文を含む専用データベースを基盤としています。一方、Geminiは汎用的なウェブ検索をベースとしており、査読済み論文に特化したデータベースへの直接アクセスがありません。これにより、検索結果の質や信頼性に大きな差が生まれます。
問題2:学習データの質の課題
Geminiが回答に誤りを含む大きな原因の一つは、学習データの質に関する課題です。インターネット上の膨大なデータを学習していますが、そのデータの中には不正確な情報やデマが含まれている可能性があります。SNSやブログ、まとめサイトには事実確認が不十分な情報や誤って広まった情報が掲載されていることがあり、古いウェブサイトにはすでに更新されて実態と異なる情報が残されているケースも見られます。
問題3:引用情報の検証機能の欠如
論文検索において最も重要なのは、提示された文献が実在し、内容が正確であることです。しかし、Geminiには引用情報を自動的に検証する機能が組み込まれていません。結果として、ユーザー自身がDOIや論文タイトルを一つ一つ確認する必要があり、これでは手動検索と変わらない手間がかかってしまいます。
2026年最新版のAI論文検索ツール徹底比較
Geminiの限界を知った今、では実際にどのツールを使えば効率的な論文検索ができるのでしょうか?2026年1月時点での最新情報をもとに、主要なAI論文検索ツールを徹底比較します。
SciSpace:オールインワンの研究支援プラットフォーム
SciSpaceは2025年2月にDeep Review機能を追加し、論文検索の精度が劇的に向上しました。この機能の最大の特徴は、検索を実行する前にAIが検索意図を深堀りし、検索キーワードを最適化する点です。関連キーワードを自動で抽出し、複数回の検索をバックグラウンドで実行することで、より良い検索結果を提供します。
SciSpaceは論文検索だけでなく、読解サポート、執筆サポート、引用管理まで統合されたオールインワンツールとして評価されています。2億以上の論文にアクセスでき、PDFと直接チャットできる機能も搭載されています。
Elicit:精度重視の文献レビューに最適
Elicitは最も優れた文献検索能力を持つツールとして、多くの研究者から高い評価を得ています。医学分野の文献検索能力において、他のツールを上回る精度を示しています。特に新規分野を開拓したいときや、体系的なレビューが必要な場合に威力を発揮します。
ただし、初回試用以外は有料であることがデメリットです。月額12ドルからのプランが用意されており、本格的な研究には投資価値があると評価されています。
Consensus:質の高い論文のスクリーニングに強み
Consensusは査読済み論文のみを扱うため、質の高い論文をスクリーニングして表示することで定評があります。特に「はい/いいえ」で回答できる質問形式で検索すると効果的で、科学的合意を「Yes」「No」「Possibly」の3段階で示すConsensus Meter機能が特徴的です。
SJRランキングやSciScoreといった品質指標が組み込まれており、高影響力の研究論文を素早く特定できます。無料版でも基本的な検索が可能で、試しやすい点も魅力です。
Paperguide:2025年に急成長した新星
Paperg
uideは2025年6月にDeep Research機能を搭載し、SciSpaceよりかなり安価でほぼ同等の機能が使えるツールとして注目を集めています。Controlled Deep Researchモードでは、ユーザーがサブクエスチョンの追加・修正・削除ができ、Elicitの最上位プランの機能を持っています。
AIライターに力を入れている点もSciSpaceとの差別化が図られており、論文執筆や文献管理など多機能に使いたい研究者に適しています。
目的別AI論文検索ツールの使い分け戦略
ツールによって得意分野や検索精度は大きく異なります。研究の段階や目的に応じて、適切なツールを選ぶことが重要です。
研究の初期段階でざっと概要をつかむ場合は、ConsensusやSciSpace、Paperguideの検索機能で十分です。一方、本格的に文献を精査したい場合は、Elicitやトップの精度が必要です。
とにかくシンプルにAI検索を試したい場合はConsensus、論文執筆や文献管理など多機能に使いたい場合はSciSpaceまたはPaperguide、質と網羅性を重視し内容を深掘りしたい場合はElicitという使い分けが推奨されます。
Gemini Deep Researchは使えるのか?研究テーマ把握術
論文検索では課題があるGeminiですが、実はDeep Research機能を使った研究テーマの現在地把握には非常に有効です。これは医療分野の研究者による実証済みの手法で、学会発表前の後悔を防ぐ強力なツールとなっています。
Gemini Deep Researchは、2024年12月にリリースされ、その後Gemini 2.0 Flash Thinking(試験運用版)の導入により、品質とサービング効率が劇的に改善されました。複雑な問題を管理しやすい小さなサブタスクに細分化し、詳細なリサーチプランを策定する能力が特徴です。
研究テーマの現在地を把握する3ステップ
指導医から漠然とした研究テーマを振られた際、すぐにデータ収集や解析に取り掛かる前に、Deep Researchを活用することで大きな手戻りを防げます。
ステップ1では、Gemini Deep Research用の質問を作成します。基本形は「振られた研究テーマに関して、現在までに分かっていること(既知の事実)、まだ解明されていない点(ナレッジギャップ)、そしてこのテーマで研究を行う場合に評価すべき項目(評価項目)を包括的に知りたい」というクエリです。
ステップ2では、作成したクエリをGeminiのインターフェースからDeep Research機能に入力します。ステップ3で、結果を分析し研究の方向性を定めます。
Deep Researchの結果から、既知の事実、ナレッジギャップ(研究の狙い目)、評価項目(考慮すべきアウトカム指標や分析すべき因子)が明確になります。これにより、「重要な評価項目を調べ忘れていた」という事態を防ぐことができます。
ハルシネーション対策の実践的アプローチ
どのAIツールを使う場合でも、ハルシネーション対策は必須です。2026年時点で、完全にハルシネーションをゼロにすることは困難ですが、適切な運用により大幅にリスクを減らすことができます。
プロンプトの工夫が最も効果的です。具体的かつ明確な指示でAIの誤情報生成を減らし、情報の存在確認を促す手法を活用すれば、信頼性の高い回答を引き出せます。例えば、「○○に関する文献情報(APAフォーマット、DOIつき)を検索してください」のように、一つの文節にまとめて具体的に指示すると、正しいリンクが付いた結果が得られやすくなります。
結果の検証も欠かせません。提示された論文タイトルやDOIを、Google ScholarやPubMedで実際に検索して存在を確認する習慣をつけましょう。存在する論文を見つけるのは簡単ですが、存在しない論文を「存在しない」と確認することの方が面倒なのです。
出典の明示を求めることも重要です。AIに対して「必ず出典を明示してください」と指示し、引用元のURLや論文情報を含めるよう促します。これにより、後から検証しやすくなります。
DeepSeekは論文検索に使えるのか?最新動向
2026年1月現在、中国発のAIスタートアップDeepSeekが注目を集めています。添付データでは、DeepSeekが文献検索において「確かに早い。早いし、プロンプトを変えたらバッチリの文献が見つかった」という評価がありました。
DeepSeekは2025年1月にR1モデルをリリースし、市場に衝撃を与えましたが、2026年1月時点では次世代のV4とR2モデルのリリースを巡って憶測が飛び交っています。同社は旧正月(2月中旬)に向けて新モデルをリリースする可能性が示唆されていますが、公式のコメントは避けています。
ただし、2、3日使ってきた結果、やはりDOIどころか存在しない論文を提示する問題が大きいという指摘もあります。無料で気軽に試せる点は魅力ですが、論文検索の主要ツールとしては、ConsensusやSciSpace、Elicitの方が信頼性が高いと評価されています。
実際に使って分かった!論文検索AIツールの落とし穴と回避策

AIのイメージ
理論は分かったけど、実際に使ってみると予想外の問題に直面することが多いんです。ここでは、多くの研究者が実際に体験する「あるある問題」とその具体的な解決方法を、リアルな体験ベースでお伝えします。
問題1:検索結果が多すぎて逆に困る現象
AIツールで論文検索すると、一度に数百件もの論文がヒットして、結局どれを読めばいいのか分からなくなる経験、ありませんか?特にSciSpaceやElicitを使うと、関連論文が大量に表示されて途方に暮れることがあります。
実践的な解決策として、まず検索結果を引用数でソートしてトップ10だけを精読する方法が効果的です。ただし、最新の研究は引用数が少ない可能性があるため、発表年を2022年以降に絞って別途検索し、古典的な重要論文と最新研究の両方を押さえる二段階アプローチがおすすめです。
さらに、Consensusを使う場合は「はい/いいえ」で答えられる質問形式に変換することで、科学的合意が明確な論文だけに絞り込めます。例えば「糖尿病治療の最新動向」ではなく「メトホルミンは2型糖尿病の第一選択薬として有効か?」と聞くと、より焦点を絞った結果が得られます。
問題2:英語論文ばかりで日本語の先行研究が見つからない
ほとんどのAI論文検索ツールは英語論文中心で、日本語の重要な先行研究が抜け落ちる問題があります。特に臨床研究や地域特有の研究では、日本語論文も重要な情報源になります。
この問題へのハイブリッド戦略として、まずAIツールで国際的な研究動向を把握した後、CiNii Researchや医中誌Webで日本語キーワード検索を行う二段構えが効果的です。Google Scholarの検索言語設定を「日本語のページを検索」に変更する方法もありますが、精度はやや落ちます。
実は、SciSpaceのPDF読解機能を使えば、日本語論文のPDFをアップロードして要約や質問応答ができます。日本語論文を別途見つけた後の効率化には非常に有効です。
問題3:専門用語の言い換えで検索漏れが発生する
医学や工学では、同じ概念を指す用語が複数存在することが多く、一つのキーワードだけでは重要な論文を見逃す可能性があります。例えば「心筋梗塞」は「MI」「myocardial infarction」「acute coronary syndrome」など様々な表現があります。
解決策として、まず最初の検索で見つかった論文のキーワードセクションを確認し、同義語や関連用語をリストアップします。その後、それらの用語で追加検索を行います。Elicitには複数のキーワードを組み合わせて検索する機能があり、OR検索やAND検索を駆使することで検索漏れを防げます。
さらに効率的なのは、Connected Papersを使って最初に見つけた重要論文を中心に関連論文のネットワークを可視化する方法です。これにより、異なる用語を使っている関連研究も視覚的に発見できます。
コピペで使える!論文検索AIプロンプト集
実際の研究現場で即使えるプロンプトをシチュエーション別にまとめました。これらはそのままコピーして使えます。
基本的な文献レビュー用プロンプト
「に関する2020年以降の査読済み論文を、引用数の多い順に10件検索してください。各論文について、研究手法、主な結果、限界点を簡潔にまとめてください。さらに、DOIまたはPubMed IDを必ず含めてください。」
このプロンプトの優れている点は、時期、信頼性(査読済み)、優先順位(引用数)、必要な情報、検証可能性(DOI)をすべて一度に指定している点です。
研究ギャップ発見用プロンプト(Gemini Deep Research向け)
「について、以下の3点を包括的に分析してください。1)現在までの研究で確立されている事実とコンセンサス、2)まだ解明されていない研究ギャップや矛盾する研究結果、3)今後研究すべき重要な評価項目や研究デザインの提案。各項目について、可能な限り具体的な論文を引用しながら説明してください。」
このプロンプトは、学会発表や研究計画を立てる際に研究の全体像と自分のポジションを明確にするのに非常に有効です。
方法論の比較検討用プロンプト
「におけるとの有効性を比較した論文を検索してください。各研究のサンプルサイズ、研究デザイン(RCT、観察研究など)、主要評価項目、結果を表形式でまとめてください。」
SciSpaceやElicitの表形式出力機能と組み合わせると、複数の研究を一覧で比較できて非常に便利です。
最新動向把握用プロンプト
「における2024年から2026年の最新の研究動向を教えてください。特に、従来の定説を覆すような新しい発見や、臨床応用が期待される技術革新について、具体的な論文を挙げて説明してください。」
研究の最前線を素早く把握したいときに有効で、学会発表のイントロダクションや研究背景の執筆に役立ちます。
特定論文の深掘り用プロンプト
「以下の論文について、1)この研究の革新的な点、2)研究手法の強みと弱み、3)この論文を引用している最近の重要な研究、4)この研究結果に対する批判的見解があれば、それを含む論文を教えてください。」
重要論文を深く理解し、その論文を中心に研究の流れを追跡するのに最適です。
論文検索の時短テクニック:プロが使う5つの裏ワザ
裏ワザ1:Google Scholarの「引用元」機能との組み合わせ
AIツールで見つけた重要論文のタイトルをGoogle Scholarで検索し、「引用元」をクリックすると、その論文を引用している新しい研究が一覧できます。これにより、AIツールが見逃した最新研究を補完できます。特に2024年以降の超最新論文はAIツールのデータベースに未反映の可能性があるため、この方法が有効です。
裏ワザ2:PaperpileとGeminiの連携で爆速論文読解
文献管理ツールPaperpileに論文を保存すると、Google DriveのビューワーでPDFが開き、右上にGeminiのアイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、PDFを見ながら直接Geminiに質問できます。「Figure 2が何を示しているのか、専門知識がない人にも分かるように説明して」「この研究の限界点は何ですか?」といった質問をその場で投げかけられるため、論文理解が劇的に速くなります。
裏ワザ3:Research RabbitでZettelkasten風ネットワーク構築
Research Rabbitは、最初に見つけた論文を起点に関連論文のネットワークを視覚化してくれるツールです。単なる検索ツールではなく、知識のネットワークを構築するイメージで使えます。週次でアップデート通知が来るため、研究分野の最新動向を自動的にフォローできる点も秀逸です。
裏ワザ4:Scite.aiで引用の質をチェック
論文が多く引用されているからといって、必ずしも内容が支持されているわけではありません。Scite.aiを使えば、引用が「支持」「反論」「単なる言及」のどれに該当するかを分類してくれます。引用数は多いが実は批判的に引用されている論文を見抜けるため、誤った前提で研究を進めるリスクを減らせます。
裏ワザ5:NotebookLMで複数論文の統合理解
GoogleのNotebookLMに複数の論文PDFをアップロードすると、それらを横断的に分析して共通点や相違点を抽出してくれます。さらに、ポッドキャスト風の音声要約も生成できるため、通勤時間に複数論文の内容を耳で学習できます。これは2026年1月時点で英語のみ対応ですが、英語論文が中心なら非常に強力なツールです。
本当にあった論文検索の失敗談と教訓
失敗例1:AIが生成した架空論文を引用してしまった事例
ある研究者がChatGPTで論文検索を行い、提示された10本の論文のうち3本が完全に架空の論文でした。タイトルも著者名ももっともらしく、つい引用リストに含めてしまったそうです。幸い、投稿前に指導教員が気づいて事なきを得ましたが、一歩間違えば研究不正と見なされる可能性もありました。
教訓:AIが提示した論文は必ずDOIやPubMed IDで実在を確認する。可能であれば、引用する前に実際のPDFにアクセスして内容を確認する習慣をつける。
失敗例2:古い情報に基づいて研究を進めてしまった事例
ElicitやConsensusは素晴らしいツールですが、データベースの更新には数週間から数ヶ月のタイムラグがあります。ある研究者は2024年12月に検索を行い、2024年11月に発表された画期的な論文を見逃したまま研究を進めてしまいました。後に学会で指摘されて初めて気づき、大幅な修正を余儀なくされました。
教訓:AIツールでの検索に加えて、研究分野のトップジャーナルの最新号を直接チェックする習慣を持つ。PubMedやGoogle Scholarのアラート機能を設定し、重要なキーワードで新着論文の通知を受け取る。
失敗例3:日本語論文を完全に見落として指摘を受けた事例
国際誌への投稿を目指していた研究者が、英語論文のみでレビューを行い、実は10年前に日本の研究者が同様の研究を日本語で発表していたことを見逃しました。査読で「先行研究の調査が不十分」と指摘され、リジェクトされてしまいました。
教訓:グローバルな研究であっても、自国の先行研究は必ず確認する。CiNii ResearchやJ-STAGEなど、日本語論文データベースでの検索を習慣化する。
研究段階別の最適ツール選択フローチャート
研究は段階によって必要な情報が異なります。段階に応じた最適なツール選択を示します。
第1段階:テーマ探索期(研究を始める前)
この段階では、広く浅く情報を集めることが重要です。Gemini Deep Researchで研究分野全体の現状とギャップを把握し、ConsensusやPerplexity Academicで科学的合意を確認します。この時点では精度よりもスピードと全体像の把握を優先します。
第2段階:研究計画立案期
研究の方向性が見えてきたら、詳細で精度の高い文献レビューが必要です。ElicitやSciSpaceのDeep Review機能を使って、関連研究を網羅的に収集します。さらにConnected PapersやResearch Rabbitで論文間の関係性を可視化し、見落としがないか確認します。
この段階では、見つけた論文のリストをZoteroやMendeleyなどの文献管理ツールに保存し、タグやフォルダで整理することが重要です。
第3段階:データ収集・実験期
実験中も関連分野の最新動向をフォローする必要があります。この段階では、PubMedやGoogle Scholarのアラート機能を設定し、週1回程度チェックする習慣をつけます。また、Research Rabbitの週次アップデートも活用します。
新しい重要論文が出た場合は、SciSpaceのPDFチャット機能で素早く内容を把握し、自分の研究への影響を評価します。
第4段階:論文執筆期
執筆段階では、引用の正確性と網羅性が最重要です。Scite.aiで主要な引用論文が支持的に引用されているか確認し、Consensusで自分の主張を支持する科学的合意があるか再確認します。
また、PaperpalやGrammarlyと組み合わせて、引用フォーマットや文章の質も同時にチェックします。
第5段階:投稿後・査読対応期
査読者から追加の文献レビューを求められた場合、ElicitやSciSpaceで素早く関連論文を追加検索します。特定の論文への反論が必要な場合は、Scite.aiでその論文を批判的に引用している研究を探し、根拠として利用できます。
分野別の特殊な検索テクニック
医学・臨床研究の場合
医学分野では、PubMedとの併用が必須です。AIツールで概要を把握した後、PubMedのMeSH(Medical Subject Headings)を使った精密検索を行います。また、Cochrane Libraryでシステマティックレビューを確認し、エビデンスレベルの高い情報を優先的に収集します。
臨床試験の情報はClinicalTrials.govも必ずチェックしましょう。AIツールでは進行中の臨床試験は見つけにくいため、手動での確認が重要です。
工学・コンピュータサイエンスの場合
この分野では、arXivやIEEE Xploreが重要な情報源です。特にAI・機械学習分野では、査読前のプレプリントが最新動向を知る上で不可欠です。Semantic ScholarはarXivもカバーしているため、ElicitやConsensusと組み合わせて使うと効果的です。
また、GitHubで公開されている実装コードも重要な情報源です。論文で使われた手法の実装例を見つけることで、理解が深まります。
人文社会科学の場合
人文社会科学では、J-STAGEやCiNii Researchなど日本語データベースの重要性が特に高いです。また、書籍の引用も重要なため、Google Booksでの検索も併用します。
この分野では量的研究だけでなく質的研究も多いため、Elicitの検索フィルターで研究手法を指定して検索すると効率的です。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまで色々なツールや手法を紹介してきましたが、正直に言うと、全部のツールを完璧に使いこなそうとするのは逆効果です。
個人的には、まずSciSpaceかPaperguideのどちらか一つを有料プランで契約して、これをメインツールとして使い倒すことをお勧めします。月額2000円程度の投資ですが、論文検索にかける時間が週に5時間削減できれば、時給換算で完全に元が取れます。
そして、SciSpaceまたはPaperguideで見つからない特定の情報だけを、Consensusで補完する使い方が最も効率的です。無料ツールだけで済まそうとすると、結局は制限に引っかかってストレスが溜まり、時間も無駄にします。
さらに重要なのは、AIツールに頼りすぎないことです。AIは検索の入り口としては優秀ですが、最終的には自分の目で論文を読み、批判的に評価する能力が研究者には求められます。AIが提示した10本の論文のうち、実際に精読するのは引用数トップ3だけで十分なことも多いです。
そして、これは声を大にして言いたいのですが、論文検索に完璧を求めすぎないことです。すべての関連論文を漏れなく見つけることは不可能ですし、その必要もありません。重要なのは、自分の研究の位置づけを明確にし、主要な先行研究をしっかり押さえることです。
最後に、論文検索で最も大切なのは継続的な情報収集の習慣です。学会発表の直前に慌てて文献レビューするのではなく、週に1時間でいいので、定期的に最新論文をチェックする時間を確保してください。Research RabbitやPubMedのアラート機能を使えば、この習慣化は意外と簡単です。
AIツールは確かに便利ですが、それを使いこなすのは結局あなた自身です。道具に振り回されず、自分の研究スタイルに合った使い方を見つけることが、長期的には最も効率的で質の高い研究につながります。
よくある質問
Geminiで論文検索すると全く違う結果が出るのはなぜ?
Geminiは汎用的なAIモデルであり、論文検索に特化した設計ではありません。学術論文専用のデータベースにアクセスしていないため、一般的なウェブ検索の結果が混在してしまいます。また、ハルシネーションにより存在しない論文を生成する可能性もあります。論文検索には、SciSpaceやElicit、Consensusなど専用ツールの使用を強く推奨します。
無料で使える最も信頼性の高い論文検索AIツールは?
2026年1月時点では、Consensusが無料版でも比較的制限が少なく、質の高い論文検索ができるツールとして評価されています。査読済み論文のみを扱い、科学的合意を可視化するConsensus Meter機能も無料で利用できます。ただし、より本格的な研究にはElicitやSciSpaceの有料プランへの投資が推奨されます。
AIツールで見つけた論文の信頼性をどう確認すればいい?
必ず以下の手順で検証してください。まず、提示されたDOIやタイトルをGoogle ScholarやPubMedで検索し、論文が実在することを確認します。次に、引用数や掲載ジャーナルの評価を確認しましょう。Scite.aiなどのツールを使えば、その論文が後続研究でどう評価されているか(支持されているか、反論されているか)も確認できます。最後に、論文の要約だけでなく、実際のPDFにアクセスして内容を確認することが理想です。
まとめ
Geminiは強力な汎用AIツールですが、論文検索においては専用ツールに大きく劣ることが明らかになりました。ハルシネーションによる存在しない論文の生成、専用データベースへのアクセス不足、引用情報の検証機能の欠如という3つの決定的な弱点があります。
2026年1月現在、論文検索にはSciSpace、Elicit、Consensus、Paperguideといった専用ツールを目的に応じて使い分けることが最も効率的です。初期段階の概要把握にはConsensusやSciSpace、本格的な文献精査にはElicitが適しています。
ただし、Gemini Deep Researchは研究テーマの現在地把握や、既知の事実とナレッジギャップの整理には非常に有効です。各ツールの強みと弱みを理解し、研究の段階に応じて適切に使い分けることで、論文検索の効率と質を劇的に向上させることができます。
どのツールを使う場合でも、AIが提示した情報は必ず人間が検証することを忘れずに。AIは強力な支援ツールですが、最終的な判断は研究者自身が行うべきです。適切なツール選択と検証プロセスの徹底により、AIを活用した効率的な研究活動を実現しましょう。

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