デスクを離れたとたんに「あのタスク、どこまで進んだかな?」と気になったことはありませんか?長時間かかるリファクタリングを走らせながら、コーヒーを飲みに行くことすら躊躇してしまう、あの微妙な心理的プレッシャー。そんな開発者の「デスク縛り」を根本から解消する機能が、2026年2月25日に突如リリースされました。
それがClaude CodeのRemote Control(リモートコントロール)です。ローカルマシンで動いているClaude Codeのセッションを、スマートフォンやタブレット、あるいは別のPCのブラウザからそのまま操作できる。しかも、ファイルはローカルから一切外に出ない。この一点だけでも、セキュリティを重視するエンジニアにとっては大きな安心感があるはずです。
この記事では、Remote Controlを使うために必要な条件から実際のセットアップ手順、セキュリティの仕組み、そして現実的な使いどころまでを徹底的に解説します。まだリサーチプレビューの段階ですが、すでに多くの開発者が「これは本物だ」と絶賛している機能の全貌を見ていきましょう。
- Remote Controlを使うにはMaxプランまたはProプランへのサブスクリプションが必要で、APIキーやTeam・Enterpriseプランでは現時点で利用不可。
- セッションはローカルマシン上で動き続けるため、ファイルやMCPサーバー設定がそのまま使えてセキュリティも安心な設計になっている。
- コマンド一発でスマホやブラウザからセッションに接続でき、複数デバイスから同時に会話をリアルタイム同期することが可能。
- Remote Controlとはどんな機能なのか?クラウドとの本質的な違い
- Remote Controlを使うために絶対に満たすべき必要条件
- Remote Controlのセットアップ手順を丁寧に解説
- セキュリティの仕組みを正確に理解しておこう
- 実際に使って分かった活用シーンと現実的なメリット
- 現時点での制限事項と知っておくべき注意点
- Remote Controlを使う前に知っておきたい「想定外のトラブル」と現実的な対処法
- Remote Controlと相性抜群!Claudeだからできる実践的プロンプト集
- 「Remote Controlを最大活用できる人」と「実はSSHで十分な人」の違い
- 知らないと後悔するセキュリティの盲点と、最低限やっておくべき設定
- 並列マルチエージェント活用という次のステージ
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- Remote Controlに関するよくある疑問を解決!
- まとめ
Remote Controlとはどんな機能なのか?クラウドとの本質的な違い

AIのイメージ
まず大前提として、Remote Controlが何をするものかを正確に理解しておくことが重要です。名前だけ聞くと「クラウドに作業を移す機能」と誤解しやすいのですが、実態はまったく異なります。
「セッションはあくまでローカルマシン上で動き続ける」——これがRemote Controlの核心です。スマートフォンやブラウザは、ローカルで動いているClaude Codeセッションへの「窓口」として機能するだけで、実際の処理はすべて手元のPCで行われています。
この設計がもたらすメリットは非常に大きいです。ローカルのファイルシステムはそのまま使えますし、設定済みのMCPサーバーも引き続き動作します。プロジェクト固有のツール設定や認証情報も一切クラウドには送られません。外出先のスマホから操作していても、Claude Codeが参照しているのは自分のマシン上のファイルなのです。
Claude Code on the webというサービスも存在しますが、こちらはAnthropicが管理するクラウドインフラ上でセッションが動くため、ローカルのMCPサーバーやファイルには直接アクセスできません。用途によって使い分けることが重要で、「今まさにローカルで進めている作業を外出先から続けたい」という場面ではRemote Controlが圧倒的に適しています。
Remote Controlを使うために絶対に満たすべき必要条件
Remote Controlを使うにはいくつかの条件があり、一つでも満たしていないと利用できません。事前にしっかり確認しておきましょう。
サブスクリプションプランの条件
現時点での最大のポイントがここです。Remote ControlはMaxプランまたはProプランへの加入が必要です。APIキーのみでClaude Codeを使っている場合は利用できません。
2026年2月27日時点では、Maxプランユーザーに先行提供されており、Proプランへの展開も近日中に行われる予定とアナウンスされています。一方、TeamプランとEnterpriseプランでは現時点で利用不可となっています。チームで使いたい方は、今後のアップデートを待つ必要があります。
なお、リリース直後には一部のユーザーが「Remote Control is not enabled for your account. Contact your administrator.」というエラーに遭遇するバグが報告されています。このエラーが出た場合は、一度ログアウトしてClaude Codeのターミナルに再ログインすると解消されることが多いようです。
Claude Codeのバージョン要件
Remote ControlにはClaude Code v2.1.52以降が必要です。現在のバージョンは
claude --version
コマンドで確認できます。古いバージョンを使っている場合は
claude update
で最新版に更新してください。記事内の動作確認ではv2.1.53が使われていますが、同バージョン以降であれば問題なく動作します。
認証とワークスペース信頼設定の確認
技術的な必要条件として、2つのことを事前に済ませておく必要があります。まず
claude
コマンドを実行し、
/login
コマンドでclaude.aiを通じてサインインを完了させておくことです。次に、作業したいプロジェクトディレクトリで少なくとも一度
claude
を実行し、表示されるワークスペース信頼ダイアログを承認しておく必要があります。この2つが完了していないと、Remote Controlを起動しても正常に動作しません。
また、リモートデバイス側(スマホやブラウザなど)でも同じclaude.aiアカウントで認証済みであることが必要です。別のアカウントや匿名アクセスは許可されていません。
Remote Controlのセットアップ手順を丁寧に解説
条件を満たしていることが確認できたら、実際にRemote Controlを起動してみましょう。開始方法は2パターンあります。
新規セッションとして起動する方法
プロジェクトディレクトリに移動した上で、ターミナルに以下のコマンドを入力します。
claude remote-control
短縮形として
claude rc
でも同じ動作をします。コマンドを実行するとターミナルにセッションURLが表示され、リモート接続を待機する状態になります。スペースキーを押すとQRコードが表示されるので、スマートフォンから素早くアクセスするときに便利です。
なお、このコマンドには
--verbose
フラグを付けることで接続やセッションの詳細ログを確認できます。
作業中のセッションをそのままリモート化する方法
すでにClaude Codeで作業を進めている最中に「そういえば外出しないといけない」と気づいた場合は、セッション内で以下のコマンドを入力するだけです。
/remote-control
(短縮形
/rc
)
これを実行すると、それまでの会話履歴がそのまま引き継がれた状態でRemote Controlが有効になります。デスクで進めていた思考の文脈を一切失わずに外出先から続きを指示できるのは、実際に使ってみると感動的なほど便利です。
別デバイスからの接続方法
セッションが起動したら、別のデバイスから接続する方法は3通りあります。ターミナルに表示されたURLをブラウザで開く方法、QRコードをスマホのカメラでスキャンしてClaudeモバイルアプリで開く方法、そしてclaude.ai/codeまたはClaudeアプリのセッション一覧からセッション名で探す方法です。オンライン中のRemote Controlセッションには、コンピューターアイコンに緑のステータスドットが表示されるので見つけやすくなっています。
セッション名を付けておくひと工夫
複数のセッションを並行して管理するようになると、セッション名が「Remote Control session」のままでは一覧から目的のセッションを探しにくくなります。
/remote-control
を実行する前に
/rename
コマンドで分かりやすい名前(例「auth-refactor」「pr-review-frontend」など)を付けておくことをおすすめします。これだけで、スマホから作業中のセッションを見つける体験が格段によくなります。
セキュリティの仕組みを正確に理解しておこう
ローカルセッションを外部からアクセス可能にするとなると、セキュリティが気になる方も多いはずです。Remote Controlの設計を理解しておくことで、安心して使えるようになります。
重要なのは、ローカルマシン上でインバウンドのポートを一切開かないという点です。Claude Codeはアウトバウンドのみ、つまり外向きのHTTPS通信だけを行います。Remote Controlを開始するとAnthropicのAPIにセッションを登録し、ポーリング方式でリモートからの指示を受け取ります。別のデバイスから接続すると、AnthropicのサーバーがWebまたはモバイルクライアントとローカルセッションの間でメッセージをルーティングします。
すべての通信はAnthropicのAPIを経由し、TLS暗号化されています。接続には複数の短命な認証情報が使用され、それぞれが単一の目的にスコープされていて独立して期限切れになる設計です。この仕組みにより、NAT環境や企業のファイアウォール越しでも、ポートフォワーディングやVPN設定なしで動作します。
もし万一AnthropicのリレーサーバーがセキュリティInbreachを受けたとしても、攻撃者が見えるのは「会話メッセージとツールの出力内容」のみです。ローカルのファイル、認証情報、プロジェクト構成、MCPサーバーのデータは見えません。
ただし一点注意があります。セッションURLは二要素認証に対応していないため、URLが第三者に知られると接続される可能性があります。URLは共有しないようにし、使い終わったセッションは適切に終了することが大切です。
実際に使って分かった活用シーンと現実的なメリット
理論だけではなく、実際の開発ワークフローでどんな場面に威力を発揮するかを見ておきましょう。
大規模なリファクタリングタスクを走らせながらコーヒーブレイクに行く、というのが最もシンプルな活用例です。40個以上のファイルにわたるCSSモジュールからTailwindへの移行作業をClaude Codeに任せ、経過をスマホで確認しながら別の作業をこなせます。これまでは「画面から目を離せない」という心理的プレッシャーがありましたが、Remote Controlによってタスクの進捗を常に把握しながら自由に動けるようになります。
オフィスのデスクトップで始めた作業を自宅のノートPCからシームレスに引き継ぐ、というリモートワーク的な使い方も強力です。会話の文脈が完全に保持されているため、「どこまで話したっけ?」というストレスがありません。
また、ローカルのMCPサーバーがそのまま使えるという点は、Claude Code on the webには絶対に実現できない差別化ポイントです。Notionやデータベース、社内ツールに接続したMCPサーバーを使った作業も、外出先から継続できます。
現時点での制限事項と知っておくべき注意点
リサーチプレビューの段階ということもあり、いくつかの制限があります。事前に把握しておくことで、実際の業務フローへの組み込みがスムーズになります。
まず、1セッションに対してリモート接続できるのは同時に1つだけという制限があります。複数のデバイスから同時に操作することはできません。
次に、ターミナルを閉じるとセッションが終了するという点は重要です。Remote Controlはローカルプロセスとして動作しているため、claudeプロセスを停止するとセッションも終わります。長時間の作業を中断したくない場合は、tmuxやscreenなどのターミナルマルチプレクサーで
claude remote-control
を動かすのが現実的な対策です。例えば
tmux new-session -s claude-rc
で起動しておけば、ターミナルアプリを閉じてもプロセスが生き続けます。
また、ネットワーク切断が約10分続くとセッションがタイムアウトする仕様になっています。移動中に電波の弱い場所を通過した程度では問題ありませんが、長時間のオフライン状態が予想される場合は注意が必要です。
/remote-control
コマンドでは
--verbose
、
--sandbox
、
--no-sandbox
フラグが使用できない点も留意してください。また、
--dangerously-skip-permissions
フラグを渡しても現状では効果がないという報告もあります。これはつまり、Remote Control経由でClaude Codeを動かす場合、ツールが何らかのアクションをとるたびに確認が求められることを意味します。フル自動で流したいタスクには少し不便かもしれませんが、セキュリティ上は理にかなった仕様とも言えます。
Remote Controlを使う前に知っておきたい「想定外のトラブル」と現実的な対処法

AIのイメージ
リリースから数日、世界中の開発者がRemote Controlを試した結果、公式ドキュメントには書いていない「あるある問題」がいくつも報告されています。ここを事前に把握しておくだけで、最初の体験がぐっと快適になります。
「管理者に問い合わせてください」エラーが出て自分が管理者なのに困る問題
これはリリース直後に最も多く報告されたバグです。「Remote Control is not enabled for your account. Contact your administrator.」というエラーが表示されるのに、自分がアカウントの管理者本人というケースです。
原因はClaude Codeのターミナルセッションが古い認証情報をキャッシュしていることにあります。解決策はシンプルで、一度ターミナルを完全に閉じて、再度
claude
コマンドを起動し直してから改めて
/login
でサインインするだけで大半のケースで解消されます。それでも直らない場合は
~/.claude/
ディレクトリ内の設定キャッシュを削除してから再起動すると効果的です。
ラップトップのバッテリーが切れてセッションが丸ごと消える問題
Remote Controlはローカルプロセスなので、マシンの電源が落ちると何もかも終了します。これは仕様ですが、長時間タスクを走らせながら席を離れるときには致命的になり得ます。
対策として最も効果的なのが、macOSの
caffeinate
コマンドとの組み合わせです。Remote Controlを起動する前に別のターミナルタブで
caffeinate -s
を実行しておくと、マシンがスリープ状態に入ることを防げます。Windowsの場合は電源設定でスリープを「しない」に変更するか、PowerToysの「Awake」機能が同様の役割を果たします。Linuxでは
systemd-inhibit
が使えます。
また、長時間タスクには最初から充電ケーブルを接続して開始する習慣をつけることが、最もシンプルで確実な対策です。
スマホ側のアプリがバックグラウンドに回ってセッション状況が分からなくなる問題
スマホで確認中にLINEや電話が来てアプリがバックグラウンドに回ると、再度Claudeアプリを開いたときにセッションの状態が更新されているのか古い表示のままなのか判断しにくいことがあります。
これは現時点でのUIの限界でもありますが、Claudeアプリでセッション画面を再度開いた際に画面を下にスワイプして強制リフレッシュするのが手っ取り早い対処法です。セッション一覧画面で緑のステータスドットが表示されていれば、セッションはまだ生きています。
ネットワーク切り替え時(Wi-FiからLTEなど)にセッションが応答しなくなる問題
外出先でWi-Fiが途切れてモバイル回線に切り替わった瞬間、しばらくの間セッションが無反応になることがあります。これは自動再接続の仕組みが働いているためで、通常30秒〜1分程度待てば復旧します。焦って再接続を試みたり新しいセッションを起動しようとすると、かえって状態が混乱することがあるのでまずは1分ほど待つのが正解です。
Remote Controlと相性抜群!Claudeだからできる実践的プロンプト集
Remote Controlを使うということは、スマホの小さな画面から指示を出すことになります。デスクとは異なり、長文を打つのは現実的ではありません。だからこそ、「短く打っても正確に動く」プロンプト設計がRemote Control体験の質を大きく左右します。
以下は、Remote Control環境で特に効果を発揮するプロンプトのパターンです。
「監視+簡潔な続き指示」プロンプト
デスクで大きなタスクを開始してから外出し、スマホで状況を確認して次の一手を打つ場面で使います。
状況確認プロンプト例「今何をやってる?3行で教えて」
長い進捗レポートを読む気力がスマホ画面では湧かないので、3行制限をつけるのがポイントです。Claudeは明示的に字数・行数を制限されると、本当に要点だけをまとめてくれます。
方向修正プロンプト例「そのアプローチは一旦止めて。○○の方向で再検討して。前のファイルは変えなくていい」
外出先から気づいた問題点を伝えるとき、「何を変えなくていいか」を明示することで、Claudeが余計なファイルを触りに行くリスクを減らせます。
「Gitブランチと組み合わせた安全な指示出し」プロンプト
Remote Controlでの作業は、必ず独立したGitブランチ上で行うことを強く推奨します。スマホからの指示が意図しない方向に進んだとき、ブランチを切り捨てるだけでリセットできるからです。
セッション開始時のセット指示例「これからfeature/remote-session-testブランチで作業して。masterには絶対に直接コミットしないで。作業完了の節目ごとにコミットメッセージを明示的に確認して」
このプロンプトをRemote Controlセッションの一番最初に送っておくだけで、外出中に大きな事故が起きるリスクを大幅に下げられます。
「承認フローを組み込んだ長時間タスク指示」プロンプト
現状、Remote Controlでは
--dangerously-skip-permissions
フラグが効かないため、Claudeがファイルを変更するたびに確認が求められます。これを逆用して、あえて確認ポイントを設けた指示が有効です。
長時間タスク用プロンプト例「認証モジュール全体をリファクタリングして。ただし各ファイルの変更前に必ず変更内容を一言で説明してから私の承認を待って。承認は「OK」か「スキップ」で答える」
スマホから「OK」の一文字を送るだけで作業が進む設計にすることで、移動中の操作負担を最小化しながら制御を維持できます。
「終了条件を明示した自律タスク指示」プロンプト
スマホから指示を出して、しばらく確認できない場面(会議中など)向けのプロンプトです。
自律タスク指示例「テストが全部グリーンになるまでバグを修正し続けて。ただし3回試みてもダメなテストがあったら、そこで止まって原因をまとめておいて。絶対に依存パッケージの変更はしないで」
「止まる条件」と「絶対にやってはいけないこと」を同時に宣言するのがClaudeとの長時間自律タスクの基本です。これがないと、Claudeが善意で余計なことをし始める可能性があります。
「コンテキスト再確認プロンプト」
長時間セッションを続けていると、Claudeのコンテキストが長くなりすぎて初期の指示を忘れかけることがあります。特にRemote Controlでは、途中でスマホを持ち替えたりセッションを一時離脱したりするため、「自分が何を頼んでいたか」を再確認したい場面も出てきます。
コンテキスト再確認プロンプト例「今この会話のゴールとやり残しタスクを箇条書きで3点以内にまとめて」
これを打つだけで、Claudeがこれまでの会話全体を俯瞰して現在地を整理してくれます。スマホで長い会話を遡る手間が省けて非常に便利です。
「Remote Controlを最大活用できる人」と「実はSSHで十分な人」の違い
Remote Controlは便利な機能ですが、すべての開発者に均等に刺さるわけではありません。実際に使ってみた開発者たちのフィードバックをもとに、どういうワークフローの人に本当に向いているかを正直に整理しておきます。
Remote Controlが特に力を発揮するのは、Claude CodeのMCPサーバーを積極的に活用している人です。データベース接続、Notionとの連携、社内Slack APIとの統合など、カスタムMCP環境を組み込んでいる開発者にとって、クラウドへの移行なしにモバイルから操作できる価値は非常に大きいです。
また、「コードを書く」より「AIに指示を出して成果物を確認する」スタイルで使っている人にも向いています。承認・却下・方向転換の判断をスマホから行うだけで十分なワークフローなら、Remote ControlのモバイルネイティブなUIは最適です。
一方で、既にSSH+tmuxで十分な人もいます。たとえばリモートのVPSやサーバー上でClaude Codeを動かしていて、SSH接続でtmuxセッションにアタッチするワークフローが既に確立している場合、Remote Controlの追加価値は限定的です。SSHはより汎用的で、Claude Code以外のプロセスも同じ仕組みで管理できます。
「ローカルマシンを常にオンにできない」環境の人にもRemote Controlは不向きです。VPSやクラウドサーバー上でClaude Codeを動かして、どのデバイスからでも接続できる「常時稼働型」の構成を作りたい場合は、Remote Controlより本来のSSHベースのアプローチのほうが適しています。
| こんな人に向いている | こんな人はSSHで十分かも |
|---|---|
| ローカルのMCPサーバーを活用している | VPS・クラウドサーバーで作業している |
| 席を離れた短時間に進捗を確認・承認したい | SSH+tmuxのワークフローが既に確立している |
| スマホからの操作UIにこだわりたい | Claude Code以外のプロセスも同じ方法で管理したい |
| 長時間のリファクタリングを監視しながら別の仕事をしたい | マシンを常時オンにできない環境にある |
知らないと後悔するセキュリティの盲点と、最低限やっておくべき設定
Remote Controlのセキュリティ設計は前述のとおり堅牢ですが、「セッションURLを知っている人は誰でも接続できる」という点は強調しておく必要があります。URLに二要素認証は存在せず、URLさえ手に入れれば同一アカウントでなくとも理論上は接続できてしまう設計です(実際には同一のclaude.aiアカウント認証が必要ですが)。
直近、CVE-2025-59536という脆弱性がClaude Codeで発見されており、信頼されていないリポジトリのプロジェクト設定ファイルやMCPインテグレーションを通じたリモートコード実行とAPIトークン窃取のリスクが指摘されました。Anthropicはすでにパッチを当てており、MCPの実行前に明示的なユーザー同意を求める仕組みが追加されています。Remote Controlを使う際には、最新バージョンへの更新と、知らないリポジトリや第三者のMCP設定を安易に実行しないことが特に重要です。
実践的なセキュリティ習慣として最低限やっておくべきことは2つです。まず、セッションを使い終わったらターミナルで明示的に終了する習慣をつけることです。「なんとなく使い終わった」状態のままターミナルを最小化して放置するのは危険です。次に、セッションURLをSlackやメモアプリなどに貼らないことです。スクリーンショットにURLが写り込まないよう意識することも大切です。
並列マルチエージェント活用という次のステージ
Remote Controlの本当の威力は、実は「1つのタスクを外から監視する」だけではありません。複数のClaude Codeセッションを同時に起動し、それぞれにRemote Controlを設定して、スマホのセッション一覧から並列で監視・指示するという使い方が、早期採用者の間で急速に広まっています。
例えば朝のスタンドアップ前に3つのセッションを起動するとします。1つ目は「不安定なCIパイプラインの修正」、2つ目は「新しいエンドポイントの統合テスト追加」、3つ目は「非推奨APIの移行」です。それぞれに
/rename
で分かりやすい名前をつけておけば、スマホのClaudeアプリに3つのセッションが並んで表示されます。会議中にちらっと確認して「OK」を送るだけで、3つのタスクが並行して進んでいきます。
これはもはや「AIを使ったコーディング」ではなく、「AIエージェントたちを人間がオーケストレーションする」という新しいエンジニアリングのスタイルです。Remote Controlはその入口として機能しており、この体験を一度すると「以前の開発スタイルには戻れない」と感じる開発者が続出しています。
ただし現実的な注意点として、Claude Codeのセッションが増えるほどMaxプランのトークン消費も増えます。並列で走らせる場合は、各セッションに「必要以上に詳細な出力をしない」指示を最初に入れておくとコスト効率が上がります。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまで読んでいただいた方には正直に言います。個人的には、Remote Controlを「普段のサブ機能」として使うより、「セッション開始のルーティンとして最初から組み込む」ほうがぶっちゃけ楽だし効率的だと思います。
具体的に言うと、Claude Codeを起動するたびに毎回
claude remote-control
を実行するのではなく、最初から
/config
で「Enable Remote Control for all sessions」をtrueにしておくんです。「セキュリティが心配だから必要なときだけ」という考えは理解できるんですが、毎回コマンドを打つ手間と「あ、リモート化するのを忘れた」というストレスのほうが、実際には日々の摩擦コストとして積み重なっていきます。
そしてもう一つ。tmuxは最初から使っておいてください。これをケチると「ターミナルを間違って閉じてセッションが消えた」という体験を必ず一度は経験します。一度体験したら絶対にtmuxを使い始めるんですが、どうせなら最初から使う習慣にしておいたほうがいい。
tmux new-session -s main
でセッションを作って、その中でclaude remote-controlを走らせる。
Ctrl+B, D
でデタッチする。これだけです。難しくない。
さらに正直に言うと、Remote Controlを使うときは必ず独立したGitブランチを切る習慣と、「止まる条件」を最初に宣言するプロンプトをセットにしておくべきです。スマホから指示を出すと、デスクで作業するときより確認が甘くなります。「あとでデスクで見ればいいや」と思いながら「OK」を連打していると、気づいたら意図しない大量の変更が積み重なっていることがある。これはRemote Controlというより人間の注意力の問題ですが、ブランチを切っておけばリセットできるので、損害を最小化できます。
要するに、セットアップの自動化(/configのtrue)、プロセスの永続化(tmux)、作業の安全弁(Gitブランチ)の3点セットを最初から構えておくのが、Remote Controlを「なんとなく使う」から「本当に便利に使う」に変える最短ルートです。この3つを整えた上でスマホから操作すると、初めて「あ、これは本物だ」という体験になります。逆にどれか一つでも欠けていると、どこかで「やっぱり不便だな」となる瞬間が来ます。ぜひ面倒くさがらずに最初の5分で全部設定してしまってください。
Remote Controlに関するよくある疑問を解決!
ProプランでもRemote Controlは使えますか?
2026年2月27日現在、Remote ControlはMaxプランユーザーを対象にリサーチプレビューとして提供されています。Proプランへの展開は近日中に予定されているとAnthropicが公式にアナウンスしています。すでにProプランに加入しているユーザーは、正式展開を待ちましょう。なお、TeamプランやEnterpriseプランでの利用については、現時点では対応スケジュールが明示されていません。
セッションを終了したあと再開できますか?
ターミナルを閉じるか、claudeプロセスを停止すると、そのセッションは完全に終了します。再開するには
claude remote-control
または
/remote-control
を再度実行する必要があります。会話の継続性は引き継がれません。長時間の作業を途切れなく続けたい場合は、前述のtmuxを使ってプロセスをバックグラウンドで維持するのが最もシンプルな解決策です。
スマホ側に何かアプリは必要ですか?
ブラウザからであれば追加インストール不要で、ターミナルに表示されるセッションURLを開くだけで接続できます。ネイティブアプリでの体験を求める場合はClaude公式モバイルアプリ(iOS・Android両対応)をインストールしてください。まだインストールしていない場合は、Claude Code内で
/mobile
コマンドを実行するとダウンロード用のQRコードが表示されて便利です。モバイルアプリ経由で接続すると「Remote Control Session (Mac)」などとセッション名が表示され、通常のチャットと同じUIで操作できます。
全セッションで自動的にRemote Controlを有効にするには?
毎回
claude remote-control
と入力するのが面倒な方は、自動有効化の設定が使えます。Claude Code内で
/config
を実行し、「Enable Remote Control for all sessions」をtrueに設定するだけです。これ以降はすべてのセッションが自動的にRemote Control対応になります。ただし、セキュリティを意識するなら必要なときだけ有効化するデフォルトの設定のほうが無難です。
複数の端末から同時にセッションに接続することはできますか?
1つのClaude Codeセッションに同時接続できるリモートデバイスは1台だけです。ターミナル、ブラウザ、スマホの3デバイスから会話をそれぞれ送ることは可能ですが、同時に2台以上のリモートデバイスを同じセッションに接続することはできません。また、ターミナルを2つ開いてそれぞれにClaudeを起動している場合は、それぞれが独立したセッションとして扱われるため、Remote Controlもセッションごとに個別に設定する必要があります。
まとめ
Claude CodeのRemote Control機能は、「開発作業は特定のデバイスの前にいるときだけ」という長年の制約を、シンプルかつセキュアな設計で取り払う機能です。
改めて必要条件を整理すると、MaxプランまたはProプランへの加入、Claude Code v2.1.52以降、claude.aiアカウントでのログイン、そしてプロジェクトディレクトリでのワークスペース信頼承認の4つが揃っていれば使い始められます。
現時点ではリサーチプレビューの段階で制限もありますが、ローカル環境をそのまま維持しながらどこからでも開発の続きができるという体験は、一度使うと手放せなくなるはずです。MaxプランまたはProプランをお使いの方は、ぜひ今すぐ
claude remote-control
コマンドを試してみてください。散歩しながらリファクタリングが進む新しい開発体験が待っています。

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