取引先や上司からお中元が届いた。お礼状を書かなきゃいけないのは分かっているけれど、毎年この季節になると筆が止まる。「いつもお世話になっております」から先が、なかなか進まない。
そんなときに下書きを一瞬で出してくれるのがChatGPTです。ただ、出てきた文章をそのまま送ると、相手によっては失礼になったり、妙によそよそしくなったりします。この記事では、相手別の例文と、AIに任せると事故りやすい表現、それから法人で贈答品をやり取りするときの費用の扱いまで、実際に試しながら整理しました。
結論 ChatGPTは「たたき台」として使い 敬語は人が最終チェックする
先に結論をお伝えします。お礼状の骨組みはChatGPTに作らせて構いませんが、送る前に必ず自分の目で敬語と固有名詞を直してください。AIは丁寧そうな文章を作るのが得意な反面、相手との距離感を読み間違えたり、二重敬語をさらっと混ぜたりします。
頼み方のコツは、相手の属性と関係性を具体的に伝えることです。たとえば「取引先の部長宛て」「毎年お世話になっている親戚」のように一言添えるだけで、出てくる文面の質が変わります。
相手別 そのまま使えるプロンプトと例文

ChatGPTに渡すときは、次の3点をセットで書くと精度が上がります。誰から誰へ送るか、関係性、入れたい一言です。
上司・社内の目上の方へ
プロンプト例。「直属の上司からお中元をいただきました。社内の目上の方へ送る、堅すぎず丁寧なお礼状を200字程度で。日頃の感謝も一言入れて。」
生成される文面はおおむねこんな雰囲気になります。
「このたびはご丁寧にお心づかいをいただき、誠にありがとうございます。日頃よりご指導いただいておりますうえに、お気づかいまで賜り恐縮しております。暑さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。」
社内向けなら、ここに自分の言葉で日頃のお礼を一行足すと体温が出ます。
取引先・法人宛てへ
プロンプト例。「取引先の担当部署宛てに、お中元のお礼状をビジネス文書として作成して。時候の挨拶と、今後も変わらぬお付き合いをお願いする一文を入れて、250字程度で。」
法人宛ては形式がはっきりしているぶん、AIが最も得意とする領域です。ただし会社名・部署名・担当者名は必ず自分で差し込んでください。AIが架空の社名を勝手に補うことがあります。
親戚・知人へ
プロンプト例。「親戚からお中元が届きました。かしこまりすぎない、温かいお礼状を150字程度で。子どもの近況も少し触れて。」
ここはAIだけに任せず、自分のエピソードを一行入れるのが大事です。AIの文章は無難ですが、無難すぎて「誰にでも送れる手紙」に見えてしまうことがあります。
そのまま使うと事故る AI文面でありがちな失敗
実際に何パターンか出させてみて、気をつけたいと感じた点を挙げます。
二重敬語が混ざることがあります。「お伺いさせていただきます」のような表現がしれっと出てくるので、過剰な敬語は削ってください。
季節がずれることもあります。お中元は7月から8月のものですが、プロンプトに時期を書かないと「新緑の候」など春の時候の挨拶が出る場合があります。「盛夏の候」「猛暑の候」など、夏の挨拶を指定すると安心です。
それから、相手の名前や会社名をAIが創作してしまう問題です。空欄のまま生成させ、自分で埋めるのが確実です。
最後に、定型感が強すぎる点です。完成度は高いのに、どこか冷たく感じる文章になりがちなので、自分の言葉を一行だけでも足すと印象が変わります。
法人でお中元を贈る側のとき 費用の勘定科目はどう考える?
ここからは、お礼状から少し離れて、贈る側の経理の話です。お中元を会社の経費にできるのか気になる方は多いと思います。
国税庁の租税特別措置法関係通達61の4(1)-1「交際費等の意義」では、交際費等を、得意先・仕入先その他事業に関係ある者等に対する「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為」のための支出と定めています。取引先へのお中元はこの「贈答」にあたるため、原則として接待交際費として扱うのが一般的な考え方です。
注意したいのは、金額があまりに高額だと経費として認められない可能性があること、そして仕事と関係のない友人や恩師への贈答は経費にできないことです。誰に贈ったのかが問われます。
なお、ここはあくまで一般的な考え方の紹介です。広告宣伝費として扱える場合や、個人事業主か法人かで判断が分かれる場面もあります。実際の処理は会社ごとに事情が違うため、最終的な判断は顧問税理士、または国税庁の公式情報で必ず確認してください。本記事は税務上の助言を目的としたものではありません(2026年6月時点)。
ChatGPTで作った文章を仕事で使うときの注意
OpenAIの利用規約(2026年1月1日発効版)では、ChatGPTが出力した内容の権利は利用者に帰属し、商用を含めて利用できるとされています。お礼状に使う分には問題ありません。
ただし2点だけ覚えておくと安心です。1つは、日本の著作権法では人間の創作的表現が著作物とされるため、AIが自律生成した文章は著作物と認められない可能性があるという点。お礼状なら実害はほぼありませんが、知っておいて損はありません。もう1つは、無料版やPlusでは入力した内容がモデルの学習に使われる場合があることです。取引先名や個人情報は入れず、架空名や空欄で生成し、あとから自分で差し込むのが無難です(2026年6月時点の規約)。
よくある質問
Q. ChatGPTの無料版でもお礼状は書けますか?
はい、書けます。文面の下書きを作るだけなら無料版で十分です。相手の属性を具体的に伝えれば、精度の高い文章が返ってきます。
Q. 手書きのお礼状にもAIを使っていいですか?
文面の下書きをAIで作り、それを清書する形なら問題ありません。手書きは気持ちが伝わるので、文章だけAIに手伝ってもらう使い方は相性が良いです。
Q. お中元のお礼は、いつまでに出せばよいですか?
品物が届いたら、なるべく早めに出すのが礼儀とされています。数日のうちに出せると印象が良いでしょう。遅れてしまった場合は、ひとことお詫びを添えると丁寧です。