Sunoで曲を作ってみたい。でも、ユニバーサルミュージックグループの訴訟や著作権の話を見て、「結局、何をしたら危ないの?」「自分の曲として使っていいの?」「無料で作った曲をYouTubeに出して大丈夫?」と手が止まっていませんか。いちばん危ないのは、難しい法律用語をなんとなく読んだだけで、実際の操作に落とし込めないまま生成ボタンを押してしまうことです。Sunoは、正しく使えば初心者でも今日から曲を作れます。ただし、既存曲、アーティスト名、声まね、商用利用、アップロード素材の扱いを間違えると、あとから消す・作り直す・使えないという事態になりやすいです。
SunoとUMG問題で最初に理解するべきこと

音楽生成AIのイメージ
Sunoは、文章で曲のイメージを入力すると、メロディ、伴奏、歌声、歌詞をまとめて生成できるサービスです。初心者にとって便利なのは、作曲ソフトの知識がなくても、画面の入力欄に「落ち着いた夜のチルポップ」「日本語女性ボーカル」「雨の日の読書に合うピアノBGM」のように書くだけで音が返ってくる点です。
一方で、UMG、つまりユニバーサルミュージックグループを含む大手音楽会社との著作権問題は、使う側にも無関係ではありません。2026年6月時点では、Sunoをめぐる大手レーベルとの法的な争いは続いており、ユニバーサルミュージックグループとソニー側が、Sunoに対する著作権侵害主張の対象を大幅に増やそうとしている動きもあります。ここで初心者が受け取るべきメッセージは、怖がって何もしないことではなく、他人の曲を材料にしない、有名アーティストに寄せすぎない、商用利用の前にプランと利用条件を確認するという実務的な判断です。
「Sunoが訴えられているなら、Sunoで作った曲は全部危ないのでは?」と感じるかもしれません。そこは分けて考える必要があります。問題になりやすいのは、サービス側の学習データや既存楽曲との関係、そしてユーザーが既存曲に似せた生成を行う使い方です。読者が今日から避けるべきなのは、好きな曲の音源をアップロードして似た曲を作る、アーティスト名を入れてそっくりな曲を作る、既存の歌詞を少し変えて使う、という操作です。
初心者が勘違いしやすい危険な使い方
「自分だけで聴くなら何を入れてもよい」と考えると、あとで公開したくなったときに困ります。たとえば、市販曲のカラオケ音源、配信中のヒット曲、好きな歌手の歌声、他人が作ったBGMをアップロードして、そこからカバーやリミックスを作る流れは避けるべきです。Sunoの画面でアップロード機能が見えていても、アップロードしてよい素材とアップロードできる素材は同じではありません。
安全なのは、自分で録音した鼻歌、自分で弾いた短いギター、自分で書いた歌詞、自分で考えた曲のテーマを使うことです。鼻歌が下手でも問題ありません。Sunoに渡す役割は、完成音源ではなく「方向性」です。スマホで短く録音したメロディをもとに、スタイル欄で「切ない日本語ポップ、ピアノ中心、遅め、女性ボーカル」のように指定すれば、既存曲に頼らずに出発できます。
まず無料で始める安全な基本操作
Sunoを初めて開いたら、いきなり商用利用や収益化を考えるより、まずは「自分の言葉で曲がどこまで変わるか」を確認してください。無料枠では日ごとのクレジット内で生成を試せます。生成ボタンを押すとクレジットを消費するため、何も考えずに連打すると、試したい場面で残りが足りなくなります。
最初の練習では、曲の目的を一つに絞ります。「動画のオープニングにも使えて、睡眠BGMにもなって、ショート動画でもバズる曲」のように欲張ると、Sunoは方向性を決めにくくなります。最初の一曲は「30秒のショート動画に使う明るいBGM」や「夜に聴く日本語バラード」のように、使う場面を一つだけ決めると失敗が減ります。
- Sunoにログインしたら、作成画面で曲の説明欄を開き、最初は歌詞なしの短い説明だけで試します。
- 曲の説明には、ジャンル、気分、楽器、テンポ、使う場面を一文で入れます。
- 生成された二つの候補を最後まで聴き、気に入ったほうにいいねや保存を付けて、あとで見失わないようにします。
- 気に入らない場合は、同じ内容で連打せず、テンポ、楽器、ボーカル有無のどれか一つだけ変えて再生成します。
- 公開や収益化に使う前に、無料プランで作った曲か、有料プランで作った曲かを必ず確認します。
- ダウンロード前に、既存曲に似すぎていないか、歌詞に他人の固有表現が混ざっていないかを聴き直します。
- 使う場所がYouTube、広告、店舗、販売音源のどれかを決め、必要なら有料プランで作り直してから使います。
最初の入力文は短く具体的にする
初心者が最初にやりがちな失敗は、入力欄に感情やジャンルを詰め込みすぎることです。「感動的で明るくて暗くて疾走感があり、映画的でかわいくて大人っぽい」のように矛盾した言葉を入れると、仕上がりがぼやけます。最初は、ジャンルひとつ、気分ひとつ、楽器ふたつ、テンポひとつに絞るほうが安定します。
たとえば、動画用のBGMなら「爽やかなポップ、アコースティックギターと軽いドラム、明るい朝、120BPM、ボーカルなし」と入力します。日本語ボーカル曲なら「切ない日本語シティポップ、女性ボーカル、ピアノと柔らかいベース、90BPM、夜の帰り道」と入力します。このくらいなら、画面上で何を直せばよいかも判断しやすくなります。
UMG問題を踏まえた安全なプロンプトの作り方
Sunoで大切なのは、うまく作ること以上に、危ない寄せ方をしないことです。特にUMGなど大手音楽会社の話題を見て検索している人は、「好きなアーティストっぽく作りたい」という気持ちがあるかもしれません。しかし、実際に公開や収益化を考えるなら、アーティスト名、曲名、アルバム名、特徴的な歌詞、声のものまねを入力の中心にしないほうが安全です。
代わりに、音楽的な特徴を普通の言葉に分解します。「特定の歌手っぽく」ではなく、「息が近い柔らかな女性ボーカル」「サビでハーモニーが重なる」「ピアノとストリングス中心」「テンポは遅め」「歌詞は別れを受け入れる内容」のように書きます。これなら、既存の誰かに寄せるのではなく、自分の曲の設計図として使えます。
アーティスト名を入れたくなった時の言い換え方
好きな曲の雰囲気を出したい時は、その曲名や歌手名を入力する前に、「どの要素が好きなのか」を分けてください。声が好きなのか、テンポが好きなのか、サビの盛り上がりが好きなのか、楽器の質感が好きなのかで、入力すべき言葉は変わります。
たとえば、透明感のあるバラードが欲しいなら「透明感のある女性ボーカル、静かなピアノ、後半でストリングスが広がる、切ないが前向きな日本語歌詞」と書けます。ロックの熱さが欲しいなら「力強い男性ボーカル、歪んだギター、ライブ感のあるドラム、サビで大きく開ける構成」と書けます。これだけで、危ない固有名詞に頼らず、かなり狙いに近づけます。
既存曲を使わずに自分の曲へ近づける編集の考え方
生成された曲を聴いて、「サビはいいのにAメロが弱い」「イントロが長い」「声は好きだけどテンポが違う」と感じることがあります。この時に全部を作り直すと、せっかく良かった部分まで失われます。編集機能が使えるプランなら、気に入らない部分だけを直す、延長する、別バージョンを作るという順番で進めます。
無料で練習している段階では、編集機能に頼るより、プロンプトの修正で方向性を学ぶほうが効率的です。気に入った曲が出たら、曲の詳細画面でスタイルや歌詞を確認し、次の生成では「何が良かったか」を一つだけ残します。たとえば、ピアノが良かったならピアノは残し、テンポだけ変える。声が良かったならボーカル指定は残し、楽器だけ変える。この小さな修正が、Sunoの扱いに慣れる近道です。
クレジットを無駄にしない聴き方
生成直後は、最初の十秒だけで判断しがちです。しかしSunoの曲は、サビや後半で印象が変わることがあります。最低でも一度は通して聴き、次に「イントロ」「Aメロ」「サビ」「終わり方」の四つに分けて確認してください。サビだけが良い場合は、次の入力で「サビで大きく盛り上がる」「最後のサビでキーが上がる」「イントロは短く」と明記します。
終わり方が不自然な時は、「自然なフェードアウト」「短いアウトロ」「最後はピアノだけで静かに終わる」のように書きます。BGM用途なら、派手な終わりよりもループしやすい終わりのほうが動画編集で扱いやすくなります。ショート動画用なら、最初の五秒でメロディが出るように「短いイントロ」「すぐに印象的なメロディ」と入れると使いやすくなります。
無料プランと有料プランの判断基準
Sunoを触り始めた段階では、無料プランで十分です。まずは曲ができる感覚をつかみ、自分の用途に合うかを確認してください。ただし、曲を収益化動画、広告、店舗BGM、販売、配信、クライアント案件に使うなら、無料のまま進めるのは危険です。商用利用を考える時点で、有料プランで生成した曲を使う前提に切り替えるべきです。
| 用途 | 判断 |
|---|---|
| 個人で聴く練習 | 無料プランで試して問題ありません。 |
| 非収益のSNS投稿 | 表示される利用条件を確認し、収益化や広告利用をしない範囲に留めます。 |
| YouTube収益化動画 | 有料プランで生成した曲を使い、生成日と曲名を記録しておくと管理しやすいです。 |
| 店舗や広告のBGM | 有料プランで作り、既存曲に似ていないかを必ず確認してから使います。 |
| 音楽配信や販売 | 歌詞、メロディ、音色、ジャケット、名義まで一貫して自作管理できる状態にしてから進めます。 |
有料にする前に決めるべきこと
有料化する前に、「どこで使う曲なのか」を決めてください。YouTube用なら、動画の尺、声ありか声なしか、ループしやすいかが重要です。配信用なら、アーティスト名、ジャケット、曲調の統一感が必要です。広告用なら、歌詞が邪魔にならないか、ブランド名や商品名と衝突しないかを確認します。
月額を払う前に、無料で十曲ほど作り、気に入った方向性を三つに絞ります。その三つのスタイルを有料プランで改めて作り直すと、商用利用の判断がしやすくなります。無料で作った偶然の名曲をあとから商用に回そうとすると、権利面で迷いが残りやすいので、最初から「公開用は有料で作る」と線を引くのが安全です。
SunoとUMG問題の使い方に関する疑問解決
UMG問題を見た初心者が不安になるのは自然です。ただ、毎回ニュースを追いかけないと使えないわけではありません。日々の操作では、危ない入力と安全な入力を分けるだけで、かなりリスクを下げられます。
特に大切なのは、曲を作る前の素材確認です。自分で録音した声や鼻歌なら使いやすいですが、テレビ、映画、配信曲、ゲーム音楽、カラオケ、他人の投稿音源が混ざっている録音は使わないでください。スマホの画面録画やライブ映像の音を切り出してアップロードするのも避けるべきです。
- 曲名やアーティスト名を入力したくなったら、固有名詞ではなく、テンポ、楽器、声質、感情、場面の言葉に置き換えます。
- 既存曲をアップロードしたくなったら、自分の鼻歌、自作の短いコード、自分で叩いたリズムに置き換えます。
- 公開前に不安を感じたら、サビのメロディ、歌詞の一文、イントロの印象が特定の曲に近すぎないかを聴き直します。
UMG所属アーティスト風に作ってもいい?
公開や収益化を考えるなら避けたほうが安全です。画面にアーティスト名を入力できたとしても、使ってよいとは限りません。目的が「雰囲気を参考にする」だけでも、仕上がりが声、メロディ、歌詞、アレンジのどれかで強く似ると、公開後に説明が難しくなります。代わりに「低めの男性ボーカル」「乾いたギター」「ゆっくりしたテンポ」「深夜の孤独感」のように、音楽の部品へ分解してください。
自分の鼻歌を入れるのは安全?
自分で考えたメロディを自分で録音した鼻歌なら、出発点として使いやすいです。ただし、無意識に既存曲をなぞっていることがあります。生成後に聴いて、「どこかで聴いた曲」に感じる場合は、そのまま公開せず、テンポ、コード感、サビのリズムを変えて再生成してください。安全寄りに作るなら、鼻歌は短く使い、スタイル欄で楽器や雰囲気を大きく変えると、既存曲への近さを減らしやすくなります。
無料で作った曲をあとから有料扱いにできる?
商用利用を考えるなら、無料時代に作った曲をそのまま使うのではなく、有料プランに入った後に同じ方向性で作り直すほうが安全です。曲名、歌詞、プロンプトを控えておき、有料化後に改めて生成すれば、管理もしやすくなります。公開予定の曲は、生成日、利用プラン、曲の用途をメモしておくと、あとから確認する時に迷いません。
よくある質問
Sunoは日本語の歌詞でも使えますか?
使えます。日本語歌詞を入れる場合は、一文を長くしすぎないことが大切です。長い文章をそのまま入れると、発音が詰まったり、変な場所で区切られたりします。Aメロ、Bメロ、サビのように短い行へ分け、サビでは繰り返したい言葉をはっきり置くと、聴き取りやすくなります。
プロンプトは日本語と英語のどちらがいいですか?
初心者は日本語で始めて問題ありません。ただ、ジャンル名や楽器名は英語のほうが通りやすい場面があります。たとえば「Lo-fi」「Citypop」「Acousticguitar」「Piano」「Femalevocal」「90BPM」のような単語を混ぜると、狙いが伝わりやすくなります。文章全体を英語にする必要はありません。画面で出た音を聴きながら、効いた言葉だけを残してください。
既存曲に似ている気がしたらどうすればいいですか?
その曲は公開しないでください。特に、サビのメロディ、歌い出し、コード進行の印象、ボーカルの癖が特定の曲を思い出させる場合は危険です。次の生成では、テンポを変える、主要楽器を変える、ボーカルの性別や質感を変える、サビの歌詞のリズムを変える、という順番で離していきます。似ているか迷う曲を無理に使うより、別案を作るほうが早く安全です。
YouTubeで使うなら何に注意すればいいですか?
収益化しているチャンネルで使うなら、有料プランで生成した曲を使う前提にしてください。動画編集ソフトに入れる前に、曲のファイル名を「生成日、用途、ボーカル有無」がわかる名前に変えておくと管理が楽です。歌ありの曲はナレーションとぶつかることがあるため、解説動画ではボーカルなし、エンディングやMV風動画ではボーカルあり、と分けると失敗しにくくなります。
企業案件やクライアントワークで使えますか?
使う前に、曲の生成プラン、利用条件、納品先のルールを確認してください。クライアント案件では、「AI生成音源であることを許可しているか」「既存曲風の指定がないか」「広告配信先の審査で問題にならないか」を先に確認します。納品時には、曲名、生成日、用途、ボーカル有無、使用した歌詞がわかるように整理しておくと、あとから差し替えが必要になった時も対応しやすくなります。
まとめ
Sunoは、初心者でも曲作りを始められる強力な道具です。ただし、UMG問題が示している通り、AI音楽は「作れたから自由に使える」と考える段階ではありません。今日から安全に動くなら、既存曲を入れない、アーティスト名で寄せない、自分の素材から始める、商用利用前に有料プランで作る、公開前に似すぎていないか聴き直す。この五つを徹底してください。
最初の一曲は、完璧でなくて大丈夫です。作成画面で、使う場面を一つ決め、ジャンル、気分、楽器、テンポを短く入力し、生成された二曲を最後まで聴く。そこから一つだけ直して、もう一度作る。この小さな反復だけで、Sunoは「なんとなく怖いツール」から「自分の作品を形にする道具」に変わります。法律や業界の動きに振り回されすぎず、画面で確認できる操作と、自分で管理できる素材から始めれば、今日から無理なく一歩目を踏み出せます。