「AIに難しい問題を任せると、なんだか浅い答えしか返ってこない…」そんな経験はありませんか?実はClaude開発元のAnthropicが2026年2月に発表した最新の仕組みによって、この問題が根本から解決されつつあります。拡張思考と呼ばれる新機能により、Claudeは「考えてから答える」AIへと進化を遂げました。
- 拡張思考モードは複雑な問題で最大32,000トークンの内部推論を実行可能
- 2026年2月リリースのOpus4.6で「アダプティブ思考」が標準搭載され自動で最適な推論深度を判断
- ultrathinkキーワードは非推奨となり4段階のeffort設定で柔軟なコスト・品質調整が実現
- 拡張思考モードとは?Claudeが「深く考える」仕組み
- ultrathinkの栄光と終焉!何が変わったのか?
- アダプティブ思考の革命!Opus4.6がもたらした自動最適化
- 実践!拡張思考はどんな場面で威力を発揮するのか?
- Claude Codeでの拡張思考活用術とベストプラクティス
- 100万トークンコンテキストとの連携!Opus4.6の真骨頂
- 思考の透明性とセキュリティ!要約された思考プロセスの真実
- やってはいけない!拡張思考の5つの致命的な間違い
- 実戦で使える!効果が実証された拡張思考プロンプトテンプレート集
- 現場で本当に困る問題!拡張思考でこう解決する実例集
- 知らないと損する!拡張思考とプロンプトキャッシュの関係
- マルチショットプロンプティングで拡張思考を強化する方法
- 長文生成時の拡張思考活用テクニック
- 拡張思考が英語で最高のパフォーマンスを発揮する理由
- Opus vs Sonnet vs Haiku:モデル別拡張思考の使い分け
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- Claudeの拡張思考って何がすごくなったの?に関する疑問解決
- まとめ:拡張思考は単なる機能追加ではなく、AI利用の概念を変える革新
拡張思考モードとは?Claudeが「深く考える」仕組み

AIのイメージ
拡張思考(Extended Thinking)は、Claude 3.7 SonnetとClaude 4シリーズから導入された画期的な機能です。通常のAIモデルが即座に答えを生成するのに対し、拡張思考モードでは答えを出す前の段階的な思考プロセスに時間を費やします。
この思考プロセスでは、問題の分析、複数の解決策の検討、異なるアプローチの探索を行います。人間が難しい数学の問題を解く際に「メモ用紙に途中計算を書く」のと同じように、Claudeも内部的に「思考ブロック」と呼ばれる領域で推論を展開します。
興味深いのは、この思考プロセスにトークン予算(Thinking Budget)という概念が導入されている点です。予算が多いほど複雑な問題をより詳細に分析できるため、レスポンスの品質が向上しますが、その分コストと時間がかかります。Claude 4モデルでは最大32,000トークン以上を思考に割り当てることが可能で、特に32,000トークンを超える大規模な予算を使用する場合はバッチ処理の利用が推奨されています。
ultrathinkの栄光と終焉!何が変わったのか?
「ultrathink」というキーワードは、Claude Codeユーザーの間で伝説的な存在でした。プロンプトにultrathinkと入力するだけで、Claudeが最大31,999トークンの思考予算を使って深い推論を行う「魔法の言葉」として知られていたのです。
Claude Codeでは、think、think hard、think harder、ultrathinkという段階的なトリガーワードが用意されており、それぞれ異なるレベルの思考予算を割り当てていました。特にultrathinkは最高レベルの推論深度を発動させるため、複雑なアーキテクチャ決定やデバッグに絶大な効果を発揮しました。
しかし、2026年1月16日、Anthropicは公式にultrathinkを非推奨(deprecated)と発表しました。GitHubのissueでは「ultrathink is now deprecated」と明記され、長年愛用されてきたこの機能は役目を終えることになりました。
なぜultrathinkは廃止されたのでしょうか?それは、より洗練された仕組みである「アダプティブ思考」の登場によるものです。ultrathinkは確かに強力でしたが、ユーザーが手動でキーワードを入力する必要があり、また思考予算が固定されているため柔軟性に欠けていました。
アダプティブ思考の革命!Opus4.6がもたらした自動最適化
2026年2月5日にリリースされたClaude Opus 4.6では、拡張思考の概念が根本から進化しました。最大の変革は「アダプティブ思考(Adaptive Thinking)」の導入です。
アダプティブ思考モードでは、Claudeが各リクエストの複雑さを評価し、どれだけ深く考えるべきかを自律的に判断します。デフォルトの「high」effort レベルでは、Claudeはほぼ常に拡張思考を使用しますが、より低いeffortレベルでは、単純な問題に対しては思考をスキップすることもあります。
APIでの利用は極めてシンプルになりました。従来の`thinking: {type: “enabled”, budget_tokens: N}`という指定方法は非推奨となり、代わりに`thinking: {type: “adaptive”}`と`effort`パラメータの組み合わせが推奨されています。
effortパラメータには4つのレベルが用意されています。low(最小限の推論)、medium(中程度の推論)、high(デフォルト、ほぼ常に推論)、そしてmax(絶対的な最高能力)です。これにより、開発者はタスクごとに推論の深さ、速度、コストのトレードオフを明示的にコントロールできるようになりました。
さらに重要な点として、アダプティブ思考は自動的にインターリーブ思考(Interleaved Thinking)を有効化します。これは、ツール呼び出しの間にClaudeが思考できる機能で、特にエージェント的なワークフローで威力を発揮します。従来は`interleaved-thinking-2025-05-14`というベータヘッダーが必要でしたが、Opus 4.6ではこれも不要になりました。
実践!拡張思考はどんな場面で威力を発揮するのか?
拡張思考が真価を発揮するのは、正解が一つではなく、多角的な検討や段階的な分解が必要な複雑なタスクです。逆に言えば、単純なタスクに拡張思考を使うのは時間とコストの無駄になります。
数学的推論や論理パズルでは、Claudeの精度が飛躍的に向上します。思考トークンを2倍にしても精度が2倍になるわけではありませんが、Anthropicの研究では数学の精度が思考予算に応じて予測可能な形で向上することが示されています。
コーディングタスク、特にClaude Codeでの利用では、拡張思考は革命的です。複雑なアルゴリズムの実装、既存コードベースのリファクタリング、バグの根本原因分析などで、ultrathink時代から定評がありました。実際、Opus 4.6はTerminal-Bench 2.0で65.4%、SWE-bench Verifiedで80.8%という業界最高水準のスコアを記録しています。
アプリケーションの要件定義やテスト計画といった上流工程でも活用できます。例えば、新しい決済機能の仕様を策定する際に「クレジットカード決済機能に必要なテスト項目を、ユーザーシナリオ、セキュリティ、パフォーマンスの観点から網羅的に列挙して」と依頼すると、Claudeは正常系シナリオから異常系、セキュリティ脆弱性のテスト、負荷テストの観点まで体系的に項目を洗い出してくれます。
長時間のエージェント的タスクでは、Opus 4.6のコンテキスト圧縮(Compaction API)との組み合わせが強力です。会話がコンテキストウィンドウの上限に近づくと、APIが自動的に古い部分を要約し、事実上無限の会話を可能にします。
Claude Codeでの拡張思考活用術とベストプラクティス
Claude Code環境では、拡張思考の利用が特に最適化されています。IDEが提供する豊富なコンテキスト(プロジェクト全体のファイル構造、Gitの差分、カーソル位置など)と連携して機能するため、一般的なWebUIで同じキーワードを使うよりも深い思考が得られます。
実際の使用方法として、`/init ultrathink`のようにスラッシュコマンドの後にオプションとして指定することで、拡張思考モードを使いながらCLAUDE.mdを自動作成できます。Opus 4を利用した実験では、ultrathinkなしの/initと比較して、より詳細な分析と包括的なドキュメンテーションが生成されました。
ただし、拡張思考は多くの「思考トークン」を消費するため、コスト増大や応答遅延につながる可能性があります。そこで重要になるのが「Thinking Budget(思考予算)」の考え方です。Claude Codeでは、環境変数`MAX_THINKING_TOKENS`を設定することで、思考に使うトークンの上限を設定できます。
興味深い発見として、Opus 4.5/4.6では`MAX_THINKING_TOKENS=63999`という設定が可能で、これはデフォルトの2倍の思考予算を提供します。ただし、この機能は完全には文書化されておらず、パワーユーザーの間で共有されている「隠し技」です。
質の高い思考をさせるには、質の高いインプットが不可欠です。拡張思考を依頼する際は、明確な目的、具体的な制約条件、期待する出力形式を含む構造化されたプロンプトを設計しましょう。
100万トークンコンテキストとの連携!Opus4.6の真骨頂
Opus 4.6で特筆すべきは、1Mトークンコンテキストウィンドウ(ベータ版)の搭載です。これは従来の200Kトークンから大幅に拡張され、巨大なコードベース、長大なドキュメント、複数ステップのエージェント的ワークフローに対応できます。
MRCR v2の8-needle 1Mバリアント(1Mトークンのテキスト内に埋め込まれた事実を検索するベンチマーク)では、Opus 4.6が76%のスコアを記録したのに対し、Claude Sonnet 4.5は18.5%でした。Anthropicはこれを「コンテキストの劣化なしにモデルが実際に使用できるコンテキスト量の質的シフト」と表現しています。
さらに、Opus 4.6は最大128Kトークンの出力に対応しており、これは従来の64K制限の2倍です。これにより、より長い思考予算と包括的なレスポンスが可能になります。ただし、大きなmax_tokens値を使用する場合、HTTPタイムアウトを避けるためにSDKではストリーミングが必要になります。
200Kトークンを超えるプロンプトには長コンテキスト価格が適用され、入力トークンあたり$10、出力トークンあたり$37.50となります。基本価格は入力$5、出力$25(1Mトークンあたり)で据え置かれています。
思考の透明性とセキュリティ!要約された思考プロセスの真実
Claude 4モデルでは、拡張思考が有効になっている場合、APIはClaudeの完全な思考プロセスの要約を返します。これは重要なポイントで、要約された思考でも拡張思考の完全な知的利益が得られる一方、悪用を防止します。
ただし、課金は要約トークンではなく元のリクエストで生成された完全な思考トークンに対して行われます。つまり、レスポンスで見えるトークン数と請求される出力トークン数は一致しません。
思考出力の最初の数行はより詳細で、プロンプトエンジニアリングの目的で特に役立つ詳細な推論を提供します。Anthropicが拡張思考機能の改善を目指す中、要約動作は変更される可能性があります。
興味深いことに、要約処理はリクエストで指定したモデルとは別のモデルによって処理されます。思考モデルは要約された出力を見ることはありません。Claude Sonnet 3.7は引き続き完全な思考出力を返します。
稀なケースで完全な思考出力へのアクセスが必要な場合は、Anthropicの営業チームに連絡することができます。ただし、ほとんどの用途では要約された思考で十分な情報が得られます。
やってはいけない!拡張思考の5つの致命的な間違い

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実際に拡張思考を使い始めると、多くの人が同じ落とし穴にハマります。これらの間違いを事前に知っておくことで、時間とコストの無駄を大幅に削減できます。
間違い①:すべてのタスクで拡張思考をオンにしてしまう
最も多い間違いは、「拡張思考は常に優れている」という思い込みです。実は研究により、特定のタイプのタスクでは拡張思考が最大36%もパフォーマンスを低下させることが明らかになっています。これは人間が直感的なタスクで「考えすぎる」と失敗するのと同じ現象です。
簡単な文法チェック、シンプルなデータ検索、パターンマッチング的なタスクでは拡張思考をオフにすべきです。ルールとして、「人間が考えすぎると失敗するタスク」では、Claudeも同様に失敗します。単純な質問には拡張思考オフ、複雑な推論には拡張思考オン、という使い分けが重要です。
間違い②:細かすぎるステップバイステップ指示を与える
多くの人が「ステップ1:変数を特定して、ステップ2:方程式を立てて、ステップ3:xを解いて…」のような詳細な指示を書きます。しかし、Anthropicの公式ドキュメントでは「Claudeは高レベルの指示のほうがよく機能する」と明記されています。
モデルの創造性が問題解決において人間が処方できる能力を超える場合があるため、「この数学の問題を徹底的に詳細に考えてください。複数のアプローチを検討し、完全な推論を示してください。最初のアプローチがうまくいかない場合は、別の方法を試してください」といった自由度の高い指示のほうが効果的です。
間違い③:思考予算を1024トークン未満に設定する
APIを使用する際、思考予算(budget_tokens)の最小値は1024トークンです。500や800といった値を設定するとエラーが返されます。また、budget_tokensはmax_tokensより小さい値に設定する必要があります(ただしインターリーブ思考を使用する場合、コンテキストウィンドウ全体である20万トークンまで例外的に使用可能です)。
推奨される方法は、最小の1024トークンから始めて、タスクの複雑さに応じて段階的に増やすことです。32,000トークンを超える予算が最適な場合は、ネットワーク問題を避けるためバッチ処理の使用が推奨されます。
間違い④:拡張思考とtemperatureパラメータを併用する
これは技術的なエラーを引き起こします。拡張思考を有効にしている場合、temperatureは1.0にのみ設定できます。0.7や0.5といった値を設定すると400エラーが返されます。創造的なストーリー生成で温度調整したい場合は、拡張思考をオフにする必要があります。
間違い⑤:思考ブロックを繰り返し出力させてしまう
Claudeは時々、拡張思考の内容をアシスタント出力テキストで繰り返すことがあります。クリーンなレスポンスが必要な場合は、「拡張思考を繰り返さず、答えだけを出力してください」と明示的に指示する必要があります。特にデータセット生成やレポート作成では、この指示が重要になります。
実戦で使える!効果が実証された拡張思考プロンプトテンプレート集
理論だけでなく、実際の現場で即座に使えるプロンプトテンプレートを紹介します。これらは実際に高い効果が確認されているパターンです。
複雑なアーキテクチャ決定のためのプロンプト
「協調編集機能をドキュメントアプリに追加する必要があります。高effortで拡張思考を有効にしてください。制約条件:リアルタイム同期(100ms未満)、オフラインモード対応、競合解決機能、アンドゥ・リドゥサポート。以下を分析してください:1. 技術オプション(CRDT、OTなど)、2. アーキテクチャアプローチ、3. 各オプションのトレードオフ、4. 推奨される進め方」
このプロンプトは制約条件を明確にし、分析すべき観点を提示しつつも、Claudeに十分な自由度を与えています。
本番環境の問題デバッグ用プロンプト
「本番環境の問題:/api/checkoutで断続的に500エラーが発生。慎重に考えてください。データポイント:リクエストの約1%で発生、時間帯のパターンなし、リクエストサイズとの相関なし、最後のデプロイ後に開始、ログには’Connection reset by peer’と表示。潜在的な原因と調査ステップを分析してください」
このテンプレートは観察された症状を構造化して提示し、Claudeが問題を多角的に分析できるようにしています。
マイグレーション計画立案用プロンプト
「MongoDBからPostgreSQLへの移行を計画しています。高effortでOpusを使用して移行計画を作成してください。現状:50コレクション、1000万ドキュメント、5つのサービスがデータに依存、ゼロダウンタイム要件。成果物:1. 移行戦略、2. スキーマ設計、3. サービス更新計画、4. ロールバック戦略、5. テストアプローチ、6. タイムライン見積もり」
要件を明確に列挙し、期待される成果物を明示することで、Claudeが包括的な計画を立てられます。
現場で本当に困る問題!拡張思考でこう解決する実例集
開発現場で実際によく遭遇する問題と、拡張思考を使った具体的な解決アプローチを紹介します。
問題:レガシーシステムのリファクタリングで何から手をつけるべきかわからない
拡張思考を使ったアプローチ:「このレガシー決済システムを新しいアーキテクチャにリファクタリングする方法を考えてください。考慮事項:後方互換性、データベースマイグレーション、APIバージョニング、ロールバック戦略、テストアプローチ。段階的な実装計画を提示してください」
拡張思考は特に「計画フェーズ」で威力を発揮します。Claude Codeでは「EXPLORE → PLAN → CODE → COMMIT」という4段階のワークフローが推奨されており、特にPLANフェーズで「ultrathink。これを分析して計画を提案してください。まだコードは書かないでください」と指示することで、いきなりコーディングに飛びつくミスを防げます。
問題:本番環境でしか発生しない高並行性バグの原因が特定できない
拡張思考を使ったアプローチ:「このバグは本番環境で高並行性の場合にのみ発生します。拡張思考を使って潜在的な原因を分析してください。観察:レスポンス時間が500RPSで50msから2秒に増加、CPUは30%、メモリは60%で維持、データベース接続がスパイク、ログにエラーなし。潜在的なボトルネックを分析し、調査ステップを提案してください」
このケースでは、Claudeが観察されたメトリクスから競合状態、接続プールの枯渇、デッドロックなどの複数の可能性を系統的に検討し、各仮説を検証する手順を提示します。拡張思考なしでは見落としがちな複雑な相互作用パターンも、思考プロセスの中で浮かび上がります。
問題:セキュリティ脆弱性の包括的なレビューが必要だが観点が多すぎる
拡張思考を使ったアプローチ:「高effortを使用して、認証実装の脆弱性をレビューしてください。考慮事項:OWASP Top 10、JWTベストプラクティス、セッション管理、レート制限、一般的な攻撃ベクトル。すべての潜在的なセキュリティ問題を特定してください」
セキュリティレビューは見落としが致命的になるため、拡張思考の「網羅的分析能力」が特に価値を発揮します。Claudeは思考プロセスの中で各OWASP項目を体系的にチェックし、実装の各部分に対してセキュリティ上の影響を評価します。
知らないと損する!拡張思考とプロンプトキャッシュの関係
拡張思考を使うと、実はプロンプトキャッシュの効率が低下します。これは多くの人が見落としている重要なポイントです。
通常モードではプロンプトキャッシュが高効率で動作し、コンテキスト使用量も予測可能で、トークン効率も高くなります。しかし拡張思考モードでは、プロンプトキャッシュの効果が低下し、コンテキスト使用量が可変的になり(思考がトークンを使用するため)、トークン効率が低下します(ただし品質は向上)。
推奨される対策は、拡張思考を高価値な意思決定にのみ選択的に使用し、日常的なタスクには使用しないことです。また、拡張思考タスクには5分のキャッシュでは不十分な場合が多いため、1時間のキャッシュ期間の使用が推奨されています。
思考予算を変更すると、メッセージを含むキャッシュされたプロンプトプレフィックスが無効になります。ただし、キャッシュされたシステムプロンプトとツール定義は、思考パラメータが変更されても機能し続けます。
マルチショットプロンプティングで拡張思考を強化する方法
マルチショットプロンプティング(複数の例を提示する手法)は拡張思考と非常に相性が良いことがわかっています。Claudeに問題の考え方の例を提供すると、拡張思考ブロック内で同様の推論パターンに従います。
XMLタグ(thinkingやscratchpadなど)を使用して、拡張思考の典型的なパターンを示す数ショットの例をプロンプトに含めることができます。Claudeはそのパターンを一般化して正式な拡張思考プロセスに適用します。
例えば:「
ただし、Claudeに自由に考えさせたほうが良い結果が得られる可能性もあります。モデルの創造性を信頼することと、パターンを指定することのバランスが重要です。
長文生成時の拡張思考活用テクニック
詳細なコンテンツ生成で長い拡張思考ブロックとより詳細なレスポンスを生成したい場合、いくつかのテクニックがあります。
まず、最大拡張思考長と明示的に長い出力の両方を増やす必要があります。例えば、budget_tokensを10,000以上に設定し、同時に「詳細な分析レポートを5,000語以上で作成してください」と明示します。
非常に長い出力(20,000語以上)の場合、段落レベルまで語数を含む詳細なアウトラインをリクエストし、次にClaudeに段落をアウトラインにインデックス付けさせ、指定された語数を維持させる方法が効果的です。
ただし、トークンを出力すること自体を目的としてClaudeにより多くのトークンを出力させることは推奨されません。あくまで内容の質を優先すべきです。
データセット生成のユースケースでは、「…の極めて詳細なテーブルを作成してください」といったプロンプトを試してみてください。拡張思考がデータの包括性を高めます。
拡張思考が英語で最高のパフォーマンスを発揮する理由
あまり知られていない事実ですが、拡張思考は英語で最高のパフォーマンスを発揮します。最終的な出力は日本語を含むClaudeがサポートするあらゆる言語で可能ですが、内部の思考プロセスは英語で行われるのが最も効率的です。
これはClaudeのトレーニングデータの大部分が英語であることに起因します。英語での推論はより豊富な概念的つながりを活性化し、より深い分析が可能になります。
実践的なアドバイスとして、複雑な問題では英語でプロンプトを書き、出力だけ日本語で求めることで、拡張思考の品質を最大化できます。例:「Analyze this complex system architecture thoroughly. Output your final recommendation in Japanese.」
Opus vs Sonnet vs Haiku:モデル別拡張思考の使い分け
すべてのClaudeモデルが拡張思考から同じ恩恵を受けるわけではありません。実はOpusは拡張思考なしでも既に強力な推論者です。Opusは拡張思考を有効にしなくても深く考える傾向があるため、単純なタスクではむしろ拡張思考をオフにしたほうが速度とコストのバランスが良くなります。
一方、Haiku + 拡張思考の組み合わせは、Sonnetに近いパフォーマンスを発揮します。コスト重視でありながら時折深い分析が必要な場合、この組み合わせが最適解になります。
Sonnetは拡張思考との相性が最も良く、バランス型のユースケースに適しています。注目すべき点として、Opus 4.5は同じ問題を解くのにSonnetより少ないトークンを使用することが観察されています。これはOpusの基礎的な推論能力の高さを示しています。
モデル選択の実践的ルール:クイックフィックスはHaikuで拡張思考なし、通常のリファクタリングはSonnetで「think」、複雑なアーキテクチャ決定はOpusで「ultrathink」+事前計画、といった使い分けが効果的です。
ぶっちゃけこうした方がいい!
正直なところ、拡張思考を100%使いこなそうとするより、「いつ使わないか」を明確にする方が実践的で効率的です。私の経験から言うと、開発の8割は拡張思考なしで十分速く、残り2割の本当に難しい問題でだけ拡張思考を発動させる、というメリハリが最もコスパが良いです。
特にClaude Codeを使っているなら、最初は拡張思考なしで始めて、「あれ、これClaudeが迷ってるな」と感じたタイミングで初めて拡張思考を有効にする、という後出しアプローチが賢いです。問題に直面してから深く考えるほうが、最初から全力で考えるより結果的に速いことが多いんです。
あと、Opus 4.6を使っているなら、もう細かい思考予算の調整は忘れてアダプティブ思考 + effort調整だけに集中してください。デフォルトのhighで始めて、「ちょっと考えすぎだな」と思ったらmediumに下げる。それだけで十分です。予算トークンがどうこうって時代は終わりました。
そして最も重要なのは、拡張思考の「思考プロセス」を実際に読むことです。多くの人が最終的な答えだけ見て満足しますが、思考プロセスを読むと「ああ、Claudeはこう考えてたのか。じゃあこの部分を修正すればもっと良くなるな」という気づきが得られます。これがAIとのペアプログラミングの本質です。答えを受け取る関係じゃなく、一緒に考える関係。それが拡張思考の真価です。
Claudeの拡張思考って何がすごくなったの?に関する疑問解決
ultrathinkが使えなくなったってことは機能が劣化したの?
いいえ、むしろ大幅に進化しています。ultrathinkは固定された31,999トークンの思考予算を提供していましたが、新しいアダプティブ思考ではClaudeが問題の複雑さに応じて自動的に最適な思考量を決定します。さらにeffortパラメータでlowからmaxまで4段階の制御が可能になり、柔軟性が大幅に向上しました。Opus 4.6では最大63,999トークンの思考予算も利用可能です。
拡張思考を使うと毎回コストが高くなるの?
アダプティブ思考モードでは、Claudeがタスクの複雑さを判断して必要な場合のみ深い推論を行うため、単純な質問では思考をスキップすることもあります。effortをlowやmediumに設定すれば、さらにコストを抑えることができます。重要なタスクには大きな予算を、簡単なタスクには小さな予算を設定するという柔軟な使い分けが可能です。
Claude CodeのWebUIでultrathinkと入力しても効果ないの?
その通りです。ultrathinkや拡張思考のトリガーワードは基本的にClaude Code内での利用が想定されています。claude.aiのWeb インターフェースで「ultrathink」と入力しても、それは単なるプロンプトの一部として扱われ、特別な思考モードは発動しません。Web インターフェースではデフォルトで拡張思考が自動的に適用されるようになっています。
インターリーブ思考って何がすごいの?
インターリーブ思考により、Claudeはツール呼び出しの間に思考できるようになりました。これは特にエージェント的なワークフローで重要で、ツールの結果を受け取った後により洗練された推論を行えます。例えば、ツール呼び出しの結果について推論し、次に何をすべきか決定し、複数のツール呼び出しを推論ステップを挟んで連鎖させ、中間結果に基づいてより微妙な判断を下すことが可能になります。
思考ブロッククリアリングって何?
Claude Opus 4.5以降では、以前のアシスタントターンからの思考ブロックがデフォルトでモデルコンテキストに保持されるようになりました。これにより、ツール使用時のキャッシュヒット率が向上し、複数ステップのワークフローでトークンを節約できます。ただし、長い会話ではコンテキストスペースをより多く消費します。ベータ版の思考ブロッククリアリング機能(`clear_thinking_20251015`)を使用すれば、古い思考ブロックの自動管理が可能です。
まとめ:拡張思考は単なる機能追加ではなく、AI利用の概念を変える革新
Claudeの拡張思考モードは、AIが「即答する存在」から「考えてから答える存在」へと進化したことを象徴しています。ultrathinkという魔法の言葉は消えましたが、その代わりに私たちはより洗練されたアダプティブ思考という仕組みを手に入れました。
2026年2月にリリースされたOpus 4.6では、拡張思考が標準機能として統合され、4段階のeffort制御、自動的なインターリーブ思考、100万トークンコンテキスト、128Kトークン出力といった機能と組み合わさることで、AIエージェントの新時代が幕を開けつつあります。
複雑な問題解決、長時間のコーディングタスク、包括的な分析作業において、拡張思考は「AIとの会話が知的資産になる」未来を実現する基盤技術となるでしょう。重要なのは、この技術をいつ、どのように使うかを理解し、タスクの複雑さに応じて適切な思考予算を設定することです。
今後、さらに多くのモデルで同様の推論時計算(inference-time compute)が標準化され、2026年現在すでにOpenAIのo1、Claude、Gemini 3といった主要モデルで推論がデフォルト動作となっています。拡張思考はもはや実験的機能ではなく、次世代AIの標準仕様なのです。


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