Gemini APIを活用したアプリケーション開発は、さまざまな業務効率化に役立つ可能性があります。しかし、APIを直接叩くのは面倒に感じることも多いものです。そこで、Slackのスラッシュコマンドを使って、Gemini APIを簡単に呼び出す方法を知りたい方に向けて、具体的な手順とベストプラクティスを徹底解説します。
この記事を読めば、Slackで簡単にAPIを呼び出す方法がわかり、作業の効率化や自動化が実現できます。それだけでなく、API連携を活用した開発の幅が広がることを実感できるはずです。
SlackとGemini APIの連携概要

AIのイメージ
まず、SlackでGemini APIを呼び出すためには、以下の準備が必要です。
- Gemini APIキーとSlackのSigning Secretが必要
- Signing Secretは、Slackからのリクエスト検証を行うために使用します
- Gemini APIキーは、以前の記事で作成済みとします
これらの準備が整えば、SlackからGemini APIにリクエストを送信し、レスポンスを得ることができます。
Slackでのアプリ作成とSigning Secretの取得
SlackでAPIリクエストを処理するには、まずSlackアプリを作成する必要があります。このアプリでSigning Secretを生成し、リクエストを検証します。以下はその手順です。
- Slackで新しいアプリを作成します。「Create New App」をクリック。
- アプリ作成後、SlackのAPI設定画面からSigning Secretを取得。
- 取得したSigning Secretを控えておきます。
このSigning Secretは、後でリクエストの検証に使う重要な情報です。必ず控えておきましょう。
SlackからGemini APIを呼び出すコードの準備
次に、Slackのスラッシュコマンドを利用してGemini APIを呼び出すコードの準備を行います。まずは、前回作成したコードをもとに、新しいプロジェクトとしてセットアップします。
- 以前使用したコードをパブリックテンプレートとして作成し、右上の「Use this template」からコードを作成
- wrangler.tomlやpackage.jsonの名前を、「hono-gemini-slack」に変更
- 環境変数でAPI_KEYを削除し、SLACK_SIGNING_SECRETを追加
これにより、Slackから受け取ったリクエストを正しく処理し、Gemini APIにアクセスする準備が整います。
Slackとの連携実装
Slackとの連携を実装するために、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
リクエストの検証と署名の確認
Slackからのリクエストが正当なものであるかどうかを確認するために、リクエストに付加された署名を検証します。これには、`validateSlackSignature.ts`というファイルを作成し、ヘッダーから署名とタイムスタンプを取得します。
- 署名が一致しない場合やリクエストの送信日時が古い場合はリクエストを拒否
- 署名の検証を通過した場合のみ、Gemini APIにリクエストを送信
これにより、悪意のあるリクエストを排除し、安心してAPIを使用することができます。
レスポンスの処理とタイムアウトの防止
Slackのスラッシュコマンドは、公式のドキュメントによると、最大3秒でレスポンスを返さなければならないという制限があります。これを超えると、タイムアウトが発生してしまいます。
この問題を避けるために、以下のようにレスポンス処理を行います。
- 最初に200 OKを返し、レスポンスのURL(response_url)を控えます。
- その後、非同期でGemini APIのレスポンスを取得し、控えておいたURLに結果をPOSTします。
これにより、Slackのスラッシュコマンドからのタイムアウトを防ぎ、スムーズな連携が可能になります。
Gemini APIとSlack連携の実用的な設定
このセクションでは、実際にSlackにコマンドを追加し、SlackとGemini APIの連携を完成させる手順を解説します。
Slackコマンドの追加
Slackアプリに新しいスラッシュコマンドを追加するには、Slackの管理画面で設定を行います。
- Slackの「Slash Commands」から、新規コマンドを追加
- 「Request URL」に、Cloudflareでデプロイした後のエンドポイントを設定
これで、Slack上でコマンドを入力することで、Gemini APIを呼び出し、結果を得ることができます。
実行時のログ確認
実行した内容を確認するために、ターミナルでログを表示します。これにより、リクエストの送信状況やエラーがわかり、デバッグがしやすくなります。
- 「tail」コマンドを使って、実行されたリクエストを確認
- Slackにメッセージを送信し、レスポンスが正しく返されるかチェック
これで、Slack上で簡単にGemini APIを利用できるようになります。
よくある質問
Gemini APIキーとSlackのSigning Secretはどこで取得するのか?
Gemini APIキーはGeminiのアカウントから取得できます。また、SlackのSigning SecretはSlackのアプリ設定画面で生成することができます。
Slackでコマンドを追加する方法は?
Slackアプリ設定画面で「Slash Commands」を選択し、新しいコマンドを作成します。Request URLには、Gemini APIを呼び出すエンドポイントを設定します。
まとめ
SlackでGemini APIを簡単に呼び出す方法を理解することができました。これにより、Slack内での作業をより効率的に行えるようになり、Gemini APIを活用した自動化やワークフロー改善に役立てることができます。
是非、この記事で紹介した方法を実践して、あなたのプロジェクトにも取り入れてみてください。
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