「スライドを作って」と頼んだのに、出てきたのはHTMLのコード。エクスポートのボタンも見当たらない。Geminiでスライドを作ろうとして、この時点で手が止まった人は本当に多いはずです。私も最初は同じところでつまずきました。
結論から言うと、Geminiでスライドが作れないのは、ほとんどが「使っている入り口」と「プランの違い」を取り違えているからです。2026年6月時点の公式情報をもとに、なぜ作れないのかと、どうすれば確実に作れるのかを整理しました。
- スライドが作れない原因は「入り口の選び間違い」と「プランの壁」の2つにほぼ集約される
- 無料で複数枚を一気に作れるのはCanvas一択。Googleスライド側のサイドパネルは今も1枚ずつ
- HTMLで出てしまう時の脱出手順と、組織アカウントでエクスポートが弾かれる時の回避策
まず原因を切り分ける
「作れない」と一言で言っても、症状によって原因はまったく違います。やみくもに試す前に、自分がどの状態かを下の表で確認してください。これだけで遠回りがかなり減ります。
| あなたの症状 | 本当の原因 | 向かうべき解決策 |
|---|---|---|
| HTMLやコードで出力される | Canvasが未選択 or 指示が曖昧 | Canvasを選ぶ+キーワードを明示 |
| エクスポートのボタンが無い | スライドではなく文書として生成された | 「スライド形式に変換して」と再指示 |
| エクスポート時にエラーが出る | 組織のDrive SDK制限 | PDFでダウンロードする |
| 1枚しか作れない | Googleスライド内のサイドパネルを使っている | Geminiアプリ側のCanvasに切り替える |
| 機能自体が表示されない | プランが非対応 or 無料版の制限 | Canvasで代替するか管理者に確認 |
入り口は2つある その違いが落とし穴
Geminiでスライドに関わる入り口は2系統あって、できることが大きく違います。ここを混同したまま使うと、永遠に「作れない」が続きます。
ひとつはGeminiアプリのCanvas。テーマを伝えるだけで、複数枚のスライドをまとめて生成してくれます。生成後に「スライドにエクスポート」を押せばGoogleスライドへ書き出せます。一気に作りたい人はこちらです。
もうひとつがGoogleスライドを開いた状態で右上の星アイコンから呼び出すサイドパネル。既存の資料に追記する用途には便利ですが、公式ヘルプにはっきり「一度に生成できるスライドは1つのみ」と書かれています。しかも執筆時点では「パソコンで英語のみ対応」で、日本語UIからは生成自体が出てこないことがあります。「サイドパネルでまとめて作れない」と悩んでいた人は、入り口がそもそも複数枚向きではなかった、というのが答えです。
無料で作れる範囲はどこまでか
| 方法 | 無料で使えるか | 枚数 | 言語 |
|---|---|---|---|
| Canvas → スライドにエクスポート | ○(段階的に拡大) | 複数枚OK | 日本語OK |
| スライド内のサイドパネル | ×(対象プラン必須) | 1枚ずつ | パソコンで英語のみ |
※2026年6月時点・Google公式ヘルプより。
ここが一番の誤解ポイントです。「無料だとスライドが作れない」と書かれた記事も見かけますが、正確には機能ごとに線引きが違います。2026年6月時点の整理が下記です。
| 機能 | 無料版(Gemini) | 有料Workspace |
|---|---|---|
| Canvasで複数スライド生成 | 利用できる(段階展開) | 利用できる |
| Googleスライドのサイドパネル生成 | 対象外 | 対象(英語のみ・1枚ずつ) |
| スライド内のAI画像生成 | 制限あり | 利用できる |
つまり、お金をかけずにスライドをまとめて作りたいなら、GoogleスライドのサイドパネルではなくGeminiアプリのCanvasを使うのが正解です。Googleスライド内のAIサイドパネルは対象のWorkspaceプランまたはAIプランが前提で、無料アカウントでは項目自体が現れません。「自分の環境では出ないのに、解説記事には載っている」というズレは、ここが原因のことがほとんどです。
HTMLで出てしまう時の脱出手順
一番よくあるのがHTMLで出力されてしまう症状です。Geminiは文脈から「文書なのかスライドなのか」を推測するので、指示が曖昧だと文書側に倒れます。
まずCanvasを選んだうえで、プロンプトに「スライド」「プレゼンテーション」「16:9」という言葉を必ず入れてください。たとえば「新サービスの提案を16:9のスライドで8枚作って」のように、枚数とサイズまで言い切るのがコツです。すでにHTMLで出てしまった後でも、「この内容をプレゼンテーションスライドに変換して」と続ければ作り直せます。
それでも気を利かせてHTMLに寄っていく時の最終手段があります。プロンプトを英語にして「Strictly(厳密に)」を強調し、さらにPptxGenJSライブラリでの出力を指定する方法です。ブラウザ上でPowerPointファイルを直接ダウンロードできるコードを書かせる形になるので、標準のエクスポートメニューが出ない環境でも確実にファイルを手に入れられます。日本語より英語の方がブレが小さいのは、実際に試すとはっきり体感できます。
エクスポートでエラーが出る時の回避策
会社や学校のアカウントで使っていて、エクスポートを押すとエラーになる場合があります。これはあなたの操作ミスではなく、管理者側のDrive SDK制限が原因です。Geminiの「スライドにエクスポート」は内部でDriveへファイルを自動作成するため、その経路が組織のセキュリティ設定で塞がれているとエラーになります。
回避策はシンプルで、エクスポートではなくPDFでダウンロードすることです。ブラウザから自分のパソコンへ保存する経路は制限されていないことが多いため、Canvas画面からPDF形式で落とせます。そのPDFを後からGoogleスライドへ取り込めば、組織のルールを守りつつ資料を仕上げられます。会社の規定が絡む場合は、無理に設定を変えず管理者に確認するのが安全です。
結局どれを選べばいいか
迷ったら次の順で考えると早いです。まとめて作りたいならGeminiアプリのCanvas。既存スライドに少しだけ足したいならGoogleスライドのサイドパネル(有料・英語)。組織アカウントでエクスポートが弾かれるならPDFで持ち出す。HTMLに化けるなら英語+Strictlyで縛る。この4択を押さえておけば、たいていの「作れない」は抜けられます。
完璧な一発生成を狙うより、8割をGeminiに任せて残りを手で整える割り切りの方が、結果的に速いです。数字や固有名詞だけは必ず自分で確認してください。AIは古いデータをそのまま出すことがあるので、最後の事実チェックは人の仕事です。
よくある質問
無料版のGeminiでスライドは作れますか
GeminiアプリのCanvasを使えば、無料版でも複数枚のスライドをまとめて生成してエクスポートできます。ただしGoogleスライド側のAIサイドパネルは対象のWorkspaceまたはAIプランが前提で、無料アカウントでは項目が表示されません。まとめて作るならCanvasを選んでください。
サイドパネルで一度に複数枚作れないのはなぜですか
2026年6月時点の公式ヘルプで「一度に生成できるスライドは1つのみ」と明記されているためです。仕様であって不具合ではありません。複数枚が必要ならGeminiアプリのCanvasに切り替えるのが確実です。
日本語でスライドを作れますか
GeminiアプリのCanvasは日本語の指示でスライドを生成できます。一方、Googleスライド内のサイドパネルは執筆時点でパソコンの英語のみ対応のため、日本語UIでは生成が出てこないことがあります。日本語で進めたいならCanvasを使ってください。